【European Open】ガビ×ダーン、体格差女子対決がまたしても場内を沸かす
【写真】無差別とフェザー級で2位、MVPはマッケンジー・ダーンだといっても過言でない (C)IBJJF
1月21日(水・現地時間)から25日(日・同)にかけて、ポルトガルの首都リスボンはパピリャオン・ド・コンプレッソ・デスポルチーボ・ムニシパル・ド・サカウ・ヴィストソで、IBJJF主催のヨーロピアン・オープン柔術選手権が開催された。本大会最後のレビューは、女子アダルト黒帯の部における注目試合の模様を伝えたい。
過去何度も世界王者に輝いているミシェル・ニコリニ(チェッキマット)と、21歳の成長株マッケンジー・ダーン(グレイシー・ウマイタ)が順当に勝ち上がり、13年6月のメタモリス2における激闘(20分引き分け)の再戦が実現した。
試合はダブルガードの状態も多く見られたものの、ダーンが得意のオモプラッタ等を仕掛ければニコリニもアンクルで逆襲する等、お互い攻め合う展開となった。激しく上下が入れ替わるなか、ダーンがリードしたまま終盤へ。残り30秒を切った時点で上のポジションのニコリニは、脇を差してダーンの上体を制しながら腰を上げ、頭と両足の三点で立った状態から膝を抜いてのパス狙い。ダーンはニコリニの下半身を跳ね上げるものの、ニコリニはうまくバランスを取って着地し、そのまま膝を抜いてサイドへ! 場内から歓声が沸き上がるなかダーンも下から動き続けるが、レフェリーはパスガードの3点を宣告。次の瞬間、スペースを作ったダーンが体をねじって脱出に成功したところで時間切れ。意地の猛攻を仕掛けたベテランのニコリニが、劇的な逆転勝利を飾った。
ニコリニが数秒間サイドを取ったのは確かだが、動き続けたダーンが、ポジションが安定しないうちに脱出したと見ることも可能。賛否両論を呼ぶ最後のパスガード判定であったが、死力を尽くして戦った両者は笑顔でお互いを称え合った。
【ライト級】
先日イギリスで開催されたプロ柔術大会ポラリスにて、ミシェル・ニコリニのアンクルの前に敗れたガルバォン夫人のアンジェリカが、アナ・ルイーズ・メイン(CFS)と決勝で激突。終始上からプレッシャーをかけられ続けるも足を抜かせず、残り時間僅かのところでディープハーフから上を奪取。そのまま上をキープして歓喜の初優勝を飾った。
決勝戦にて、最強最大の女性柔術家ガビ・ガルシア(アリアンシ)と、フェザー級のマッケンジー・ダーン(グレイシー・ウマイタ)の対戦が実現。昨年のノーギ・ワールズの無差別級決勝において場内を沸かせた究極の体格差対決が、今度は道着着用ルールで実現することとなった。
試合開始早々、ガビがダーンの道着を掴んで振り回すとダーンは下に。これで2点獲得したガビは、さらに膝を入れつつ圧倒的な圧力をかけてあっさりサイドを奪う。こうなってしまうと、並の中量級男子黒帯あたりでも脱出不可能ではと思われたが、ダーンは絶妙のタイミングでリバーサルに! 観客席から大きな驚きの声が上がったその瞬間、完全に浮いたガビの体をすり抜けたダーンは、あっという間にガビのバックに付くことが成功すると、そのままチョーク狙いへ。
しかし、ここでアゴを引きダーンの腕を引きはがしたガビは、そのまま体をズラしてゆき、向き直ってダーンのクローズドガードに正対する。力と技術を使って見事にピンチを脱してみせたガビが、その後は再び圧倒的な体格差を利してパスに成功。上からエリを掴んでのチョークで一本勝ち。戦い終わったノーサイド、両者が抱き合うと、前回に続きまたしても場内の大歓声が両者を包んだ。
■ヨーロピアン・オープン2014 女子アダルト結果
【フェザー級】
優勝 ミシェル・ニコリニ(チェッキマット)
準優勝 マッケンジー・ダーン(グレイシー・ウマイタ)
3位 アナ・カロリーナ・シュミット(ノヴァ・ウニオン) ローレンス・フォリラット(ヒベイロ)
【ライト級】
優勝 アンジェリカ・ガルバォン(アトス)
準優勝 アナ・ルイーズ・メイン(CFS)
3位 マリア・ゴンザレス(クリメンテクラブ) ヤスミン・ウィルソン(ホジャー・グレイシー)
【ミドル級】
優勝 ジャンニ・ラーソン(チェッキマット)
準優勝 アマンダ・ローウェン(SBGインターナショナル)
3位 アンネ・トゥーペット(GFチーム) シャンチ・アベーリャ(チェッキマット)
【ミディアムヘビー級】
優勝 イダ・ハンソン(チェッキマット)
準優勝 アンドレア・デ・ソウザ(ブラジリアンパワーチームインターナショナル)
3位 グレッツェン・ゾエラー(グレイシー・バッハ)
【ヘビー級】
優勝 ドミニカ・オベレニテ(アリアンシ)
【スーパーヘビー級】
優勝 ガビ・ガルシア(アリアンシ)
準優勝 ベンラ・ルッコネン(ヒルティ)
3位 サメラ・レイチ(ヒベイロ)
【無差別級】
優勝 ガビ・ガルシア(アリアンシ)
準優勝 マッケンジー・ダーン(グレイシー・ウマイタ)
3位 ドミニカ・オベレニテ(アリアンシ) シャンチ・アベーリャ(チェッキマット)