【UFN71】正統派オールランダ―のトムソンを寄せ付けず。ファーガソンが圧勝判定勝ち
<ライト級/5分3R>
トニー・ファーガソン(米国/11位)
Def.3-0:30-26,30-27,30-27
ジョシュ・トムソン(米国/9位)
ランクは上位ながらアンダードッグ、初めてUFCで戦ってから12年が経ったトムソン。サウスポーに構えたトムソンに対し、ファーガソンは右ミドルから左を伸ばす。トムソンは左ミドルを入れ、オーソに構えを変える。スイッチを繰り返すトムソンだが、ファーガソンは距離を取って焦らない。蹴り足を掴まれ、バランスを崩したファーガソンの立ち上がり際にヒザを入れたトムソンがテイクダウンを決める。
すぐに試合がスタンドに戻ると、ファーガソンは前蹴り&左ジャブを強烈な勢いで入れる。左ローから左ストレート、さらに前蹴りでトムソンを突き放すファーガソン。トムソンの回転の速いパンチもかわしていく。ファーガソンのローにワンツー、左ハイを返し、得意の足払いをトムソンは織り交ぜて戦う。ファーガソンは前蹴りからフライングニーも、トムソンがトップを奪取。組みが逆の三角を気にせず振り払うと、ファーガソンは腰を切ってスイープを狙う。トップをキープしてエルボーを落としたトムソン、ここで初回が終わった。
2R、いきなりの前蹴りでトムソンを突き放すファーガソン。さらに右ストレートを伸ばしフックの応酬へ。バランスを乱れると、前転して距離を取るという奇抜な動きをファーガソンが見せる。と、直後に右エルボーがトムソンの顔面を捉える。亀、ガード、亀と懸命に顔面を守るトムソンに対し、ファーガソンが容赦なくパンチを入れクルスフィックからエルボーを落とす。しかし、ここでファーガソンがケージを掴んだことでスタンドからの再開を指示される。
スタンド戦を嫌がる素振を見せたトムソンは蹴り足をキャッチして右を入れるも、左エルボーから右ストレートを打ち込まれバランスを崩す。自らガードを取り、三角でトムソンを捉えたファーガソンがエルボーを既に大流血のトムソンに突き刺していく。頭を引き抜いたトムソンだが、ファーガソンはキムラを仕掛けスイープ。そのまま極め続けるも、トムソンが腕を抜いて亀の態勢に。バックから崩し、ダース狙いも立ち上がったトムソンがパンチを振るって反撃に出たところでこの回が終了に。
最終回、ファーガソンの蹴り足をキャッチしたトムソンがケージに押し込むが、離れたファーガソンがケージを背にしてなお右ストレートや前蹴りで試合をリードする。さらにエルボーを2発入れたファーガソン。すぐに血が顔面に滴り落ちるトムソンに、再度エルボーを入れる。トムソンの真正面からのダブルレッグを苦も無くスプロールしたファーガソンは、左ミドルを蹴り込む。
残り90秒、トムソンは圧力を受けて前に出ることができない。右ヒザをそんなトムソンに入れたファーガソンは、ダースチョークもトムソンが立ち上がる。スピニングバックフィストをヒットしたトムソンに対し、ファーガソンはここでも前転して間合いを取り直す。必死の形相で組み付き、バックに回ったトムソンだが反撃に移ることはできずにタイムアップを迎えた。
結果は30-26をつけるジャッジもいたファーガソンの圧勝劇。稀代の正統派オールラウンダーのトムソンに対し、個性的な動きをしながら全ての局面で上回る強さを見せたファーガソン。打・倒・極を融合させ流れのなかで相手を仕留めてきたトムソンを相手に、もとから打・投・極が一体となったスタイルで、試合の流れをぶつ切りにする破壊力をもった攻撃をいかようにも繰り出せるファーガソンが圧倒──時代が変わる、そんな一戦を見たような想いがした。