この星の格闘技を追いかける

【on this day in】5月13日──2006年

13 05 06【写真】さすがに若い、9年前のウルシ。ただ、彼は今も相当若い。有終の美・艶姿をいつ見せてくれるだろうか(C)MMAPLANET

MARS
@千葉市美浜区、幕張メッセ
「ウルシの試合が凄いな、面白いなと思うようになった時、僕のMMAに対する見方は絶対的に変わったんだと思う。そのきっかけになったのが、MARSでのダニエル・リマ戦だった。豪州在住のブラジル人で、打撃からテイクダウンができ寝技も強い。そんなリマがウルシと戦うと、パンチは大振りでテイクダウンも荒い。まるで磁石のS極とM極──もといN極のように強引に距離を縮めようとしても、ウルシがすっと離れていくという風に映った。相手の力を無にするステップと、カウンターを入れて近づけさせない戦い方は、プロ失格という烙印を押す雰囲気を業界全体が持っていた。今の僕のMMA観をさんざんと聞かされている人達には信じられない話だろうが、自分も右に倣えだった。いや、ホント身勝手だ。でも、身を守ることや、相手のレンジに入らない戦い、足を使う、カウンターを狙うという行為は、記者が堂々と『戦っていない』と批判できるような時代だった。いや、時代のせいにしちゃいけない。なぜなら、今だってそんな戦い方は歓迎されていないからだ。あれから9年が過ぎた。今もホントに若い、伝説の4つのコーナーで勝利のポーズを取った男が、あの頃しっかりと柔術をやり込んでいればなと思う。これも本音だ。ただ、ウルシは国内で戦っている限り、グラウンドを磨く必要はなかった。そしてUFC~ONEで戦い、その重要性を知った時には、ゼロからそこを構築するだけのモチベーションは沸いてこなかったかもしれない。だからこそ、URUSHI DOJOで彼がどんなMMAファイターを育てるのか、とても楽しみだ。そんな自らの城の第一世代の目に焼き付くようなファイトをあと1つか2つ、漆谷康宏には見せてほしいと心底思う」

on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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