【Invicta FC09】端貴代、ホンチャックのケージコントロールに屈す
<Invicta 女子フライ級選手権試合/5分5R>
バーブ・ホンチャック(米国)
Def.3-0:50-45, 50-45, 49-46
端貴代(日本)
ホンチャックの地元ということもあり、若干のブーイングを受けた端。王者ホンチャックは左ジャブを見せる。接近すると組み合いになりホンチャックが端をケージに押し込む。細かいアッパーとボディへのヒザを見せた端は、体をなかなか入れ替えることができない。左腕を差し上げるホンチャックに対し、端は右腕を差し替えす。ケージ際の攻防が続き、端は押し返そうとするもホンチャックに押し負ける。両ワキを差した端が、一度はケージにホンチャックを押し込んだが、すぐに態勢が入れ替わる。
押し込むことが目的で、テイクダウンにはいかない王者は、エルボーを見せて離れた。残り1分、互いにジャブを入れ、端は左フック。ホンチャックが組みつき、端をケージに再び押し込んでいく。ようやくダブルに入る仕種を見せたホンチャックだったが、ここで初回が終了した。
2R、ホンチャックの右ローでバランスを崩した端が尻餅をつき、大きな歓声があがる。ホンチャックは直後にケージに端を押し込む。体を入れ替えた端はエルボー、ケージ際で態勢を入れ替える両者。ケージに押し込むことで、端の攻撃を封じ込めるという、地元でないとなかなか採ることができない作戦をホンチャックは実行してきた。右エルボーを入れて、即組みつく王者。狙いは削りながら、僅差でラウンドを取るということか。エルボー&組み、パンチ&組みという攻撃を繰り返すホンチャックに、端はボディにヒザを入れるぐらいしか攻撃に移れない。そのままの態勢で2Rが終了した。
3R、肩を振りながらジャブを繰り出す端。ホンチャックはまたも組んで、ケージに端を押し込んでいく。体を入れ替えても、すぐにケージに押し込まれてしまう。ここで端は押し込み合いよりも距離を取ることを選択する。ホンチャックは右ロー、ワンツーから前蹴り、前後の動き中心の端を簡単に捉え、ケージへドライブする。ダブルに出たホンチャックは、すぐに上体を上げる、両ワキを差した端が態勢を入れ替え、ついにテイクダウンに成功する。サイドを取った端に対し、ホンチャックは右ワキを差して立ち上がる。離れた両者、端は右を入れる。残り10秒でまたも組み合いになりタイムアップに。ラウンド大半の押し込みより、一つのテイクダウン&パスガード。そこを重視してほしい3Rとなった。
4R、ホンチャックの狙いが分かったはずの端だが、真正面で止まる動きが多い。こうなるとホンチャックは苦もなく組み付き、押し込むことが可能になる。細かいエルボーとヒザを見せた王者が離れると、端は左ジャブ。ホンチャックの右パンチにスピードはない。端は手数が欲しいが、ホンチャックは間合いを測った接近戦で細かいパンチを入れる。残り1分40秒、ホンチャックがまたもケージに端を押し込む。体を横にずらし距離を取り返した端は、ケージ中央で組み合いに応じ、ヒザを入れる。エルボーの応酬から離れた両者、ホンチャックの左ジャブが端に届く。端はシングルレッグから腰を取りテイクダウンへ。バックを取りかけたところでラウンドが終わった。
最終回、開始15秒でホンチャックが端をケージに押し込む。端は押し返し、離れると組みへ。右を深く差した端だが、ホンチャックは押し返し逆に組みに。すぐに離れてパンチを繰り出す両者。端は左ロー、自らの形で押し込んだ端が、小外掛けからバックへ。ケージに王者を押し込んだ端は、胸を合わされ体を入れ替えられてしまう。ホンチャックは右エルボー、端は体を入れ替えてアッパー。残り40秒、パンチに意識がいった端にホンチャックは右ローを放つ。最後は組んで離れるという展開のなか、端がシングル。ホンチャックはエルボーを狙い、ここで試合終了に。ケージコントロール、この一点をついて試合を組み立てていた王者ホンチャックが、インタビュアーのジェリー・ケッジーが『グライディング・ファイト』と称した試合展開で王座防衛を果たした。