【ONE TIC24】最強アリショフと初防衛―草原のえべっさん=エンフオルギル「スピードと経験がモノをいう」
【写真】いつも福々しく穏やかに微笑んでいるエンフオは「モンゴルにもラーメン屋はあるけど、日本のラーメンはモノが違う。日本のラーメン屋はシークレット・レシピがあるはずだ(笑)」とのこと (C)MMAPLANET
31日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE FF164 & The Inner Circle24が開催され、ONE世界バンタム級王者エンフオルギル・バートルフーが、エルベク・アリショフの挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima
オトコンバートル・ボルドバートル、シンバートル・バットエルデネという日本を席巻したチームメイト、マカオと日本で敗れるなか、37歳のベテランが師匠ジャダンバ・ナラントガラグのレガシーを引き継ぎ、さらに師が成し遂げられなかったONE世界王座防衛に挑むエンフオルギル。
強烈な身体能力と、殴られても下がらない気持ちの強さ。そして、いつも優しい微笑むエンフオは、アリショフを過去最強の相手と認めつつ、「興味深い」、「ワクワクする」という言葉で自信のほどを語った。
コーチ・トンガーが成し遂げられなかった防衛を絶対に果たしたい
――エンフオ、今週末にONE世界バンタム級王座初防衛戦が控えてします。まず、今の気持ちを教えてください。
「凄くワクワクしている。この試合は、凄く責任を感じる大切なファイトになってくるので」
――何に関して責任感を持っているのでしょうか。
「本当に多くの人が、自分がベルトを守ることを期待してくれている。そんな皆の期待に応えるべき、ハードトレーニングを積んできた。しっかりと防衛できるようにね」
――ONE世界王座、階級は違え師匠であるジャダンバ・ナラントガラグのレガシーを継いだことになります。その辺りはどのような気持ちでいましたか。
「コーチ・トンガーがチャンピオンになってから、11年を経て自分がONEの世界チャンピオンになれた。そして、コーチ・トンガーが成し遂げられなかった防衛を絶対に果たしたいと思っている。そのためにベストを尽くすつもりだ」
――ところでONE世界チャンピオンになって、私生活に変化はありましたか。
「まず経済状況が変わった。ここは凄く良くなったよ。それだけでなく、チャンピオンになったことで多くのモンゴルの人々から応援され、注目されるようになった。そういうファンに対して、しっかりと責任ある言動、そしてファイトを見せたいと思っている」
――ネトフリのリアリティTVショー、フィジカルアジアに出演した時よりも注目されるようになりましたか。
「あの時も凄く注目されたけど、やはりファイターなので今回ベルトを獲ったことで、より多くの人から認識されるようになったように感じている。
ウランバートルの街を歩いていても、写真やサインを求められることが本当に多くなった。なによりフィジカルアジアに出演している時は、皆からチャンピオンと呼ばれることはなかったからね(笑)。それも全て、ONEでベルトを巻くことができたからだと思っている。
ただ、そういう部分に関して、これまでは本当に気にかけていなかった。でも今はチャンピオンとして自覚を持ち、チームの皆に対してもそうだし、自分のことを応援してくれる人たちのためにも、もっと頑張らないといけない。と同時に、ネームバリューが上がったからといって、僕自身は変わらない。これまで通り、必死にMMAに向き合う。仲間を大切にする、そういう想いで今回の試合に向けて練習してきた。
モンゴルには偉大なファイターが多く活躍してきたなかで、自分もその中の一人になることができたのだから、MMAというスポーツで成功を目指す若者にとってロールモデルでありたいと思う。謙虚に、そして責任を果たしていきたい」
僕はずっとチームメイトより年を重ねている
――モンゴルの代表、そしてシャンダスMMAの代表として戦う上でダギースレン・チャグナードルジはRoad to UFCに準決勝進出を果たしましたが、オトゴンバートル・ボルドバートルは初戦で敗れ、シンバートル・バットエルデネもLemino修斗で一本負けを喫しました。シャンダスMMAファイターとして、これ以上は負けられないという気持ちはありますか。
「オトゴンバートルとシンバートルはチームメイトだけでなく、兄弟のような存在だ。でも基本的にチームの誰かが負けたからといって、重圧を感じないようにはしている。皆がそれぞれ自分の戦い方を持っていて、試合当日のフィジカルコンディションも違う。何よりも、これまでチームの皆で、多くの勝利を手にしてきたからね。
若い2人が前回の試合では、負けてしまった。それがMMAというスポーツで。彼らはこの敗北で強くなれるきっかけを手にしたんだ。だから、自分もタイトルを防衛することに集中している。そのために自分のやるべきことを、毎日こなしてきた。
とにかくオトゴンバートルとシンバートルは、まだまだ若い。今回の敗北を経験して、また一生懸命練習して前に進むだろう。そうやっていくことで人間として成長し、ファイターとして強くなれる。何より、若いチームメイトの試合を見ていつも勉強になっている。コンディション、ポジション、ミステイク、上手くいった攻撃を見て学び、自分も一緒に成長していることは絶対だよ」
――押忍。
「僕はずっとチームメイトより年を重ねている。そして、若いチームメイトとトレーニングをすることで、今の自分を知ることができるんだ。彼らがいてくれるから、自分の弱点が分かる。今の自分はどれだけ敏捷性があるのか、そこを把握することで自分のレベルが理解できる。
結果、自分が何をすべきかが見えてくるんだ。オトゴンバートル、シンバートルも含めチームメイトには本当に感謝している。そしてオトコンバートルとシンバートルには輝かしい将来が待っていることを信じている」
――チームメイトに全幅の信頼を置いているのですね。では挑戦者アリショフの印象を教えてもらえますか。10戦10勝、一本勝ちが8試合でTKO勝ちが1試合という猛者です。
「過去最強の相手と言ってもおかしくない。彼がONEで戦った相手は自分も戦ってきた相手で。でもアリショフの方が短い時間で勝っている(エンフオルギルは3R4分59秒でカルロ・ブーミナアンに肩固めを極め、アリショフは2R3分24秒ギロチンで勝っている。またエンフオルギルが判定勝ちだったジャレミー・パカティウに対し、アリショフは2R1分17秒肩固めで一本勝ちしている)。それだけで、彼が如何に強い相手か分かるというものだ。
だからこそ、しっかりと準備をしてきたし、チームやコーチで作戦も立ててきた。やってきたことが間違っていないと試合で証明するつもりだ」
――その両選手に関しては、確かにその通りかもしれないです。ただしエンフオは、何といってもファブリシオ・アンドラジの立ち技に屈せず、RNCを極めています。
「そうだね。アリショフは、これまで自分のようなレベルのファイターとは戦ったことがない。それは確かだ」
――トップゲームが強い両者ですが、それだけに打撃とレスリングの攻防が鍵を握ってくるのではないでしょうか。
「もちろん打撃とレスリングは大切だし、グラップリングも勝負の行方を決めるファクターになるだろう。つまり総力戦、これぞミッククストマーシャルという試合になるに違いない。どっちがスピーディーなのか。どちらの反応が速いのか。問題が起こった時の対処が素早いのか。特に打撃の局面で、この3つの点で上回った方がアドバンテージを握るだろう」
――アドバンテージを握る自信は?
「それはリングで明らかにするよ。試合になれば、皆が理解できるだろう(笑)。もちろん、ここでは言えないシークレット・テクニックを携えてリングに上がる。アリショフは、ビックリすることになるだろう。
ただし、アリショフも同じように考えて準備をし、戦術も十分に練ってリングに上がるはずだ。だからこそ、この試合は興味深いモノになるに違いない。スピードと経験がモノをいう試合になるんだよ」
――日本でONE Samurai Seriesが始まりました。エンフオが日本で戦う日を楽しみにしています。
「2月にシンバートルのサポートで日本に行った時、日本の人達の選手へのサポートが、どれだけのモノかしっかりと見た。本当に素晴らしく、尊敬してやまない。また日本に行きたい。冬は富士山に登れなかったから、今度こそ富士に行きたいと思っている(笑)」
■放送予定
7月31日(金・日本時間)
午後8時15分~U-NEXT
■ONE The Inner Circle21対戦カード
<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
【王者】エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
【挑戦者】エルベク・アリショフ(アゼルバイジャン)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ジョハン・ガザリ(マレーシア)
ラマダン・オンダッシュ(レバノン)
<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
チョップリチャ(タイ)
アブダラ・オンダッシュ(レバノン)
<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
サルバドール・ベラスケス・ビジャレロ(メキシコ)
品川朝陽(日本)




















