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【Pancrase260】村山暁洋、アウトMMAの真価発揮か。レッツ豪太は優位な組みが必要不可欠

Murayama【写真】下馬評では有利と目される村山暁洋。4年4カ月も無敗を続けている。

10日(日)東京都江東区のディファ有明で開催されるPancrase260。今大会のメインイベントでは第7代キング・オブ・パンクラシスト・ウェルター級チャンピオン決定戦で同級1位の村山暁洋と7位レッツ豪太が対戦する。

3月の横浜文化体育館大会で行われたウェルター級次期挑戦者決定戦で村山が当時ランキング2位だったチアゴ・ジャンボに判定勝利し、王者・佐藤豪則への挑戦権を獲得。しかし、今年2月からUFCに参戦している佐藤がタイトルを返上、上位ランカーの試合スケジュールや他団体での試合結果を考慮した結果、現在2連勝中のレッツにチャンスが回ってくる形となった。

村山は2010年4月にCAGE E FORCEで高木健太に敗れたのを最後に10戦6勝4分と負けなし、約4年4カ月も無敗をキープしている。しかも前王者の佐藤や第4代DEEPウェルター級王者・白井祐矢とは引き分け、近藤有己、中村K太郎、佐藤洋一郎らに勝利と国内ウェルター級のトップグループに位置しており、今回は満を持しての王座挑戦といっても過言ではない。

ウェルター級という今や日本人にとって重量級といえるカテゴリーにおいて、村山の戦い方は異彩を放つ。身長177㎝と決して背が高くて手足が長い体型ではないが、丁寧にジャブを当てて自分の距離を作り、そこから蹴りを散らし、相手の入りに左フック、右ストレート、ヒザ蹴りを合わせる。国内ウェルター級において、これだけ間合いのコントロールが巧みでステップワークを駆使したアウトボクシングする選手は村山以外にいないだろう。

しかも村山は柔道出身で腰が強く、テイクダウンの攻防やポジションキープも強い。スタンドではアウトボクシングで相手をコントロールし、組みの攻防になっても容易にテイクダウンは許さない。逆に柔道式の投げ技でトップを奪うと、強固なポジションキープで試合を進めていく。リスクを冒さない戦い方ゆえに引き分けも多いが、見方を変えれば取りこぼししないファイトスタイルと試合運びで、それが安定した勝率につながっているともいえる。

チアゴとの一戦ではアウトボクシングでチアゴの強打を封じると、2Rに払い腰でテイクダウン→サイド&バックコントロールで勝利を引き寄せた。対日本人においてはフィニッシュという面でインパクトを残すことは難しいものの、国際戦では外国人選手とのパワー差を克服できる可能性を秘めているのが村山のファイトスタイルだ。

どんな対戦相手でも自分のスタイルを貫く村山、今回の試合でもスタンドの距離のキープとテイクダウンの攻防が勝敗のポイントになる。パンチ&四つで試合を作るレッツとしては、打撃の攻防で村山にペースを握らせず、イーブンではなく自分で有利な形で組みついてテイクダウンへとつなげたいところだろう。

村山がアウトボクシングならぬアウトMMAでタイトルを獲れば、今後の対世界や国際戦といったマッチメークが期待される。逆にレッツが村山の牙城を崩すことになれば、一気に国内ウェルター級の勢力図を塗り替えることになるだろう。村山が国内ウェルター級で頭一つ抜けるかどうか、そういった意味でも国内ウェルター級の今後の流れを左右する王座戦だ。

■ Pancrase 260 対戦カード

<ミドル級/3分3R>
エディ・ジョシュア(米国)
荒井勇二(日本)

<フェザー級/3分3R>
飯嶋貴幸(日本)
杉山和史(日本)

<バンタム級/3分3R>
亮AKB(日本)
統好(日本)

<スーパーフライ級/3分3R>
鮎田直人(日本)
小川徹(日本)

<KOPウェルター級王座決定戦/5分3R>
村山暁洋(日本)
レッツ豪太(日本)

<ミドル級/3分3R>
近藤有己(日本)
石川英司(日本)

<ライト級/5分3R>
アキラ(日本)
太田駿平(日本)

<フェザー級/5分3R>
ガイ・デルモ(日本)
鹿又智成(日本)

<ライト級/3分3R>
伊藤崇文(日本)
児山佳宏(日本)

<スーパーフライ級/3分3R>
曹竜也(日本)
北郷祐介(日本)

<ライト級/3分3R>
網潤太郎(日本)
原昭仁(日本)

<フェザー級/3分3R>
松岡嵩志(日本)
TAG(日本)

<第20回ネオブラッドTウェルター級決勝/3分3R>
林源平(日本)
佐藤天(日本)

<第20回ネオブラッドTライト級決勝/3分3R>
泰斗(日本)
アンドリュー・ロバート(米国)

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