【UFC144】エドガーのステップ、ベン・ヘンの対抗策は?
26日(日・現地時間)、さいたまスーパーアリーナで開催されるUFC144「Edgar vs Henderson」=UFC JAPAN。11年2カ月振りのUFC日本大会、ズッファ体制になり、初めてオクタゴンが日本で見られる。
【写真】何気に日本でUFCライト級以下の試合が見られるのは初めて。そのライト級で現在頂点にあるのが、フランク・エドガーだ (C) MMAPLANET
米国のPPV中継に合わせ、メインファイトの開始が正午、プレリミ・オープニングマッチは午前9時半スタートという過去に例のない時間帯でのイベントとなるが、早起き必至でどうせなら第一試合からUFCを徹底的に感じたい。
日本人ファイターの名前がずらりと並んだ今大会にあって、メインは本場から直輸入のカード、UFC世界ライト級選手権試合が用意された。ライト級最軽量&最強のチャンピオン=フランク・エドガーと、挑戦者ベンソン・ヘンダーソンの5分5R戦は、現代MMAの最高峰の動きが見られるだろう。
ともにレスリング・ベースで、柔術や打撃戦を標準装備したオールラウンダー。よりアグレッシブに映るのは、挑戦者の方で特にUFCで戦うようになってから、パウンドとエルボーは威力を増し続けている。
【写真】ベンソン・ヘンダーソンのWEC時代の試合は、相手の攻撃を受け、それを凌いで勝つ展開が目立った。UFCに入ると、攻撃を受けるまではいかないが、互いに持ち味を発揮するなかで先手を取る。ベン・ヘンがどのように仕掛けていくかが、非常に興味深いものになる (C) GONGKAKUTOGI
打撃でプレッシャーを掛けて、一発もらってもいいようなフックを放ちながら、距離を詰めてドライブ。ケージに押し込んでからテイクダウンをしていくヘンダーソンだが、一方のエドガーはその距離を詰めさせない、間合いのマジシャン的なフットワークを持つ。
相手を中心に、オクタゴンで弧を描いて移動し、スッとオクタゴンに沿った円の動きをしながら、相手の正面に戻る。これを左右に繰り返し、相手の前を八の字のように動き続ける。ステップは小刻みで、いつパンチ、蹴りが来るのか読み辛く、その度にヘンダーソンが反応をしていくなら、気持ちが疲れ、息も上がってしまう。
エドガーは、このリズムに乗って手数を増やし、打撃を効かすか効かさないかは相手の動き次第。タイミングがあって、ダメ―ジを与えるまで無茶な大振りをすることはまずないだろう。基本、オーソドックスのため八の字ステップで左に回る時は、相手の正面に立つため連打を打つことが多く、ヘンダーソンが距離を詰めるなら、右回りのときでなく、左回りをしているときだろう。
もちろん、エドガーもテイクダウンの防御を考えて動くだろうから、逆にテイクダウンをフェイントに使った攻撃など、ヘンダーソンが見せればエドガーのリズムを狂わせることができ、得意の乱打戦に持ち込めるかもしれない。
面白い、面白くない、KOか判定か――という部分でなく、KOや一本勝ちするためのプロセスが幾重にも広がるUFC、そのトップ同士の戦いを堪能してもらいたい。
■UFC144「Edgar vs Henderson」対戦カード
<世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]フランク・エドガー(米国)
[挑戦者]ベンソン・ヘンダーソン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ランペイジ・ジャクソン(米国)
ライアン・ベイダー(米国)
<ヘビー級/5分3R>
シーク・カンゴ(フランス)
マーク・ハント(豪州)
<ウェルター級/5分3R>
秋山成勲(日本)
ジェイク・シールズ(米国)
<ミドル級/5分3R>
岡見勇信(日本)
ティム・ブーシュ(米国)
<フェザー級/5分3R>
日沖発(日本)
バート・パラジェンスキー(米国)
<ライト級/5分3R>
アンソニー・ペティス(米国)
ジョー・ローゾン(米国)
<ライト級/5分3R>
五味隆典(日本)
光岡映二(日本)
<バンタム級/5分3R>
山本KID徳郁(日本)
ヴァグハン・リー(英国)
<ミドル級/5分3R>
福田力(日本)
スティーブ・カントウェル(米国)
<バンタム級/5分3R>
水垣偉弥(日本)
クリス・カリアソ(米国)
<フェザー級/5分3R>
田村一聖(日本)
ジャン・ティエチュエン(中国)