【interview】エドガー破ったアルドの師匠ペデネイラスに聞く
【写真】スコアには全く不安がなかったと言い切ったノヴァウニオンのデデ・ペデネイラス。暫定王者のヘナン・バラォンを含め、2人のUFC世界チャンピオンがノヴァには在籍している (C)MMAPLANET
2日(土・現地時間)に行われたUFC156でフランク・エドガーを破り、UFC世界フェザー級タイトルを防衛したジョゼ・アルド。
米国人ファンは大きなブーイングを送り、ブラジリアンが歓喜の声を挙げた世紀の一戦は、3-0の判定でアルドの勝利となった。ジャッジの捉え方は多々あるが、そんななかアルドの完勝を声高に謳うノヴァウニオン総帥アンドレ・ペデネイラスに裁定と作戦、そしてアルドの今後を尋ねた。
――最終ラウンドが終了したとき、裁定がどうなるか不安はなかったですか。
「全くなかったよ。絶対にジョゼが勝ったという自信があったからね。私のなかでは50-45でもおかしくない、それほどジョゼはやるべきことをやってのけた」
――本当ですか!!
「まぁ、それでもきっと49-46ぐらいになるなとは思っていたけどね。全く問題なかった。そうじゃないかい?」
――私は個人的にどちらが勝っても48-47、焦点は3Rをどうジャッジが判断するかと思っていました。
「ノー、そんなわけがない」
――少なくとも4Rと5Rに関しては、エドガーだという声は多いですが。
「う~ん、まぁ4Rに関してはフランキーのラウンドになったとしても頷けるよ。でも、5Rはどう見てもジョゼのラウンドだった。ジョゼのパンチの精度の方が高かったし、確実に顔面を捉えていた。フランキーの手数は多かったけど、そのパンチはジョゼに届いていていない」
――UFCの裁定では、手数を多く出している方が有利になるケースもあります。
「いずれにせよ、二人の顔を見れば分かることだ。フランキーの目の周りの腫れとジョゼの綺麗な顔を見ればね。あれだけハッキリとした差が両者の顔に表れているんだから、ジャッジを心配する必要はなかった」
――完勝という手応えをもたらした、作戦はどのようなものだったのですか。
「とにかくフランキーのテイクダウンを防ぐこと。そのためにボクシングとキックを使うという作戦を立てていた。スタンドでフランキーにチャンスはない。ならば、テイクダウンが非常に大切になってくる。蹴り足を取られることを避けるために、いつものようにローキックを使わなかったんだよ」
――テイクダウンディフェンスに関しては、特別に誰かをコーチで招くということは、今回はなかったのでしょうか。
「私にはたくさんの優秀な教え子たちが存在するからね(笑)。彼らがレスリングの部分でも、ジョゼを助けてくれた。彼らは『俺たちはジョゼを何度も倒したのに、フランキーは足に触ることもできなかったよ』って大喜びしているよ。
テイクダウンを防ぐことは完璧だったし、ボクシングでもフランキーを上回った。スピードでもジョゼの方が速かった。これで勝負有りだよ」
――ラウンドが進むごとにジョゼにも疲労が見えました。それでも戦い抜ける、試合をまとめることができるのも見事でした。
「スタミナも問題なかったよ(笑)。ジョゼはあと5Rだって戦えたよ。本当に」
――なるほど……。指導者として、今後、ジョゼはフェザー級で戦い続けるべきだと思っていますか。それとも多くのファンが待ち望むライト級での新たなチャレンジを望みますか。
「しばらくはフェザー級で戦うよ。色んな人が言っているほど、減量は厳しくないんだ。今回もホントに順調に体重を落としている。みんな、見てもいないのにしゃべり過ぎだよ(笑)。ライト級に体重を上げるにしても、すぐということはない。ジョゼはまだ26歳だ、焦る必要はない」