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【PXC46】天才・加藤忠治とは?? 青木真也「単純に強い」。北岡悟「面白いです。サイコー」

Aaoki, Kato & Kitaoka【写真】奔放そうで、縦社会に順応している加藤は両先輩に囲まれて神妙な顔つきに。ちなみに練習の撮影は、加藤が取材スタッフに開始&終了時間を間違えて伝えたため、できませんでした……(C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)にフィリピン、メトロ・マニラのバシッグシティにあるイナレス・スポーツセンターで開催されるPXC46。同大会でライト級王座決定戦に出場する加藤忠治。

グレン・ラニーロ戦を前にした加藤が「一番強くなれる」と語るロータス世田谷のプロ練習。金曜と月曜日のグラップリング・スパーの中心=北岡悟と、月曜メンバーの青木真也──日本を代表する2人のライト級ファイターに加藤忠治について尋ねた。

――ロータス世田谷の月曜プロ練習で加藤選手と練習している青木選手と北岡選手です。お二人の加藤選手に対する印象を教えてください。

青木 僕は単純に、別に良い選手だと思っています。色んな意味で。

北岡 面白い選手です。

――天才、ジーニアスという異名については?

北岡 ジーニアスって、僕が命名したんですよ(笑)。

――それはどこか、おちょくった空気もあってのことですか。

北岡 そうですね(笑)。

青木 マジっすか?

北岡 でも、凄いと思っています。凄いモノを持っています。

――あのノラリクラリとした言動を新人の頃から見せる選手はあまり格闘技界にはいませんでした。恵まれた家庭環境にあり、それほど格闘技に真摯に向き合っていないという風な印象を与えることも加藤選手はありました。

北岡 面白いです。サイコーです。

青木 僕もそれ、マジで良いと思う。だってさぁ、変な話、生まれた時から才能なんて決まっているんだから。彼の環境を羨ましいとも思わない。でも、彼が持っている環境は凄く良いこと。本当に良いことですよ。もっとダメなヤツ、いっぱいいるから。それに格闘技に関わらず、親に援助全くされないで生きてこられた人間の方が少ないと思います。親が助けてくれる規模、その大小の差があるだけで。

――加藤選手の印象に留まらない話題になってきましたが、非常に興味深いです。

青木 でも、ホントにもっとダメなヤツいっぱいいますから。

――なるほど(笑)。では、加藤選手と実際に肌を合せてどのような感想を持っていますか。

青木 単純に強いと思います。

北岡 体が強いですよね。体が強いのと、日本人選手がしなくなったような動きを混ぜつつ、今の動きも持っている。スローも持っているし、STGっていう技があるんです(笑)。

――STGですか。どのような技なのでしょうか。

青木 何? スペースト・トルネード?(笑)

北岡 そう、スペース・トルネード・ジーニアスっていう技で。まぁ、大外刈りとも呼ばれていますが(笑)。

――ハハハハ。

青木 STOは真後ろじゃないですか。STG、加藤君は弱冠巻いているんです(笑)。

北岡 そう、巻き込み気味で払い巻きこみみたいだけど(笑)。

青木 弱冠、逃げているよね(笑)。

北岡 かっつり逃げている(笑)。

――(笑)。ロータスの練習はグラップリング中心ですが、MMAファイターとしての評価は?  彼の試合を見たことはありますか。

北岡 映像ではいくつか見ているんですが、ライブでは星野大介戦しか見たことないですね。映像は修斗の新人王トーナメントの試合で下からアームロックを極めた試合と、決勝で肩固めの形になったときに諦めた試合を見ました。

青木 星野大介戦は僕も見ました。新人戦の決勝で負けた試合は、ちょっと意味が分からないですね。練習した感じだと、全然圧倒できるはずなのに。

北岡 ホント、そう。

――次の試合は5Rなので、加藤選手がまた自分に負けるかもしれない恐れがあるという話がインタビューでもありました。

青木 良いんじゃないですか。自分に負けるのも、また一つの選択ですよ。

北岡 (微笑)。

青木 ほんと、そう思いますよ。

北岡 次の試合で、そういう局面に陥った場合、ジーニアスがどんな選択をするのか楽しみですよね(笑)。

青木 マットの上で真面目、マットの上で強かったら僕はそれで良いので。別に加藤君の他が、どうであれ。彼はマットの上で真面目で、マットの上で強い。それ以外の部分は別に問わないです。

――青木選手から見て、加藤選手は日本のライト級でどれぐらいのポジションにある選手だと思いますか。

青木 強いとは思います。個人的には中村大介選手とか佐々木信二選手との試合が見てみたいです。ただ、それは強さを競うということでなく、試合内容が楽しみだからです。

北岡 絶対的な評価は分からないですが、実際に練習して肌を合せている僕は相対的に見て強いと感じます。ただ、どれくらいのレベルなのかはちょっと分からないです。試合は実際にやってみないと。

青木 MMAになると分かり辛いですからね。

北岡 この競技は分かり辛い。相性、噛みあわせもあるし。

青木 練習の強さ、試合の強さっていうのもありますからね。

――なるほど。では加藤選手のPXCタイトル戦について、エールをください。

北岡 対戦相手のことが分からないのですが……。でも、チャンピオンになってUFCに行くことになったりとかしたら、もう笑って見ることが出来て、楽しいなぁって思います(笑)。

青木 格闘技人生において、ベルトは絶対に取っておいた方が良い。このあと、続けるにしても辞めるにしても絶対に良い財産になるので。頑張ってほしいです。

■PXC46対戦カード

<PXCライト級王座決定戦/5分5R>
グレン・ラニーロ(フィリピン)
加藤忠治(日本)

<PXCフライ級王座決定戦/5分5R>
アーネスト・モンディーラJr(フィリピン)
アルヴィン・カクダック(米国)

<女子アトム級/5分3R>
ジナ・イニオン(フィリピン)
コートニー・ケイシー(米国)

<フライ級/5分3R>
クリサント・ピットピットンゲ(フィリピン)
ランバー・ソムデートM16(タイ)

<フライ級/5分3R>
ディーン・ベルムデス(フィリピン)
ジネル・ラウサ(フィリピン)

<ストロー級/5分3R>
ロイ・ドリゲス(フィリピン)
デニス・サラザール(フィリピン)

<フェザー級/5分3R>
ウェズレイ・ペリエラ(ブラジル)
アレックス・モンタルバン(フィリピン)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・サピノーソ(フィリピン)
ロビン・エクラヴェア(グアム)

<バンタム級/5分3R>
アーニー・ブラカ(フィリピン)
マーク・アベラルド(ニュージーランド)

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