【Metamoris04】MMA? キャッチレスリング代表?? ジョシュ・バーネットがディーン・リスターと王座戦
【写真】3月のメタモリスに出場しているディーン・リスター。ジョシュ・バーネットは2009年にノーギ・ワールドで優勝している(C)METAMORIS & DAVE CONTORERAS
9日(土・現地時間)、カリフォルニア州ロサンゼルスのピーターセン・オートモービル・ミュージアムでプロ柔術大会Metamorisの第4回大会が行われる。禁止薬物問題でMMAを引退、UFCのアナリストの座も失ったチェール・ソネンが、アンドレ・ガルバォンと対戦するメインに対し、セミファイナルという位置づけながらも、組み技ファンからの注目度は一番高いといっても過言でないのが、メタモリスヘビー級王座決定戦=ジョシュ・バーネット×ディーン・リスター戦といえる。
バーネットはいわずと知れた世界屈指のヘビー級MMAファイター。PRIDEでも名勝負を繰り広げ、現在はUFCのヘビー級ランキング6位。もっぱら(プロレスの源流としての)キャッチレスリングの使い手としてのイメージが強いバーネットだが、もともとは柔道やレスリングを経験後、マット・ヒュームにパンクレーションの教えを受けて頭角を現した選手。2002年にはランディ・クートゥアを倒して史上最年少のUFCヘビー級王座を奪取(薬物検査でその王座を剥奪された後)。決してシェイプされているとは言い難い体でガードポジションやニーインザベリー、各種関節技や打撃を器用に使いこなす天才児は、現在のように自らとプロレスリングとのつながりを強調することはなかった。
やがて新日本プロレスやパンクラス参戦を経て04年にPRIDE参戦。バーネットが「キャッチレスラー」として自らを定義しはじめたのはこの頃だ。力を使わないジェントル・アートとしてのブラジリアン柔術へのアンチテーゼとして、上から相手を痛めつけるブルータル・アートとしてのキャッチ・レスリングの技術を前面に打ち出し、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラらと名勝負を展開し、その後も強さを見せつけている。
その後はMMA(とプロレス)を主戦場にしてきたバーネットだが、09年には突然ノーギ・グラップリングの世界選手権とギあり柔術の大会に参戦。ノーギにおいてはブルーノ・パウリスタ相手に終始上をキープし優勝。ギありでも後の世界王者オターヴィオ・ソウザを下からのアキレス腱固めで仕留め、決勝こそ微妙な判定で敗れたものの、世界王者のホムロ・バハルを膝十字で追い詰め、組み技師としての実力を見せつけている。
対するリスターも強烈な極めを誇るグラップラー。MMAでも活躍を見せているものの、バーネットと違い、あくまでグラップリングを主戦場としてきた。03年のADCC大会の無差別級決勝でアレッシャンドリ・カカレコをヒールで仕留めて優勝したリスターは、2011年大会の99キロ以下級でも、準決勝でホドウフォ・ヴィエイラを、決勝でジョアオ・アシスをヒールで極めて優勝。昨年のADCC大会の99キロ以下級こそ、決勝で敗れたものの、それまでの3試合を全てヒールで一本勝ち。まさに世界屈指の足関節の使い手と言える。
突出したテイクダウンの能力を持たないものの、巨体に似合わない柔らかいガードワークを誇るリスター。自ら座り込むことも多く、そこから得意のアームドラッグやスイープで一度でも上を奪ったら最後、次の瞬間ヒールフックで試合を終わらせてしまう。
さらに最近クローズアップされてきているのは、リスターのエスケープアーティストとしての側面。この十数年にわたって試合で一度も極められたことがないというリスターは、メタモリス第1回大会ではシャンジ・ヒベイロに腕を十字で完全に伸ばされながらもエスケープ。前回の第3回大会でも、ヘナート・ババルのダース・チョークを平然と受け流してみせた。
そんなリスターとバーネットの激突となれば、ここはやはり足関節の攻防の実現を期待したいところだ。アキレス、アンクル、ヒール、膝十字と多彩なコンビネーションを誇るバーネット、一撃必殺のヒールを持つリスター、ともに一瞬で相手の足を破壊する極め力を持つだけに、一瞬も目を離せないものとなるだろう。
同様に立ち技で優位と見られるバーネットが、上からどのような仕掛けを見せるかにまずは注目したい。何より、長年一本負けを喫していない両者のうちのどちらかがタップする姿を、今回我々は目撃することになるのだろうか。まさに世界の組み技ファン垂涎のカードだ。
■Metamoris 4 対戦カード
<ノーギ/20分1R>
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)
チェール・ソネン(米国)
<メタモリスへビー級王座決定戦/ノーギ/20分1R>
ジョシュ・バーネット(米国)
ディーン・リスター(米国)
<道着/20分1R>
サウロ・ヒベイロ(ブラジル)
ホドリゴ・コンプリード・メデイロス(ブラジル)
<ノーギ/20分1R>
キーナン・コーネリアス(米国)
ヴィニシウス・マガリャエス(ブラジル)
<ノーギ/20分1R>
ゲーリー・トノン (米国)
キット・デイル(豪州)
<シークレットマッチ/20分×1R>
TBA
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