【UFC90】アンデウソン・シウバ、まさかの”ヒザ”で防衛
10月25日(土・現地時間)、米国イリノイ州シカゴのオールステート・アリーナでは、『UFC90 SILVA vs COTE』が開催された。
【写真】シカゴに進出したUFC。メインのアンデウソン・シウバ×パトリック・コーテ戦は思わぬ決着に (C)Zuffa
シカゴ初進出となる同大会では、メインイベントにMMAワールドのパウンド4パウンド、アンデウソン・シウバがパトリック・コーテの挑戦を受ける世界ミドル級選手権試合を筆頭に、ウェルター級で事実上の次期挑戦者決定戦となるチアゴ・アウベス×ジョシュ・コスチェック戦、さらには、ショーン・シャーク×タイソン・グリフィン、リッチ・クレメンティ×グレイ・メイナードといったライト級注目の一戦も並ぶ。
しかし、エキサイティングな試合が多かった今大会において、メインイベントは非常に残念なフィニッシュとなってしまった。試合は余裕を見せながらも、なかなか前に出てこないアンデウソンに対し、コーテが喰らい付くという展開となり、王者はUFC登場後、初の3Rを迎えたが、その矢先に、コーテが小刻みなステップを踏んだところで自身の右ヒザを脱臼。突然の試合終了に、アンデウソンは「こういうことがあるのがファイト」と話しながらも、「ソーリー」を繰り返した。
それでも、セミファイナルで行われたウェルター級戦=アウベス×コスチェック戦では、“神の階級”の名に相応しいトップコンテンダー同士の二人による最高峰の戦いが繰り広げられた。
現UFC同級ジョルジュ・サンピエールがオクタゴンサイドで試合を見守る中、アウベスとスタンドで互角に渡り合うコスチェックは、何度もダウン&KO寸前に追い込まれながらも、窮地の状態からテイクダウンを狙い、一方のアウベスは巧みなディフェンスを披露。試合終盤、ポイントで不利と判断したコスチェックは必死にKOを狙うも、サークリングを駆使し、カウンター狙いのアウベスはしっかりとコスチェックの攻撃を見極め、深追いせず、勝利に徹する。結果、アウベスが判定勝利を挙げ、試合後には「俺のタイトルショットが見たい?ダナ・ホワイト、俺って良い子だろう?」と王座挑戦をアピールしてみせた。
その他、ライト級=シャーク×グリフィンの一戦は、コンパクトな打ち合いながらも、精度で上回るシャークが判定勝利。また、この日、UFC世界ヘビー級暫定王者アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラに心強い太刀持ちが現われる。現在、ノゲイラと練習をともにするジュニオール・ドス・サントスがUFCデビュー、PRIDEでも活躍したファブリシオ・ヴェウドゥムから80秒でのKO勝利を挙げ、11月(クートゥアー×レスナー)&12月(ノゲイラ×ミア)と大一番が行われるヘビー級戦線に強烈なインパクトを残した。