【UFC188】メレンデス戦で巻き返し期す、アルバレス
【写真】セラーニ戦で下げた評価、挽回なるかエディ・アルバレス(C)MMAPLANET
13日(土・現地時間)、正規王者ケイン・ヴェラスケスと暫定王者ファブリシオ・ヴェウドゥムの間で世界ヘビー級統一戦が行われるUFC 188「Velasquez vs Werdum」。
メキシコ・メキシコシティのアレナ・シウダ・デ・メヒコで開催される同大会では、UFCがプロモーター連合的な組織であれば文句なくラテンアメリカ王座が賭けられたに違いない、ギルバート・メレンデス×エディ・アルバレス戦というライト級注目の一戦が組まれている。
今も遡ること5年、2010年に当時Strikeforce世界ライト級王者だったメレンデスとBellator世界ライト級王者だったアルバレスの間で王座統一戦の機運が高まった時期があった。TV局との契約問題など団体間で調整がつくあてもなく、話題の提供だけになってしまった両者がUFCでトップ戦線に留まるため拳を交えることとなった。
メレンデスは2013年4月にUFC初出場を果たし、いきなりベンソン・ヘンダーソンの持つ世界王座に挑戦。非常に微妙な判定でスプリット判定負けを喫したものの評価を絶対とした。その後、ディエゴ・サンチェスとのメキシコ系米国人殴り合い合戦に打ち勝ち、契約問題でベラトール移籍を匂わせるや、TUFコーチという大役をゲット。しかし、コーチ対決となった時の世界王者アンソニー・ペティス戦ではキャリア初の一本負けを喫してしまう。
この敗北から再起を図るメレンデスと比較しても、アルバレスの立場は厳しい。Bodog、EXC、DREAMと常にUFCのオポジションで高評価を得て、高い人気を誇っていたアルバレスはBellatorでも当然のように世界王者として、団体のリードしてきた。マイケル・チャンドラーに敗れ、王座を失うという危機も再戦で負けたらリリース、勝てば再々戦という政治的な匂いがプンプンする状況で王座奪回。この頃から常にUFCへの想いを口にし法廷まで問題が持ち込まれたこともあったアルバレスに対し、ビョン・レブニーから政権を引きついたスコット・コーカーは早々にリリースを決めた。
昨年9月、念願のオクタゴン登場となったアルバレスだが、序盤こそその勢いをもってドナルド・セラーニと戦ったが、2Rからはローを効かされ全く持ち味を発揮できなく完敗。心の弱さまで垣間見せたことで、UFCライト級戦線のレベルの高さが再認識されることとなった。その後、今年の1月にベン・ヘン戦が決まっていたが、負傷欠場。代役セラーニの漢気と比べ、ますます影が薄くなる。
そんななかメキシコでメレンデス相対する今回のファイトは、プエルトリカンのアルバレスにとって非UFC最強ファイターという看板が通じる最後の舞台となる。ここで結果はともかくとして、オクタゴン内で強豪として認められているメレンデスに対し、ラテンの血が滾るような強さを見せないとその神通力を失うこととなる。
強力なパンチャーである一方で、グラスジョーという側面も持ち合わせるアルバレス。いつの時からかスマートな戦いぶりが目立ってきたが、そんなポイントメイクに関しては一発の怖さと同様に、削り合いに勝つ体力、スタミナ、戦略があってこそ可能になる戦い。これらのファクターでいれば、やはり彼の過去の対戦相手よりも、UFCファイターの方が上手をいくケースが多い。ボクシング&レスリングの融合という面でMMAを捉えると、レンジ、攻撃の持続性、そして爆発力ともにメレンデスの方が評価は高い。セラーニ戦の敗北が全てでないだけに、今回の試合は商品価値を維持するためにも、殴り合いの強さを見せることが必要になってくる。結果、打撃で優位に立つことによってテイクダウンにも結び付き結果に結びつけられる。アルバレスの巻き返しはなるか。メレンデスが跳ね返すか。
ハファエル・ドスアンジョスという脇役から主役の座を奪ったチャンピオンを頂点とするライト級戦線で、セラーニやハビブ・ヌルマゴメドフに負けない存在感を示すファイトが、両者に求められる。
■ UFC188対戦カード
<UFC世界ヘビー級王座統一戦/5分5R>
[王者] ケイン・ヴェラスケス(米国)
[暫定王者] ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/1位)
<ライト級/5分3R>
ギルバート・メレンデス(米国/4位)
エディ・アルバレス(米国/9位)
<ミドル級/5分3R>
ケルヴィン・ガステラム(米国)
ネイト・マーコート(米国)
<フェザー級/5分3R>
ジャイー・ロドリゲス(メキシコ)
チャールズ・ロサ(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
ティーシャ・トーレス(米国/5位)
アンジェラ・ヒル(米国/15位)
<フライ級/5分3R>
チコ・カムス(米国/13位)
ヘンリー・セフード(米国/8位)
<ライト級/5分3R>
エフライン・エスクデロ(米国)
ドリュー・ドバー(米国)
<バンタム級/5分3R>
アレハンドロ・ペレス(メキシコ)
パトリック・ウィリアムス(米国)
<ライト級/5分3R>
フランシスコ・トレビノ(メキシコ)
ジョニー・ケース(米国)
<ウェルター級/5分3R>
アウグスト・モンターニョ(メキシコ)
カホル・ペンドレッド(アイルランド)
<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ベニテス(メキシコ)
クレイ・コラード(米国)