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【Pancrase262】TUFウィナーと対戦、石渡伸太郎 「この相手はやばいんじゃないの?」

Shintaro Ishiwatari【写真】TUFウィナーと国内で戦う。自らの力をアピールするうえで絶好かつタフな試合を前にして、石渡の想いとは(C)TAKUMI NAKAMURA

2日(日)東京都江東区のディファ有明で開催されるPancrase262で石渡伸太郎がジョナサン・ブルッキンズと対戦する。

バンタム級キング・オブ・パンクラシストとして国内バンタム級のトップ戦線で戦う石渡が、ホームリングのパンクラスでTUF12ウィナーのジョナサン・ブルッキンズを迎え撃つことになった。国内プロモーションで実現した注目のビッグカードを前にした石渡に話を訊いた。

──TUF12ウィナーのジョナサン・ブルッキンズと対戦が決まったバンタム級キング・オブ・パンクラシストの石渡伸太郎選手です。5月のトレバー・ワード戦以来、約半年ぶりの試合でビッグカードが決まりました。

「発表される数日前に決まったカードで、パンクラスにはいい相手を用意してもらったと思います。ちょっと試合間隔は空いてしまったのですが、その間もいい練習が出来ていたので不安はないです」

――最初にブルッキンズの名前を聞いた時、どんなことを感じましたか。

「この相手はやばいんじゃないの?という感じです。昔の自分だったら相手によっては『ウォーー!!』と思うこともありましたけど、最近はそこまで感情が高ぶることはないかもしれないですね」

――ただし石渡選手のレベルになると日本人選手で簡単に相手を決めることが出来ない。そうかといって強豪外国人選手とマッチメークすることは難しい、そういう状況だと思います。そこでTUFウィナーのブルッキンズというのは願ってもない相手ではないですか。

「もちろんそれはありますね。今回はパンクラスがブルッキンズという本当にいい相手を用意してくれたので、すぐに試合をOKしました」

――昨年12月にパンクラスで元WEC王者のチェイス・ビービ戦が組まれたものの、ビービがインフルエンザで欠場。北米MMAで実績を残すファイターとの対戦は今回のブルッキンズが初めてという見方も出来ます。そういったファイターとの対戦は希望していましたか。

「やっぱり僕もアメリカで結果を出している選手と戦いたいと思っていました。今回の試合に限って言えば、日本のプロモーションで元UFCファイターと戦う日本人はいますけど、元TUFウィナーと戦う日本人は他にいないでしょう。ブルッキンズが負けた相手も今UFCのランキングに入っているダスティン・ポイエーやシャーウス・オリヴェイラ、今年の上半期まではランキングに名を連ねていたエリック・コクーですからね。改めてすごい相手を用意してくれたパンクラスには感謝しています」

――公開練習では通常体重も70kg以下をキープしていると話していましたが、この半年間はどんなことを意識してトレーニングしてきたのですか。

「最近はずっと試合前と同じような練習を継続しています。試合ある・なしに関わらず、強度の高い練習を続けていたので、かなりレベルアップしています」

――今までは追い込む時期とそうでない時期の練習量に差があったということでしょうか。

「かなりありましたね。試合が終わるとバケーションがあって、その期間は完全にバケーションみたいな(苦笑)」

――その意識が変わったきっかけは何だったのですか。

「五十嵐(悠哉)さんにフィジカルトレーニングを見てもらうようになってからです。堀口(恭司)選手に負けた後、(中村)K太郎選手に五十嵐さんを紹介してもらったのですが、それまでの自分はアスリートじゃなかったです。最初は五十嵐さんに『フィジカル胎児だ』と言われたんです」

――フィジカル胎児(笑)。五十嵐さんらしい指摘の仕方ですね。

「ようはまだプロのファイターとして生まれてくるレベルのフィジカルじゃない、と(苦笑)。僕は16歳からフィジカルトレーニングをやっていて、パーソナルトレーナーの仕事をしていた時期もあって、それなりにフィジカルはやっているつもりだったんです。でもそれがかなり偏った知識で、客観的に自分のフィジカルを分析できていなかったようです。昔は練習中に怪我することが多くて、一年の半分くらいはどこか怪我したまま練習していたんですよ。

でも五十嵐さんにトレーニングを見てもらうようになってからはほとんど怪我しなくなりました。ここ3試合くらいで初っ端に相手の攻撃をもらっているのは、自分の体の使い方を変えているからなんです。今はそのズレがちょっとずつ合ってきているので、今回の試合では上手く仕上がっている感触はあります。実際にやってみないと分からないですけどね」

――堀口戦の敗北が転機になったようですね。

「はい。あの試合の後、このまま同じ練習を続けていても、何も変わらないと思ったんです。勝ったり負けたりの選手で終わるんだろうなって。それで自分を変えるために五十嵐さんにフィジカルを見てもらって、TEAM OTOKOGIの練習を始めて、新しい練習環境を作りました。今の環境で練習するようになって1年くらいなので、ブルッキンズ相手にその成果を見せたいです」

【写真】長身のサウスポー、ブルッキンズ。出入り、バックステップの俊敏さとインの際のテイクダウンとの連携が大切になってくる(C)GONGKAKUTOGI

【写真】長身のサウスポー、ブルッキンズ。出入り、バックステップの俊敏さとインの際のテイクダウンとの連携が大切になってくる(C)GONGKAKUTOGI

――対戦相手のブルッキンズの印象を聞かせてもらえますか。

「TUFの頃は殴り合いが好きな印象でしたが、カリフォルニア州のレスリング王者にもなっているみたいなので、当然レスリング力もあるはず。長身(※182センチ)のサウスポーというのも彼の長所でしょうね」

――ブルッキンズはUFCを離れた後、今年Legacy FCで2試合戦っていますが、そちらの試合はチェックしましたか。

「はい、2試合ともチェックしました。最初の試合(※3月21日、コディ・フューラー戦)は復帰一発目で計量に失敗したこともあってスピードもないし、これだったら普通に勝てるだろうと思いました。でも最新の試合(※8月29日、オースティン・リオンズ戦)を見たら、負けてはいるんですけど、UFCに出ていた頃のような動きに戻っていて……考えを改めました。ちゃんと最新の試合をチェックしといて良かったです(苦笑)。だから僕としてはUFCに出ていた頃のブルッキンズをイメージして準備してきました」

<この項続く>

■Pancrase262対戦カード

<フェザー級/3分3R>
平山学(日本)
小金翔(日本)

<スーパーフライ級/3分3R>
中山ハルキ(日本)
仙三(日本)

<フライ級/3分3R>
伊福正寛(日本)
高橋達也(日本)

<バンタム級/5分3R>
石渡伸太郎(日本)
ジョナサン・ブルッキンズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
田村彰敏(日本)
アンディ・メイン(米国)

<フェザー級/3分3R>
ハルク大城(日本)
中村晃司(日本)

<ウェルター級/3分3R>
佐藤洋一郎(日本)
草・MAX(日本)

<対DEEP3VS.3 大将戦 スーパーフライ級/5分3R>
安永有希(日本)
加藤直之(日本)

<対DEEP3VS.3 中堅戦 フェザー級/5分3R>
稲葉聡(日本)
梅田恒介(日本)

<対DEEP3VS.3 先鋒戦 ミドル級/3分3R>
ボブ・アームストロング(ニュージーランド)
辰己豪人(日本)

<ライト級/3分3R>
クリスMAN(日本)
山崎悠輝(日本)

<ライト級/3分3R>
長岡弘樹(日本)
佐野哲也(日本)

<フライ級/3分3R>
松永義弘(日本)
増田“BULL”徹平(日本)

<フェザー級/3分3R>
宮路智之(日本)
土肥潤(日本)

<ライトフライ(-52.2kg)級/3分3R>
宇都木正和(日本)
リトル(日本)

<ライト級/3分3R>
岡澤弘太(日本)
林完(日本)

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