この星の格闘技を追いかける

【on this day in】8月13日──2013年

13 08 13【写真】ラッセル・ドーンを一瞬の隙に三角絞めで捉えたカイル・アグォン(C)MMAPLANET

PXC38
@グアム、UOGフィールドハウス
「激しいケージ際でのスクランブル戦が続くなかで、カイル・アグォンがラッセル・ドーンを三角絞めに捉えた。極め切ることはできなかったが、多少のホームタウン・デシジョンがあったとしても──目まぐるしいノンストップアクションのなかで、勝因となったサブミッションのセットアップだった。2年間のPXCバンタム級王者は田中路教、ドーンは田中に続き、アグォンにも遅れを取った形となったが、そのレスリング+柔術=スクランブル戦で最後に上を取るというスタイルで、UFC入りを果たし2勝2敗という戦績を残している。ハイライトリールで取り上げられるような攻防にはなりえないスクランブル合戦だが、ドーンは現代MMAで欠かせない戦い方で、グラップルに造詣のあるファンを沸かせることはできる。それはハワイ・エリートMMAの同門でPXCフライ級王者からUFC入りを果たしたルイス・スモルカにもいえることだ。ちなみにスモルカはUFCでも3勝1敗と勝ち越している。このスクランブルを攻防とせず、自らのペースで相手をコントロールし続けるのが北岡悟の無限ループだ。対して、アグォンとドーンの試合、スモルカのファイトはコントロールはしきれないが、相手に攻め続けられることのないせめぎ合いが続く。そんな終わりと始まりの局面が連続する試合は無限ループではなく、メビウスの輪MMAと称したくなる。北岡の試合同様に万人に受け入れられる戦いではない。よって田中やドーンに続き、アグォンがUFC入りを目指すために打撃と極めの精度をあげる努力を続け、試合内容にも表れている。スクランブルが幹とすれば、打撃と極めは枝葉。日本のMMA界はケージ導入が進み、この幹の部分の重要性が浸透し始めた。ただ、グアムという小さな島の小さなMMAコミュニティでは──枝葉の重要性を感じ取る選手がいることをここに記しておきたい。幹がなければ当然、そして枝葉が欠けてしまっても花は咲くことはない、のだ」

on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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