【BFC44】ライト級T優勝はマイケル・チャンドラー
<ライト級トーナメント決勝/5分3R>
マイケル・チャンドラー(米国)
Def.判定3-0:29-27,29-27,29-27
パトリッキー・フレイレ(ブラジル)
【写真】急所打ちで気持ちが切れたか、削られた結果か、終盤はマイケル・チャンドラーがパトリッキー・フレイレをパウンドで攻め立てた (C) KEITH MILLS
左ジャブを伸ばし、テイクダウンの機会を伺うチャンドラー。フレイレは右ハイを見せ、チャンドラーの体をおこさせる。矢継ぎ早にパンチで牽制するフレイレに対し、チャンドラーも左を伸ばす。明らかにテイクダウン狙いのチャンドラーは、距離が近くなりすぎると、スッと距離を取る。
スイッチを繰り返し、フレイレを幻惑させようと試みるチャンドラー。そのチャンドラーの左ローが、フレイレの急所に当たり、ブレイクが与えられる。呼吸を整え、再開後、チャンドラーの左がフレイレの顔面を捉える。サウスポーに構え、バックステップするやそのまま組みついたチャンドラーだが、ここは自ら距離を取る。
打撃の距離が測りきれないフレイレに、今度はチャンドラーがダブルレッグを仕掛ける。ここも距離を取り、スタンドのキープしたフレイレだが、左アッパーは大きく空を切る。チャンドラーの前進にカウンターでなく、バックステップを繰り返したフレイレの終盤、アグレッシブネスでチャンドラーがラウンドを制した。
2R、距離がやや詰まった両者。チャンドラーはオーソから左ジャブを伸ばし、右ストレートをヒットさせる。右ハイを見せたチャンドラーに対し、フライングニーで動きを止めに掛かったフレイレ。だが、チャンドラーはワンツーから負けじとジャンピングキックを見舞っていく。
その蹴りを放った際、バランスを崩したチャンドラーを送り出し、再びジャンピングニーを放つフレイレ。着地後、組みついたチャンドラーのヒザ蹴りが、再びフレイレの急所を直撃し、フレイレは呻き声を挙げながら、ヒザから崩れ落ちる。5分間のインターバルの途中で、再開に応じたフレイレに対し、チャンドラーは左ジャブからロー、レフトフックをよけて右アッパーを見せる。
チャンドラーの左フックに、左フックを合わせたいフレイレだが、チャンドラーの巧みなスイッチと間合いの取り方に、拳がその顔面を捉えることができない。チャンドラーもダブルレッグを失敗するなど、2R中盤にして、消耗戦の様相を呈してきた。
両者、汗が目立つ中、チャンドラーの左フックがヒットする。と、フレイレも左フックを打ち込む。直後のフレイレのミドルをキャッチしたチャンドラーが、初めてテイクダウンに成功すると、パウンドを落し、立ち上がり際にも足をすくってしっかりとトップをキープ。残り30秒を切ると、腰から両足をコントロールして、フレイレをマットに釘づけにする。ラウンド終了間際にパウンドを連打したチャンドラーが、初回に続き2Rも制して、ライト級トーナメントは最終ラウンドへ。
笑顔を浮かべつつも、疲れを感じさせるフレイレ。対するチャンドラーは、左目の下を腫らしながらも、エネルギッシュに見える。と、ここでチャンドラーの左ローが、フレイレの急所を三度捉える。インターバル期間中、ミノタウロのアドバイスに必死に耳を傾けるフレイレだが、急所への攻撃が3度続くと、厳しい。ここでレフェリーはチャンドラーにワンポイントのペナルティを与える。
仕切り直し後、左を伸ばすフレイレだが、チャンドラーの右クロスがその顔面を捉える。右ハイ、左フックで反撃に出るフレイレだが、ここでチャンドラーはシングルレッグから、頭を押し込みリフトアップ、股を担いでスラムでフレイレを叩きつける。
背中をマットにつけたフレイレ、ここで気持ちが途切れたか。チャンドラーは、フレイレの体を持ち上げ、頭をケージ中央に向きなおすなど、恐るべきスタミナを見せる。と、エルボーを連打し、フレイレを追い込んだチャンドラー。フレイレのリバーサル狙いも潰し、立ち上がるところで腰をコントロール、またも大きく抱え上げてスラム気味にテイクダウン。
下からエルボーを見せたフレイレだが、チャンドラーはハーフから右のパウンドを連打し、試合は一方的な展開へ。さらにエルボーとパウンドを嫌というほど浴びたフレイレ、鼻血を滴らせ、弱々しい目をしたまま、試合終了を迎えた。
長後に勝利の雄叫びを挙げたチャンドラー。ローブローの連続には閉口するしかないが、脅威的なスタミナを誇り、問題なく3-0で判定勝ちを収めてトーナメントを制し、エディ・アルバレスへの挑戦権を手にした。