【Interview】フィッチに完勝マイア「今も僕の柔術は進歩している」
【写真】ウェルター級転向後3連勝、ジョン・フィッチに勝利した時点で挑戦の資格は十分にあるだろう (C)MMAPLANET
2日(土・現地時間)のUFC 156でジョン・フィッチからバックを取り続け、完封勝ちしたデミアン・マイア。あのフィッチからテイクダウンを取り続けたマイアの最初のテイクダウンは、シングルレッグダイブによるものだった。
強豪フィッチの反撃の芽を摘み取ったハーフからのバック奪取など、グラップリングにおける強さを大いに発揮した彼に、テイクダウン、柔術、そしてタイトルについて尋ねた。
――ジョン・フィッチを相手に、あれだけテイクダウンを重ね、ポジショニングで圧倒できるとは思ってもいませんでした。テイクダウンを決める自信はどれくらいあったのでしょうか。
「アンデウソンに挑戦して以来、ずっとレスリングの練習を欠かさないでやってきた。だから、レスリングにはとても自信があったんだ」
――最初のテイクダウンは、シングルレッグダイブでした。MMAではダブルレッグが使われることが多いですが、あそこでシングルを使った意図を教えてもらえますか。
「シングルが特に大切だとか、ダブルの方が有効だということでなく、2つを混ぜて使う必要があると思っている。ボディロックやアンダーフック、オーバーフックも含めてね。僕自身、レスリングを練習するようになってシングルからダブル、ダブルからシングル、そしてバックという連係に力を入れてきたんだ。
あの場面では、僕はサウスポーでフィッチはオーソドックスだから、シングルレッグは入りやすかったんだよ」
――形的にはシングルレッグは、デミアンの得意とするハーフガードからシングル、そしてバックに回る動きに非常に似ていますよね。
「その通りだよ。僕にとっては得意の形ではある。でも、ダブルレッグが苦手というわけじゃないよ。ただ、さっきも言ったように僕はサウスポーだから、ダブルレッグを狙った時、頭が対戦相手に向かって左側にいくと、ヒザや蹴りを受ける可能性が高くなる。だから、ダブルを使う時は状況を把握し、そこに合わせた仕掛けが必要になるんだ」
――それにしても、柔術でも特に防御面で優れたジョン・フィッチを相手に、ディープハーフからあおって、シングルを取りバックに回った動きは見事でした。これぞMMA柔術という動きでしたね。
「柔術は僕のアートだ。レオナルド・ヴィエイラ、ヴァグネル・モタという素晴らしいコーチもいる。MMAで戦うことになったからといって、柔術を究めることをやめたわけじゃない。研究、勉強を続けている。僕の柔術は今も進歩しているんだ」
――フィニッシュを常に狙うデミアンも時とケース、対戦相手によってはポジショニングを優先することがあると会見でも言っていましたが、途中で……。
(質問を遮って)「腕十字を狙わなかったのかってことだよね? いや、もちろん腕十字に移行しようかとは考えた。と同時に、このまま安全に戦おうという選択もあり、今夜の試合ではより安全に戦うことにしたんだ。残り10秒っていう声が聞こえたときに、『今なら』と思ったけど、腕十字に入れる態勢ではなかったんだ」
――柔術の技術で仕留めるよりも、勝利を優先する試合があるということですね。
「う~ん、柔術の技術を使って、相手をフィニッシュすることに情熱を持っている。実際、これまで何度もタップを奪ってきたし、僕が戦う上で最も大切な部分だよ。ただ、ジョン・フィッチのサブミッションの防御はウェルター級のなかで最高だから。彼の防衛力も高かったから、バックを取り続けるという選択をしたことになる」
――この試合は、キャリアのなかで最も大切な勝利の一つだと思います。3月のモントリオール大会はウェルター級の試合がズラリと並んでいますが、デミアン自身はあと何試合、そして誰に勝てばタイトル挑戦権を手に出来ると考えていますか。
「そうだね……、ウェルター級に来てからタイトルだけを目指している。あと何試合必要で、誰に勝たないといけないのかは僕には分からないけど、とにかくすぐにでもタイトルに挑戦したいと思っているよ」
――デミアン、試合後で疲れているところありがとうございました。
「こちらこそ。次の木曜日に僕の黒帯のマルセロ・ラペラがKOTCで戦うけど、僕の勝利で彼が勢いづいてくれることを願っている」