【RFC25】王者対決へ、バンタム級王者イ・ユンジュン「ディフェンシブな選手は頂点に立てない」
【写真】スイッチしてからの左ミドルなど、そのスピーディな打撃が売り物のイ・ユンジュンだが、果たしてフェザー級で持ち味を発揮できるか (C)MMAPLANET
22日(土・現地時間)に韓国カンウォンド・ウォングのチアク体育館で開催されるROAD FC25のメインは階級を超えたチャンピオン対決。バンタム級王者イ・ユンジュンがフェザー級王者チェ・ムギョムと対戦する。
躍進韓国MMA界の象徴といえるチャンピオンが、なぜここに来て1階級上の王者との対戦を熱望したのか。そして盟友キム・スーチョルのマルロン・サンドロ戦をどのように捉えているかを語ってもらった。
――7月25日の日本大会にセコンドで来日をしていましたね。
「初めて日本で言ったのですが、あまりの暑さに驚きました。だからエアコンが気に入ってしまいました(笑)。それとコンビニの食べ物が本当に美味しくて感動しました。韓国のコンビニよりずっと美味しかったですし、お店自体がスタイリッシュでした。日本で実際に和食を食べてみて、とても刺激的でした」
──初めての日本ということで、戸惑うことなかったですか。
「いえ、何かあっても凄く親切にしてもらえたので、大きな失敗もなかったです」
――では大会自体の印象を教えてもらえますか。特に同じバンタム級のキム・スーチョル、そしてキム・ミンウの試合を振り返り、どのような印象を持ちましたか。
「以前は想像だにできなかった韓国のイベントが日本で大会を開催することにとても感動しました。日韓戦が中心のラインナップでしたが、日本の選手が勝つ試合もあれば、韓国の選手が勝つ試合もありました。そういった試合を見ながら、自分の国の選手も、日本の選手も一生懸命生きているんだな……と感じた次第です。同じバンタム級のキム・ミンウ選手の試合ですが、特に印象には残っていません。きちんと戦略を立てて、無難に勝った試合だと思いましたが。
キム・スーチョル選手の試合の方が印象には残りました。自分はキム・スーチョル選手が足を負傷していたことを知っていたので。相手の中原太陽選手も強かったです。少し心配な場面もありましたが、しっかり勝っていましたね。序盤で試合を決めることはできなかったですが、プレッシャーを掛け続けて打撃でなくとも、フィニッシュできる武器があることはやはり強みだなと思いました」
――ROAD FCバンタム級王者のイ・ユンジュン選手ですが、次の試合はフェザー級王者チェ・ムギョム選手とのスーパーファイトとなります。まず、この一戦のオファーを受けた時、どのように思いましたか。
「自分がオファーを受けたというよりは、こちらから挑発して、逆にプロモーションサイドが乗ってくれたという形です。少し無理のある試合ですが、今回の提案を受け入れてくれたチェ・ムギョム選手にも有難く思っています」
――MMAは階級制です。ベルトを持ったまま、1階級の上の選手と戦う意義を教えてください。
「チャンピオンとして、今の地位を守らなければない義務感はありますが、より強い相手と戦いたい欲求が常にあります。なので今回の試合は自分自身とてもワクワクしています」
――またフェザー級で戦うことに、どのようなリスクを感じていますか。
「パワー、フィジカルでは劣りますが、相手のチェ・ムギョム選手もパワー、フィジカルに優れているスタイルの選手ではないので、この試合に関してそのようなリスクは感じていません」
――チェ・ムギョム選手の印象は?
「直線上での打撃、グラウンドの巧い選手。それくらいでしょうか……」
――日本ではチェ・ムギョム選手やイ・ユンジュン選手、あるいはクォン・アソル選手のような殴り合いにも強い一方で、間合い、角度を考えてレンジをコントロールできる選手の試合をネオ韓国MMAと呼ぶことがあります。ガチガチの殴り合いとは一線を画した、このような打撃主体の戦いについて、観客には伝わらないことがあるかと思いますが、イ・ユンジュン選手はスポーツとして、またエンターテイメントとして、自らのスタイルをどのように考えていますか。
「そうですね。試合を見に来てくれるファンの方がいてくれてこそのプロ選手だと思っています。格闘技はスポーツですが、ファンにエキサイトしてもらえるかどうかも、プロとしての資質が問われる部分だと理解しています。実力的にもエンターテイメント的な部分でも、どちらも十分な選手になれるよう努力しています」
――チェ・ムギョム選手は特に相手の攻撃を見切る、あるいは無力化させる距離を取るのが上手い選手です。では、彼の弱点はどこにあるでしょうか。
「今、言われたようにディフェンスは本当に巧いですが、攻撃はとても優れているとは思いません。ディフェンス重視の選手は絶対に頂点に立つことは出来ません。それこそ、チェ・ムギョム選手の弱点だと思います」
――彼より勝っている点はどこにあると思いますか。
「試合に臨む姿勢です」
――なるほど。この試合の結果いかんによっては、フェザー級で戦い続けることもあるのでしょうか。
「バンタム級王座防衛戦とフェザー級での試合を両立していきたいです。相手は誰になろうと構いません。二つの階級、どちらにも主眼に置いて戦います」
――練習仲間で同じバンタム級のキム・スーチョル選手が、同じ大会でフェザー級でマルロン・サンドロと戦います。彼のこのチャレンジをどのように捉えていますか。
「本当にスーチョルは戦士です。ファイターです。だから、当然の挑戦だと思います。そして、キム・スーチョル選手は勝って、ROAD FCバンタム級の強さを見せてくれるはずです。もちろんマルロン・サンドロが世界レベルの選手ではありますけど、スーチョルの“クレイジー根性”で一発見せてくれるのではないかと期待しています」
――では、チェ・ムギョムに向けて、同じくフェザー級で戦うことをキム・スーチョルと話したことはありますか。
「減量しなくてもいいから良いね、と話したくらいですね……。前回の試合、初防衛戦を通して自分にはスタミナの面で問題がありました。なので、今はスタミナ強化を重視して練習しています。チェ・ムギョム戦ではチャンピオンなどといったものは一度全て置いて、一人のファイターとして戦いに臨みます。応援よろしくお願いします!!」
■ ROAD FC25対戦カード
<フェザー級/5分3R>
チェ・ムギョム(韓国)
イム・ヒョンギュ(韓国)
<フェザー級/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
マルロン・サンドロ(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
キム・ネチョル(韓国)
ドン・シン(中国)
<ウェルター級/5分3R>
キム・ソクモ(韓国)
オヌル・トルケル(トルコ)
<バンタム級/5分3R>
パク・ヒョンギュン(韓国)
根津優太(日本)
<女子アトム級/5分2R>
パク・ジョンウン(韓国)
SARAMI(日本)
■ Young Guns 24 対戦カード
<67.5キロ契約/5分2R>
ジョン・ドゥジェ(韓国)
キム・ウォンギ(韓国)
<ライト級/5分2R>
キ・ウォンビン(韓国)
パク・チョンイル(韓国)
<ライト級/5分2R>
チョ・ヨンジュン(韓国)
キム・ギョンピョ(韓国)
<フライ級/5分2R>
ユ・ジェナム(韓国)
カーン・カズガン(トルコ)
<ライト級/5分2R>
キム・イサク(韓国)
パク・チャンソル(韓国)
<フライ級/5分2R>
クァク・ジョンヒョン(韓国)
ジョン・ジュンフェ(韓国)
<ミドル級/5分2R>
チョン・ヨンジュン(韓国)
チェ・インヨン(韓国)
<フェザー級/5分2R>
イ・サンヒョン(韓国)
チェ・ジョンチャン(韓国)
<フライ級/5分2R>
キム・ウジェ(韓国)
イ・ウォンジュン(韓国)