【BFC44】近距離での強さは抜群、ロンバード
<ミドル級/5分3R>
ヘクター・ロンバード(豪州)
Def.3R0分54秒 by KO
ファラニコ・ヴィターレ(米国)
【写真】近距離での殴り合いでは、相変わらずの強さを発揮するヘクター・ロンバード。序盤はファラニコ・ヴィターレのノラリクラリにペースを握れなかった (C) KEITH MILLS
サウスポーの構えから右ジャブを伸ばすロンバード、さらに左ミドルを放っていく。ヴィターレは前蹴りで距離を取るが、右回りでやや下がりながらロンバードのプレッシャーを耐えている様子だ。右ストレートを伸ばしたヴィターレ、ロンバードの左右のフックをステップバックでかわし、右を伸ばす。ロンバードは左ハイキックを見せるなど、新しい武器を披露したが、ヴィターレを捉えることはできない。
インサイドから右ストレートを出すヴィターレ、ロンバードの拳をギリギリでかわしていくが、距離感的には危ない。ここでヴィターレの右ローがロンバードの急所に触れ、試合は一時中断する。再開後、じっくりと構えるロンバード、そのパンチをバックステップでヴィターレがかわすという展開が続く。踏み込みで足を滑らせ、バランスを崩したロンバードだが、反則のヒザ蹴りをかわすと距離を詰めて、ヴィターレに連打を見舞う。
自ら距離を取ったロンバードは慎重な姿勢に変わりはない。ヴィターレもカウンター狙いで、基本は待ちの姿勢だ。ロンバードも手数を減らし、ヴィターレが出てくるのを待つが、それでもヴィターレは前に出てこない。そのまま初回が終わった。
2R、自ら前に出たロンバードは、ヴィターレをケージに詰めて連打を見せるが、精度は決して高くない。今度は組んでヒザを見せたロンバード、ヴィターレは柳に風とでもいった雰囲気で、ひたすら右を伸ばす機会をうかがっている。ロンバードの左ハイをディフェンスし、左へ移動したヴィターレだが、すぐに右側へ移動し、ロンバードのインサイドにパンチを打ち込もうとする。
セオリーと逆の動きに、ロンバードも距離が測りにくいのか、キャノン砲も湿りがちだ。そのロンバードの前足にローを放っていくヴィターレ。右ストレートをかわして、ボディにヒザを打ち込むが、距離がつまったことでロンバードにテイクダウンを許す。
すぐに立ち上がったヴィターレは、マイペースを貫き、パンチを捌いてケージ中央に戻る。ヴィターレは左から右を伸ばすが、これは距離が遠く届かない。前に出てローを見せたロンバード、ヴィターレのリズムにアグレッシブな攻めを続けることが難しい試合になっている。このままロンバードの手数のみが目立つ2Rが終了した。
最終回、前に出たヴィターレ、両者の距離が縮まる。勝利にはKOしかないヴィターレが、積極的にパンチを出す。ようやく自分の距離になったロンバードが、左、右、右から左ミドルを繰り出す。と、ヴィターレの右ボディに右フックを合わせると、ヴィターレがヒザから崩れ落ち、すぐに立ち上がろうとしたが、再び尻もちをつき、試合はジ・エンド。前に出たヴィターレをロンバードの豪腕が捉え、KO決着となった。