【UFN71】期待度薄まる──徹底したリスク管理ファイトでホルム完勝
<女子バンタム級/5分3R>
ホーリー・ホルム(米国/10位)
Def.3-0:30-26, 30-27, 29-28
マリオン・ルノー(米国/11位)
鳴り物入りでUFCと契約しながら、初戦は期待外れに終わった元女子ボクシング世界王者ホルムに対し、ルノーがローを見せる。距離を取ってかわしたホルムは、続いてロー&前蹴りもかわす。サイドキックで距離を測るホルムは左ミドル。ホルムはパンチのフェイクからローを入れ、さらにサイドキックと蹴り中心の戦いを見せる。蹴っては離れを繰り返すホルム。距離を詰めることができないルノーに、左ミドルをホルムが決める。ようやくアウトから右ローを入れ、突き放し系でない蹴りを放ったホルムに対し、ルノーが右ミドルを決める。結局ホルムはパンチのレンジになる前の蹴りで試合を組み立てて続け、初回が終わった。
2R、意を決したように前に出たルノーに対し、ホルムは左ハイを2発。突進には角度をつけてかわし、角度をつけて踏み込みミドル。ワンツーから左ミドル、攻撃は蹴りで終わらせるホルムはボクシング世界王者の肩書きが邪魔に感じる戦いを続ける。とにかく相手のパンチレンジに入らないことを徹底するホルムにルノーも右ミドルを蹴り込む。残り1分、ケージ際でパンチから蹴りで若干のラッシュを掛けたホルムは、ルノーの蹴り足を掴む。ルノーはジャンピングガードへ。スラムでルノーだけ落としたホルムはローを入れる。ホルムはリスク管理が徹底したファイトを実践する力を持つだけに、試合は退屈極まりない展開となっている。
最終回、ワンツーから左ミドル、サイドのヒザへの蹴り、ホルムの倒さない打撃にブーイングが強くなる。ルノーは左ジャブをヒットさせたが、パンチの届く距離にステイはできない。そんなホルムの完璧な距離コントロールに疲弊したルノーが疲れて動きが落ちる。ここで左ストレートを伸ばしたホルムは勢いのある左右のローを放つ。ホルムは左フックからサイドキック、ジャンピングガードのルノーはスラムを許しながらも、両ヒザをついたところで三角を仕掛ける。胸を張ってしっかりと対処したホルムがスタンドへ戻る。
ワンツーからスリーとフォーを放ち、左ミドルを2発。ケージに詰まったルノーにパンチのラッシュを掛けたホルムは、最後の10秒だけ猛攻を見せ試合を締めくくった。ジャッジは当然ホルムの勝利を支持、しかし投げと極めでフィニッシュを続けるロンダ・ラウジーの挑戦者候補として見れば、倒せる打撃を出さない限り期待度は高まらないホルムだ。