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【Interview】大山峻護。カン戦勝利と11年目に向けて

2011.12.20

Oyama12月3日(土・現地時間)、韓国のROAD FCでデニス・カンを破り、ミドル級トーナメント準決勝進出を果たした大山峻護。

【写真】PRIDEで一世を風靡したデニス・カン戦の勝利は、大山のキャリアのなかで特別な一勝となった (C) Moozine

ここ数年、日本に残されたビッグショーの出場はないが、シンガポール、パンクラス、そして今回の韓国での試合と、キャリア初の3連勝となった。2001年2月のMMAデビューから、10年選手となった大山にデニス・カン戦の意義、今後について尋ねた。

――日本でもビッグネームだったデニス・カンに勝利、この結果をどのように捉えていますか。

「ブログにも書きましたが、PRIDEでヴァンダレイ・シウバに叩きのめされてから10年が経ちました。怪我をしたり、期待に答えられない日々がずっと続いてきました。

それでも、もがきながらでも10年間、前に進んできたことを証明する為にも、PRIDEでトップファイターだったカン選手と戦うこと、そして勝つことは本当に大きな意味がありました。

僕はある意味、PRIDEの落第生でしたが、ようやく卒業証書をもらえた気分です。ちなみにピンチの時は妻の顔が浮かんで頑張れました。妻のお陰です」


――この試合のオファーは、いつ届いたのですか。

「3ヶ月前にオファーを頂きました。デビューして10年経ちますが、3ヶ月前に試合だけでなく、対戦相手も決まっていたのは初めての経験です(笑)。そのお陰で悔いなく最高の準備ができました」

――カン戦に向けて、どのようなトレーニングの取り組み方をしたのですか。

「打撃はシャイアン山本ボクシングジム、ウィラサクレックジム、大道塾の加藤清尚さんにご指導頂いています。特にシャイアンジムとの出会いは大きいです。

またボクシング東洋太平洋チャンピオンの高橋良輔選手にもスパーリングでお世話になりました。中野ゴールドジムでは三崎和雄選手、吉田善行選手、吉田幸治選手、高瀬大樹選手、加藤清尚さん、郷野聡寛選手、ミノワマンなどレベルの高い選手たちが集まって練習しています。

また廣戸先生に4スタンス理論を学んだことや、スポーツ速読のトレーニングを取り入れた事も大きかったです。今回の勝利は、本当にみんなの力のお陰です」

――9月に吉田善行選手が、シンガポールで勝利を挙げました。盟友が同じアジアで勝利を挙げたことで大山選手も刺激を受けたのではないですか。

「吉田は中学2年生の時からの付き合いです。一番身近な男が、世界を相手に戦っていることに、本当に大きな刺激をもらっています。

特にシンガポールのONE FCで、フィルバローニに勝利したことで、大きな力をもらいました。吉田に続いて、僕も『何が何でも勝つッ!』と気合いが入りました。僕にとって同級生の吉田の存在は本当に大きいです」

――韓国での試合が続きますが、現地のプロモーションの印象を教えていただけますか。

「これから燃え上がるような、格闘技バブル前の日本のような印象を受けました。これからも良い形で盛り上がっていって、日本の選手ももっと出場していける場になってくれる事を願っています」

――香港&マカオも定期的にイベントが開催され、米国でもPPV中継しています。アジアが、日本選手にも大切な舞台になってきました。

「それらの国から、アジア全体にMMAで盛り上がるっていう火が燃え広がっていくのではないでしょうか。そんな熱い印象を受けます」

――では最後に2012年に行われる準決勝に向けて、対戦相手の印象、そして、ROAD FCをステップに、来年の大山選手の抱負をお願いします。

「次の試合は、ワンデートーナメントで準決勝と決勝があります。長年柔道やサンボのトーナメントで培ってきた経験が生きてくると感じています。最後にトーナメントで優勝したのは、2000年のアマチュア修斗なので、久しぶりにあの達成感を味わいたいと思っています。

2012年は国内外を問わず、どんどん戦っていきます。この年齢になっても、格闘技が楽しくて成長していく過程が楽しく、嬉しくて仕方がありません(笑)。この10年の間には、『なぜ格闘技をやっているんだろう』と悩んだ時期もありましたが、今は格闘技に心から感謝をしています」

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