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【Pancrase262】安永有希 「広いケージで戦いたい」&朝日昇 「日本がアホ」

Asahi & Yasunaga【写真】初代と2代目の奇人ポーズ。初代は突き抜けたモノがある――が、決してその道を2代目に歩んでほしいとは……(以下、自粛)(C)MMAPLANET

2日(日)東京都江東区のディファ有明で行われたPancrase262で、DEEPとの対抗戦のトリとして出場した安永有希が、加藤直之に判定勝ちを収めた。

TJ・ディラショーやドミニク・クルーズを彷彿させる、間合いの取り方と外して入れるパンチ、そこからテイクダウンにつなげるファイトは異質かつ、目を見張るものだった。

ケージ内で確かな存在感を示した安永のインタビューを、師匠・朝日昇同席の下で行った。初代奇人と奇人2世の声をお届けします。(※文中で以下、省略とした朝日昇氏の言葉は後日、動画で完全版をお送りします)

――勝利おめでとうございます。

「ありがとうございます」

――独特なステップを存分に披露していました。これまではあのようなステップよりも、ケージコントロールが良くなってきたと感じることもあったのですが、そのことを師匠の朝日昇さんに話すと、常に辛口の言葉しか返ってこなかったです(苦笑)。

「以前もあのステップは使っていたのですが、ボクシングをやり始めたことで、かなり動きがボクシングに近づいてしまった時期があったんです。そうしたら、動きが狂ってしまって、今はまたああいう動きでやっていこうと思っています」

――まさにTJ・ディラショー、ドミニク・クルーズ、そしてフランキー・エドガーなどを彷彿させる動きでした。

「それはパクっています。朝日さんにアドバイスを頂いて、パクってやっています。(横の朝日氏に目をやり)言っちゃっていいですか?」

朝日 だってパクるのは当然じゃない?  野村監督だってブレイザー監督に教えてもらったんだし。米国でわけの分からない革命が起きてきた。これはまずいですよ。そうしたら、ちょっと考えないとまずいですよ。やっているシステムが違うんだから。

――それにしても、思い切った距離で戦っていたように見えました。国内であそこまで離れた距離で戦う試合はなかなか見たことはなかったです。

「本当ですか? 僕は……」

朝日 日本がアホなだけですよ。

「僕は練習でもああいう感じでやっているので自然に。やっと練習でやっていることが出始めたかなって」

朝日 ジムではオッサンとかも、このシステムですよ。踊っていますよ、皆。他のジムにいくと、やめろって言われるみたいなんで、そこに従いなさいって言っているけど、野球だって球場が広くなったら、外野手の守り方って変わりますよね? (笑)。それをいつまでも旧態依然な日本がただ、バカなだけじゃないですか。いい加減に――と思います。

――と、師匠が言っていますが。

「ハイ、僕は……」

朝日 余りにも過去に拘りすぎですよ。

――朝日さん、今、安永選手に話を振っているんですよ(笑)。

「いや、あの……」

朝日 俺はコイツと違ってズバズバ言うから(笑)。

――今日の試合では手応えを感じることはできましたか。

「そうですね、僕のこのシステムというか動きが出始めたというか、出せるようになってきたと思います」

――加藤選手の振りが大きくなり、姿勢が乱れてきたところでテイクダウンというのが狙いでしたか。

「そうですね。僕はアレしか……アレで練習してきているんで」

――間合いを外して、アウトからの打撃も当たっていました。

「打撃もテイクダウンのフェイントから。それに相手が前に出て来るんで、それをずらしてチョコンと当てるとか。練習の時もそういう感じです。その練習もピュアブレッド大宮ジムに行かせてもらって。フルケージがあるので、そこでやっているとああいうスタイルが練習できるので。ケージは広くて、練習通り戦えます」

――2Rは終盤に一度捕まって、危ないシーンがありました。

「あそこはちょっとバテました。まだ抜き所が掴めていなくて疲れてしまいました」

――動き続けているので疲れますよね。

「あれはバテテしまいましたね」

――朝日さんから見て、あの場面はどのように映りましたか。

朝日 それりゃあ、まだできていない。

「完成されていないですね」

朝日 絶対違いますよ。でも、できますよ。

――できるようになる?

朝日 っていうか、僕、ずっと思っていたけど、米国人がやっていることは日本人がやるべきことじゃないですか。アジリティ生かして、スタミナを生かして。

――体の軸がしっかりしていないと難しいですよね。

朝日 それはどんなスポーツで一緒じゃないですか。軸がぶれちゃうと。上手くなれば、僕はダンスクラブと同じだから、もっと先を行けると思うんです。日本人は細かいことが上手いから、特に軽量級(笑)。それを考えていないだけで……。トリッキーって言うけど、逆にセオリーだと思います。セオリーになってくる。日本人に合ったシステムだと(笑)。

――そこで今回はバテてしまった点が反省点ですか。

「あとはテイクダウンした後ですね。簡単に立たせてしまったり、ああいうことでスタミナをロスしています。あそこで自分がキープできていれば、もっと戦いやすかったと思います」

――ところで今回の試合はパンクラスとDEEPの対抗戦でした。その辺りは意識していましたか。

「ちょっと、正直関係ないかなって(苦笑)。俺が自分のスタイルを貫く、それしか……回りは関係ないです」

――DEEP代表に勝ったことで、次はDEEPから安永選手に負けないよう、さらに上の選手が名乗りを挙げてくることも考えられます。

「何ですかね、僕は今、広いケージで戦わせてもらって、そのための練習をしています。だから、広いケージで試合がしたい。このケージでやっていきたい。DEEPに出たいという気落ちはそこまで強くないです。できれば海外の広いケージで戦いたいです」

――昨年12月に一度は挑戦したパンクラスの王座は視野に入っていますか。

「そこは獲りたいです。そこは……。もう1回ぐらい……チャンスを貰いたいというのはあります」

朝日 頑張ってください。もう、それしか言いようがない。

――朝日さんも現役の時は、色々と工夫をしていましたよね。

朝日 僕の理論と似ているんです。弱者がどう勝つか。それを考えた時は、サッカーだってカウンターです(以下、省略)。

――朝日さんとはいつも、こういう話をしているのですか。

「ハイ、あのう……」

朝日 全然、違うやろう?

「まぁ、こういう話をするにしても……」

朝日 田母神(俊雄)さんの話をするよね?

「いろいろな話をしてくれます……(苦笑)。結構、同じ話を何度もします(笑)。初めて喋るかのように同じ話を。『あぁ、これは聞いたな』って(笑)」

朝日 もう、おじいちゃん。よく話しているから、誰と何を話したか覚えていないし、あとは口が(勝手に)動くんです。ハハハハ。

<この項、続く>

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