【Interview】中原太陽 「LFC?選手を大切にしてくれます」
11日(土・現地時間)にマカオのシティ・オブ・ドリーム内グランドハイアットで行われたLFC07で1年2カ月ぶりにリングに復帰した中原太陽だったが、後頭部への打撃で反則負けとなってしまった。
その中原の話を、大会一部終了時点で訊いた。陣営は、最初のブレイク後の指示が反則負けの宣言だったこと、パンチは側頭部に落としていたということでプロテストしているが、本人は裁定自体よりも、極め切れなかったとに対し、反省の弁を口にした。
【写真】試合直後は、このような表情を浮かべていた中原太陽だが、前半戦が終了した時点でのインタビュー時には随分と落ち着いていた (C) MMAPLANET
――反則負けという結果には納得がいっていないと思うのですが、マカオで初めての試合を終えた感想を教えてください。
「フィニッシュできなかった自分もいけないと思いつつ……、ルールがそういうことだったので。もっと技術を向上させて、フィニッシュできるようにしないといけないですね」
――最後は頭部を殴ったということで、反則負けという裁定が下りたのですが。
「僕のなかでは側頭部だと思って殴っていました。もっと冷静にフィッシュすべきでしたね」
――レフェリーの指示は英語でしたが、後頭部だから反則になると言っていることは理解できなかったと。
「そうですね……。対戦相手が足を痛めて、崩れ落ちていたので、側頭部を叩いていると試合が終わると思っていました。あのまま殴って終わらせようとしていたら、ストップがかかったので『終わった』(勝った)と思ったら、反則負けになってしまいました」
――レッドカードを受けても、まだ試合は続行されるかと、こちらも認識していました。なんせ、ブレイクが掛かって最初のレフェリーのアクションだったので。
「僕もあのまま戦うつもりでした。『赤なんだ』って。で、すぐに終わらせようと」
――一昨年の12月30日からスッキリしない試合となってしまいました。一度、中原選手が現役を引退するという話を耳にしたこともありました。
「ハイ、色々と事情があり、SRCで石渡伸太郎選手と戦った時、負けたら引退しようと思っていました。あの試合で勝てて、GODSの皆も盛り上がってきたから続けようと思ったのですが、SRCがなくなってしまって……」
――いやぁ、スイマセン(笑)。
「いやいやいや、そういうことじゃないんで(笑)。大丈夫です。まぁ、SRCがなくなってもGODSのことがあって、色々と考えることがあったのですが、こうやって試合の写真があったり、周りが盛り上げてくれるんで、続けようと思い練習もしっかりとやっていました。
練習と指導をやって、皆頑張っているんで、辞めるにしてももう一度底上げをしてからっていうときに、試合の話をもらいました」
――LFCからのオファーは、どのような経緯で届いたのですか。
「GODSで練習していたマーク・ストライゼグルのお兄さんのフランクから声を掛けてもらって。久しぶりの試合だったんで、リング上でもフアフアしてしまって……。ブランクは感じましたね。チョークを取り切れなかったり、ポジションも返された、守山(故人。慧舟會東京本部代表)さんに怒られるなって。
皆、今回の裁定のことを慰めてくれますけど、僕が極め切れなかったということはあるので。動きはダメでした。それがブランクなのか、技の精度が落ちているのか迷いがありました。
本当にあそこでフィニッシュできていないと」
――ところで、マカオで行われているLFCの雰囲気はいかがでしたか。
「凄くよくしてもらって、選手を大切にしてくれます。もちろん、雑な部分もありますけど、凄く良い感じです」
――レベル的な部分は?
「まだ前半だけですけど、どうかなっていうレベルの選手も出ています。日本人選手の方が、ずっと強いですね。まぁ、今後は分からないですけど」
――中原選手自体の今後の予定はどうなっていますか。
「LFCとは4試合契約なので、それは1年間でということでもなく、他のプロモーションにも出て良くて縛りはないので」
――では、この試合をきっかけにまた日本でも中原選手の試合が見られるかもしれないですね。
「ハイ、タイミングが合えば日本でも戦いたいです。でも、ほんと今日みたいな試合をしていたら、守山さんにあわせる顔がないです(苦笑)」
――でも、こうやって一つ一つ、またキャリアを積むことができていければと思います。以前のようにいきなりHERO’Sのトーナメントに出場したり、本人の思いでなく、周囲の思惑で試合が決まっていたようにも感じられたので。
「守山さんは『相応の相手とやれ』って言ってくれていたのですが、従うしかないっていうか……。でも、石渡選手や田村(彰敏)さんとかギリギリの相手と試合ができて良かったです。それは、以前の経験とは全く違うものでした。これから、自分にあった試合で前に進んでいきたいです」
過度の注目を浴びることなくとも、自らの意思でリングに戻ってきた中原。再スタートの一歩は躓いてしまった感もあるが、既に次の一歩を踏み出している。