＜女子ストロー級／5分3R＞
カロリーナ・コバケビッチ（ポーランド）
Def.2-1:29-28, 29-28,29-28
魅津希（日本）

様子見からすぐに接近戦に試合が移行し、コバケビッチが左ジャブから右ローを入れる。踏み込んで左インサイドローを入れる魅津希だが、コバケビッチの距離か手数は決して多くない。左ミドルからパンチを伸ばすコバケビッチに対し、魅津希はガードを固め、しっかりと攻撃を見極める。見た目の印象でコバケビッチがリードするなか、魅津希は押し込むようなパンチを受ける。サウスポーから左ミドルを見せるコバケビッチ、魅津希は左ローから左ジャブを返す。エルボーを織り交ぜ前に出てくるコバケビッチが初回を取ったか。

2R、右のダブルで前に出てきたコバケビッチに対し、距離を取った魅津希が左ミドルを入れる。スイッチから左ロー、左ハイを狙うコバケビッチに魅津希は左ダブルから、右を伸ばす。首相撲に捉えられるも、腰を取りに行った魅津希にコバケビッチはエルボーを放つ。魅津希は頭を振ってパンチを受けず、左ヒジを繰り出す。左ハイから右ローを見せる魅津希、攻撃をまとめる印象はコバケビッチにある。組んだコバケビッチが、魅津希のバックに回る。魅津希は胸を合わせるも、頭を押し込まれ背中をケージにつける展開が続く。それでも体を入れ替えた魅津希は腰に乗せて投げを決める。

サイドから抑え込んだ魅津希はワキをすくいに。足を取りに来たコバケビッチの体が伸びると、魅津希がバックへ。すぐに起き上がったコバケビッチの背中に飛び乗った魅津希に対し、コバケビッチが前転。そのままバックをキープした魅津希が力強いパンチを入れる。ポジションを取り返した魅津希がパンチを集中し、2Rを取り返したか。

最終回、ローの応酬からコバケビッチが前蹴り。魅津希は左ジャブを伸ばし、右ロー。前に出るコバケビッチのパンチをブロックする魅津希は、左ジャブをヒットする。右ヒジを繰り出した魅津希が前に出る。魅津希のテイクダウンをスプロールしたコバケビッチだが、やや疲れが窺えるか。コバケビッチが細かいパンチをまとめようとするも、魅津希が右ストレートを打ち込んで前へ。コバケビッチも右ジャブ、ボディから右ストレートを見せる。再び、魅津希のダブルレッグを切ったコバケビッチは、手数は相変わらず多いが体の軸は乱れている。

逆にシャープな打撃を続ける魅津希は左ジャブから、ヘッドムーブでコバケビッチのパンチをかわす。ダーティボクシングのコバケビッチに魅津希は左フック、ケージに押し込んでボディ、ヒザを入れる。ヒザを入れて前に出る魅津希に対し、コバケビッチが体を入れ替える。距離を取り直したコバケビッチに右フック、左ミドルを見せた魅津希。コバケビッチも蹴り、右ストレート、後ろ回し蹴り。魅津希は体を振って前に出続け試合終了に。

試合後に大の字になるコバケビッチ、手数は彼女だが見た目の攻勢点重視という攻撃でもあった。対して魅津希は有効打を狙い、手を出し続けた。ヘッドムーブ、ブロックという接近戦のディフェンスをジャッジがコバケビッチの攻勢点とすると、魅津希には厳しい。果たしてジャッジの判断は──スプリットでコバケビッチに。ファイト、戦いという点で魅津希は敗れていないという見方も成り立つ。その一方で、アスレティック&フィジカル・スポーツという観点でコバケビッチが、魅津希を上回っていたという見方も成り立つ。キャリア5勝0敗のポーランド人ファイターに魅津希が敗れる──それが女子MMAの現実なのだろう。

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