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【WSOF15】岡見勇信<02 > 「自分を少しずつ変える勇気をもってベルトを獲る。その姿を見てほしい」

Yushin Okami【写真】どっしりと構え、自分の強さ、そして弱点も知り抜いている感のある日本MMA界のメジャーリーガー、岡見勇信 (C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)、フロリダ州タンパのUSFサンドームで開催されるWSOF 15「Branch vs Okami」で、デヴィッド・ブランチの持つWSOF世界ミドル級王座に挑戦する岡見勇信インタビュー後編。

試合前は米国で調整してきた岡見が、3月のWSOF初参戦時より国内での調整に切り替えてきた。米国の良さを理解し、自分に必要なことを見つけた彼は、ブランチ戦でもこれまで通り、一貫して「前に出ていく勇気」を大切にしている。
<岡見勇信インタビュー、Part.01はコチラから>

──しっかりとシステマチックになっているのが、米国流トレーニングの特徴ですね。

「長くやれば良いというモノではないことは理解しています。ただし、『もっと、ここを積みたい』、『ここまでは今日はやってしまいたい』と思った部分をカリキュラムが出来上がっているので、突き詰められないという部分はありました。前の試合から、その欲求を満たすために日本で調整をするようにしたんです。

でもアライアンスなんて、本当に良いジムでまた絶対に練習したいと思っています。その良さを知ったうえで自分に必要なモノは何かが見えてきて、今はこのやり方を追求しているんです。また米国でキャンプを張ることもあると思っています」

──今回もセコンドは、変わらず頂柔術の磯野(元)さんですか。

「そうですね。あと辰巳(豪人)選手と。磯野さんはスパーリングを見に来てくれますし、相手がサブミッションが得意な選手なので寝技の対処法を主に見てもらっています」

──ブランチが得意としているフロント系チョークですが、岡見選手はスクランブルのなかでのギロチンに対して、しっかり防御ができますよね?

「ただ、今回はダースの方がギロチンよりも怖いですね。こっちの反応に合わせて入ってきそうで。ジェシー・テイラー戦なんてパーフェクトでしたからね。三角もやってくるし、基本は柔術の選手。僕が上を取れても、下からの仕掛けがあるので気は抜けないです。ただ、立つのではなくサブミッションを仕掛けてくるでしょうね」

──3月は久しぶりに日本から試合前に米国に入りました。時差の調整などもあると思うのですが、今回はどのような日程で現地へ?

「多少早く入ります。試合の8日前にラスベガスに着く形です。エクストラで宿泊費は掛かりますが、そこは必要だと思っています。技術や体は仕上げていっているので、向こうに行ってからは確認だけ、調整のために早く入るような感じです」

──これまでフロリダに滞在したことはありますか。

「多分、ないと思います。長谷川(賢)選手がTitan FCで同じタンパ、会場も同じなので情報を仕入れておこうと思います」

──WSOFという組織の世界王座です。この先のキャリアを考えると、世界という肩書きがついていても頂点を目指すために負けられない一里塚でしかないと思われるのですが。

「WSOFでは世界戦に出ているような選手でも、他の試合で体重を守らないことが多いですよね。その辺りで、UFCではないという空気を選手が持っているのかもしれないです。そこはWSOFがしっかりと成長していけば、選手の気持ちも心構えも変わってくると思います。ただし、体重を落とすのは選手として当たり前ですから。僕自身は試合に対するモチベーションは、今もUFC時代と変わりないです。だから、今回はしっかりとベルトを獲る。それだけですね」

──9月のUFC日本大会は会場へ行かれたのですか。

「いえ、TVで見ていました。良い試合が多くて、改めてUFCは素晴らしい舞台だと感じました」

──重量級のアンドレイ・オルロフスキーやアンソニー・ジョンソンだけでなく、中量級のジョシュ・バークマンなどもWSOFからUFCに戻る事例が出てきました。

「バークマンは驚きました。でも、僕はそういうことは考えていないです。自分の試合内要、勝ちっぷりで進んでいくしかない。今、UFCがどうだこうだと言っても始まらないので。今、目の前の試合をクリアしていくことしか考えていないです」

──対戦相手のことを考えた練習に関して、仮想ブランチのようなスパーなどは?

「手足が長くて、サブミッションが長けているという選手ですよね……。でも、まぁ体系的には自分よりも少し小さいぐらいなので、そこまで特別ではないです。黒人特有の手足の長さはありますが」

──ジョン・フィッチ、ジェイク・シールズ、3月の岡見選手にしても、自分のやりたいことがUFC時代と比較すると、思うようにできる。それがWSOFの実情でもあると思います。ただし、ブランチは決してヤワな相手ではない。

「その通りだと思います。強い選手です」

──どのようなところをファンに見てほしいですか。

「う~ん、ブランチのような相手に……自分が戦っていく姿を見せられるようにしたいです。とにかく前に出ていく意識、アタックを続けることですね」

──そこは一変のブレも見られないですね。

「変わっていないです(笑)。ちょっとずつ、ちょっとずつ成長しています。一気に進化することは無理なので。殴り合いをするわけじゃない。でも、ただ勝つだけ、ただベルトを獲るだけでなく、前に出る姿勢を見せることが必要です。勝つだけじゃ何も変わらない。自分を少しずつ変える勇気をもって、ベルトを獲る。その姿を見てほしいです」

──UFCに出るようなった直後から、言うことが変わらない。まるでMMAを舞台にした人生の修行のようですね。

「まぁ、言っていることは変わらないですね。そこを追及していかないと、自分には先がないと感じています」

■WSOF15対戦カード

<WSOF世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] デヴィッド・ブランチ(米国)
[挑戦者] 岡見勇信(日本)

<WSOF世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] ジャスティン・ゲイジー(米国)
[挑戦者] メルヴィン・ギラード(米国)

<WSOF世界ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] ジェシカ・アギラー(米国)
[挑戦者]カリンドラ・ファリア(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ジョルジ・マカコ・パチーノ(ブラジル)
エリック・レイノルズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
アンデウソン・ハッチンソン(米国)
トロイ・ゲアハート(米国)

<ミドル級/5分3R>
レジー・ペニャ(米国)
ジョー・ジョンソン(米国)

<バンタム級/5分3R>
エディア・テリー(ベネズエラ)
アンドリュー・コナーズ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョゼ・コルテス(コロンビア)
ライアン・キーナン(米国)

<ライト級/5分3R>
トニー・ウェイ(米国)
フレデリコ・モンカイオ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
モーリス・サーモン(米国)
デイビッド・マンデル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ヘクター・オチョア(米国)
ロバート・リード(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョシュ・ザッカーマン(米国)
マット・フレヴォラ(米国)

<バンタム級/5分3R>
スティーブン・エスキベル(米国)
クリスチャン・リード(米国)

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