【Shooto2026#06】環太平洋王者・川北晏生に挑戦。中野剛貴「自分の人間性を表現できる戦い方をする」
【写真】今回のインタビューを通じて中野が独自の格闘技観で戦っていることが伝わってきた(C)GOUKI NAKANO
27日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるShooto2026#06にて、中野剛貴が環太平洋バンタム級王者の川北晏生に挑む。
Text by Takumi Nakamura
現在4連勝と勢いに乗る中野。キャリア初のタイトル戦は4年前に敗れている川北へのリベンジも兼ねた一戦となった。今回のインタビューを通して、中野の一般的な格闘家のイメージとは違う姿、そして独自の格闘技観が見えてきた。ぜひ現在公開されているドキュメンタリー映像(https://youtu.be/3QoF7MHl51Q?si=-E6-z48qj8exmDdA)と合わせて、中野剛貴というファイターに触れていただきたい。
今のチームにいて、自ずとMMAという競技に対する理解がすごく深まっている
――今大会では環太平洋バンタム級王座への挑戦が決まりました。オファーを受けた時の心境を訊かせていただけますか。
「オファーを受けた時の心境は2つありました。1つはついに来たなというところと、もう1つは自分は試合する時は緊張するので、いつもの緊張の怖さがありましたね」
――試合が決まると緊張するというのはデビューしてからもずっと変わらないのですか。
「そうですね。自分はもともと学生時代に柔道をやっていて、その頃から(試合前は緊張する)ですね。最終的にはいい感じに緊張を消化して、自分と向き合って試合に臨んでいます」
――その上で今回はどう自分を作って来ましたか。
「結論から言うと、いつも通りという感じになるんですけど、自分は緊張を抑え込むのではなく、しっかり向き合って、自分の中で納得できる答えを見つけてから試合に臨むんですね。なので、いつも通り問題なく今回も試合を迎えられそうだなと思います」
――今回はタイトルマッチということで周囲の声や反響も大きかったのではないですか。
「それはありますね。オーダーを受けるチケットの枚数も増えましたし、色んな人からも声をかけていただいたり、自分のことを知らない人からもメッセージをいただいたりしています。その辺りはシンプルに嬉しいなと思いますが、試合に臨む心境に関しては、特に何も思わないという意味で、いつも通りですね」
――中野選手は現在4連勝中ですが、ご自身では好調の要因は何だと思いますか。
「一番はコーチとチームが大きく変わったことですね。それが自分のMMAに関してどう影響したかというと、チームメイトの岩﨑(大河)さんもそうですし、コーチのコクエイ(マックス)さんもMMAに対する理解がすごく深いので、そのチームに自分がいて色々と教えてもらうことで、自ずとMMAという競技に対する理解がすごく深まっている印象ですね」
――中野選手はもともとKRAZY BEE所属として試合をしてきましたが、岩﨑選手はコクエイさんがいるチームに移ったのは自然の流れだったのですか。
「そうですね。もともと前にいたチームの時に出会ったんですけど、色々と話をしている時に物事に対する捉え方や考え方が、自分に似ていて。そこでコミュニケーションを取っているうちに、この人たちと一緒にやったら上手くいくなと思いましたね」
――対戦相手の川北選手は4年前に対戦して敗れている相手です。対戦相手に対する印象はいかがですか。
「印象は特にないというのが正直なところですね。自分は対戦相手に対して何か思うことがあまりないので。川北選手とは1回戦っていて、舞台裏でも挨拶したりとか『またいつか戦うかもしれないですね』という話はしていたので、正式に決まってよろしくお願いしますと。僕は誰が相手でもそういう感じです」
――川北選手のファイトスタイルにはどんな印象を持っていますか。
「スタイルで言うと、結構粘り強いタイプの選手だと思います。すごく抽象的な言い方になってしまいますが“頑張る”選手という印象です」
――もちろん具体的な話は試合前なので出せないと思いますが、チームとして川北選手の攻略法はしっかり出来上がっていますか。
「そうですね。準備はできています」
――中野選手は柔道出身ということですが、なぜMMAを始めようと思ったのですか。
「きっかけは2つほどあるんですけど、1つは自分は大学進学と共に柔道をやめて、大学時代に救急救命士になるための資格を取ったんですよ。大学には学問で行ったのですが、僕は自分のやりたいことを突き詰めたい性格で、競技を続けるにあたって、もっと刺激的なスポーツはなんだろうと考えた時に、投げて抑え込むだけじゃなく、投げて殴って極めがあるスポーツの方が絶対に面白いだろうというところでMMAに惹かれました。そしてMMAをやっていくうちにMMAの魅力にどんどん引き込まれて行きましたね」
自分のような人間がMMAという過激なスポーツで結果を残すところにも共感してもらえると思う
――今日お話を聞いていて、中野選手とは他の格闘家とは違う感覚でMMAや格闘技に向き合っている印象があります。中野選手自身、そういった部分に重きを置いているのですか。
「まさにおっしゃる通りだと思います。自分はどちらかというと、皆さんがイメージする格闘家の印象とは少し違うと思っていて。どちらかというと、仕事もそうなんですけど、世の中の物事にしっかり1つ1つ向き合って、思考して、分解して、インプットして、アウトプットするのがすごく好きな人間なんですよね。その物事の1つに格闘技があるという印象です。それもあって格闘家っぽくないというか、喋ったら一般的な感じだと思います。僕は自分のような人間がMMAという過激なスポーツをやっていて、そこで結果を残すところにも共感してもらえることが多いと思っています。自分の人柄や生い立ちなどを知ってもらった上で、格闘家として戦っているところを見てもらえれば、一見過激なことをやっていてぶっ飛んでそうに思われがちですが、中身は同じ人間なんだよっていうところを知ってもらえると思います。そうすれば見ている側の人たちにも『自分もできるんだ』とか『自分も挑戦してみよう』と思ってもらいやすいと思いますし、そういった部分が他の選手にはなくて、自分が(MMAを)やっていて1番意味のあるところかなと思います」
――深い話ですね。競技としてもあらゆる局面で攻防があるMMAはやりがいがあるのではないですか。
「そうですね。扱う領域が深くて広いですし、駆け引きの部分なども含めて、すごくやりがいを感じますね」
――中野選手はMMAファイターとしてどんな目標や展望を持っていますか。
「やっぱりUFCを目指したいという気持ちあります。成績で言うと、自分は初期の頃に負けているので、あまり綺麗なレコードではないのですが、国内でベルトを獲って実績を作って、勝ち続けていれば絶対に(UFCは)見えてくると思うので、海外を目指す上でもトップレベルのところで試合をしたいですね」
――そういった意味では今回の試合でベルトを巻くことがターニングポイントになりそうですね。
「間違いなくそうなると思います」
――それでは最後にファンのみなさんにメッセージをいただけますか。
「いつも応援してくれる皆様もそうですし、それ以外で普段日常的に私と関わってくださる全ての皆さんにいつもすごく感謝しています。格闘技という1つの競技の中ではありますけど、自分自身の人間性を表現できるような戦い方をして、皆さんにすごくいい影響をお伝えできるような試合になると思いますので、どうぞ応援の方よろしくお願いします」


















