【RFC24】躍進・韓国MMA界の象徴キム・スーチョル「MMAとはある意味、闘争心、戦う意志」
【写真】現在の韓国MMAの成長の証といえるキム・スーチョル (C)MMAPLANET
25日(土)に東京都江東区の有明コロシアムで開催されるRoad FC24にキム・スーチョルが5年振りに日本のケージで戦う。
プロデビュー戦が関西インディMMAプロモーションのRising Onだったキム・スーチョル。日本大会ということもあり、日本を意識したかつての韓国MMA界の大物を揃えた感のある今大会にあって、キム・スーチョルこそ現在のネオ韓国MMAの成長を象徴する存在だ。
ROAD FCに定着する前には、レアンドロ・イッサを下しONE世界バンタム級を制しているキム・スーチョル。今の韓国MMAの勢いを日本に持ち込み、中原太陽と対戦するキム・スーチョルの話を聞いた。
──今年、2試合目が日本大会となりました。ROAD FCにとって初めての日本でのイベントの遠征メンバーに入ったことをどのように思いますか。
「とても嬉しいです。プロデビュー戦が日本での試合だったので、このようにまた日本へ行けることは感慨深いですし、とても気分が良いです」
──日本大会出場のオファーを受けた時、どのような気持ちになりましたか。
「ウェイトトレーニングをしていたら、マッチメイキングを担当しているクォン・ジョンウム課長から電話が来て、中原太陽との試合が決まったこと、日本での試合になると言われました。『また戦うんだな』、『日本人選手と戦うんだな』と思いました」
──日本での試合はプロデビュー戦となった2010年8月のRising On 以来、約5年振りとなります。当時、どのような印象を日本に持ちましたか。
「あの時は日本の大会は家族的だなと感じました。ただファンとして来場した方もいたと思いますが、出場選手のジムの仲間の方々が多いのを見て、格闘技のインフラが出来ているな、と思いました」
──当時のスーチョル選手にとって、日本のMMAとはどのような存在だったのでしょうか。
「もう神のような存在でしたね。今は少し変わってしまいましたが、PRIDEやK-1があったのでやはり神のような存在でした」
──以来、来日する機会がありませんでしたが、韓国人選手がキャリアの序盤で、実力者のある日本人と戦うために来日するという関係が長く続きました。
「自分の世代まではそうでしたね。自分もプロデビュー戦は自分よりも20戦以上の試合経験のある選手と戦いましたから。その時は階級も一つ上に上げて試合しました。ただ格闘技というものは自分自身より強い相手と戦って勝つことが大事だと思います。ですので、韓国の選手達は日本へ遠征に行くときは自身より強い選手に勝つために日本に向かう──そういうイメージを持っていました」
──そのようなキャリアの積み方と、実績に合った対戦相手と戦い経験を積んでいく。今ではどちらが良いと考えていますか。
「自分は自分が強くなるためにというよりも、自分より強い相手に勝つということを目標にすることが格闘技だと思ってます。自分よりワンランク上の人に挑戦することが、このスポーツでは正しいことだと思いますね。他の人とは異なる意見だとは思いますが」
──では、この間の韓国MMA界の成長に関してどのような印象を持っていますか。
「日本のMMAが以前と比べると厳しくなっているのは事実だと思います。韓国MMA界はその反対でROAD FCが誕生してから、多くの選手たちが今、大きな舞台で試合が出来るようになりました。ROAD FCが日本へ進出して、日本のMMA、韓国のMMA界、両方が発展すれば良いですね。日本がもう一度熱くなってほしいです」
──この間の日本と韓国人選手の力の差の変化をどう思いますか。
「以前の場合でしたら日本人選手と韓国人選手が5×5で戦った場合、日本人選手が4勝、韓国人選手が1勝。ただ今は互角だと思います。勝率は50パーセント同士になるでしょう」
──5×5だと勝率50パーセントは……。いめ。では韓国人選手が力をつけた要因はどこにあると、スーチョル選手は思っていますか。
「まずUFCで活躍中のキム・ドンヒョン選手の躍進を他の全てのファイターが憧れ、そしてROAD FCが始まりました。より多くのファイターがUFCに上がって、そしてROAD FCという団体が生まれたことによって、選手達が夢、目標を持って一生懸命に頑張れるようになったことが大きいと思います」
──スーチョル選手は過去7戦で6勝1敗ですが、通算戦績は10勝5敗です。つまりキャリアの序盤は4勝4敗という五分五分の戦績でした。当時、敗戦が多かった理由はどのように捉えていますか。
「前は自分自身、MMAを軽く考えていたと思います。試合に出ることも怖かったですし。MMAはある部分、闘争心、戦う意志がポイントです。これらが重要だというのに、当時は不足していました。ただ試合を重ねていくうちにモチベーションがかなり付きました。
当時は自分よりキャリアが数段上の外国人選手と多くぶつかってみて、自分がフィジカル的に小さいことに気づきました。技術的にも足りない部分が多かったですし、ただそれらは言い訳になりません。やはり闘争心、意志が不足してためですね」
■ ROAD FC 24 対戦カード
<RFCミドル級王座決定戦/5分3R+Ex>
福田力(日本)
ジョン・オジン(韓国)
<無差別級/5分3R>
カルロス・トヨタ(日本)
チェ・ホンマン(韓国)
<ヘビー級/5分3R>
川口雄介(日本)
チェ・ムベ(韓国)
<ミドル級/5分3R>
ミノワマン(日本)
キム・デソン(韓国)
<バンタム級/5分3R>
中原太陽(日本)
キム・スーチョル(韓国)
<88キロ級契約/5分3R>
高瀬大樹(日本)
ユン・ドンシク(韓国)
<女子アトム級/5分2R>
しなしさとこ(日本)
イ・イェジ(韓国)
<ライト級/5分2R>
大原樹里(日本)
イ・グァンヒ(韓国)
■ YOUNG GUNS 23 対戦カード
<フェザー級/5分2R>
今野寛和(日本)
ホン・ヨンギ(韓国)
<バンタム級/5分2R>
佐藤将光(日本)
キム・ミンウ(韓国)
<フェザー級/5分2R>
原井徹(日本)
キム・ホジュン(韓国)
<フライ級/5分2R>
南出剛(日本)
キム・ヒョリョン(韓国)
<フェザー級/5分2R>
榎本明(日本)
ベク・スンミン(韓国)
<ミドル級/5分2R>
尾崎広樹(日本)
中村勇太(日本)
<フェザー級/5分2R>
鷹島大樹(日本)
杉山和史(日本)
<フェザー/5分2R>
小金翔(日本)
沢井隼人(日本)
<バンタム級/5分2R>
大場翔(日本)
金井卓也(日本)
<ウェルター級/5分2R>
鈴木友希(日本)
田辺丈人(日本)