【2014-2015】菊野克紀<02>「ゴロゴロの先のフワフワ」
【写真】唯一無二のファイトスタイルの持ち主、菊野だけに楽しみは広がるばかりだ(C)MMAPLANET
2015年、引き続き注目したいファイターの声。沖縄拳法空手を駆使し、MMAの頂点を目指す菊野克紀。フェザー級転向第2戦目を目指し、さらなる成長を違う。キーワードはゴロゴロとフワフワ、だ。
<菊野克紀インタビューPart.01はコチラから>
──3発、4発目で当たればという練習、それはレベルの上がった相手に一発必中はないと?
「そうですね、狙うと読まれてしまいますし、先手も取られてしまいます。でも、面白いもので当たらないところに手を出すと、結果的に当たるんです」
──対人競技の醍醐味ですね。
「簡単にいえば、ボクシングのジャブです。ボクシングのジャブというのは素晴らしい技術です、ハイ」
──当たらないパンチ、沖縄拳法空手には必要不可欠な空振りという理念は存在しているのですか。
「先生から習っているので。先生から一撃必殺で倒せと言われたことは一度もなくて、むしろ結果的に倒れることはあっても狙うなと。先生から言われていることは『ビビったら負け』、『無傷で勝とうと思うな』、『どんと来い』という3つなんです。この3つの大切なことを言ってもらっているのですが、無傷で勝とうと思うなということは欲を出すなってことなんですよね。欲を出さず、一撃必殺の威力を身につけておけば倒せることがある。それぐらいに思っておけば、結果的に倒せるということだと理解しています」
──オクタゴンは、人を倒すべき欲が集結している場所だけに、その境地に達するには修練が必要ですね。
「だから極意なんです。極意、欲を出さない。食らわないようにというのも欲なんです。ボコボコにされようが戦うと言う心構えでいないと」
──UFCで勝ち続けるというのは欲ですよね。ボーナスで5万ドルが欲しいというのも欲。そういう部分とファイトを切り離すことは可能だと思いますか。
「これまでのキャリアで学んだことなのですが、練習期間中などは未来を考える。勝つこと、チャンピオンになることを。試合中は未来のことを考えない。結果を考えない。勝ち負けでなくて、その瞬間に集中する。相手のパンチが来れば避ける。顔があれば、手を出す。その瞬間、瞬間に集中していると、それは欲にはならないです」
──つまり頭がクリアーで、スタミナが切れてはいけない。そしてダメージを負っていては、そのような心境、思考がなくなってしまうということですね。
「だからこそ、食らっても構わないと思っておくんです。食らったらヤバいと思って食らうと混乱してしまい、反応も遅れてしまいます。それを食らっても良いと思って食らうと、動けるんです」
──逃げる、防御するのは欲ではないのですか。
「それは瞬間の判断です。パニックを起こさずに事態を逃れることに集中したいです」
──なるほど。ところで一本勝ちしたのですが、次戦がなかなか決まりません。
「ずっと2月末ぐらいから3月の頭には試合がしたいと希望を出していますが、まだ決まっていないです」
──勝っても次がなかなか決まらないのは、しんどくないですか。
「その分、練習ができるので。でも、試合が決まらないと集中力という部分では、なかなか──ですね。2015年の7月からリーボックとコスチュームが専属契約になるので、スポンサーをつけられなくなります。だから、本音を言えばなんとかそれまでに2試合したいです(笑)。2月と6月に試合をしたいですね」
──慣れかもしれないですが、スポンサーロゴがあるから、またショーツ類も格好良いのですがね……。
「僕は今の段階では、困ります……ね。ただ、要は勝てば良いので。勝たなければいけないということです」
──次の試合、どれぐらいのランクの選手と戦いたいですか。
「誰と戦いたいという欲はないです。僕の強くなるスピードと並行するぐらいの相手とやりたいです」
──勝つほどに、対戦相手は強くなっていきますが……。
「それはしょうがないことです。しょうがないですけど、誰とやりたいとか、早く上に行きたいというのはなくて、一つ一つ上がっていきたいです」
──個人的にはゴロゴロが何か分からないままなので、その正体が分かる試合を期待しています(笑)。
「見せたいですね。でも、ちょっとその先があるみたいで。ゴロゴロだけどフワフワと」
──……。
「シシリア戦ではステップっぽいことをしていたと思うんですけど、単純にゴロゴロゴロゴロと摺足っぽく行くだけでなく、その先にゴロゴロしているのに、フワフワと軽やかに動くというモノがあるようなので、そこを目指していこうと思っています」
──勝利後に何がゴロゴロで、何がフワフワだったかを聞かせてもらえることを楽しみにしています。
「ハイ。ありがとうございます。次の試合までにしっかりと強くなっておくので楽しみにしておいてください」
<菊野克紀とMMAPLANET in 2014>
9月20日、UFN52 vsサム・シシリア
9月17日、コメント UFC JAPAN、サム・シシリア戦について
5月24日、UFC172 vsトニー・ファーガソン
5月23日、インタビュー トニー・ファーガソン戦前夜
3月25日、インタビュー トニー・ファーガソンについて
1月4日、UFN34 vsクイーン・マルハーン
1月3日、インタビュー クイーン・マルハーン戦前夜