【PFL2026#06】ラトヴィアから世界へ。ラバダノフと米国初陣=アレックス・チゾフ「同じレベルにある」
【写真】今回の試合が終えると家族と来日し、東京と京都を訪れるというチゾフ。日本でタトゥーを入れるそうだ (C)MMAPLANET
2日(土・現地時間)、サウスダコタ州スーフォールズのサンフォード・ペンタゴンで開催されるPFL 2026#06「Sioux Falls」で、アレクサンドル・チゾフがガジ・ラバダノフと対戦する。
Text by Manabu Takashima
昨年のPFL Euroライト級王者のチゾフは、ラトヴィアというバルト三国で生まれ育った。著名なMMAファイターがいない――といっても過言でないラトヴィアから、世界へ。アレクサンドル・チゾフに、そのMMAファイター人生と今回の試合に向けての意気込みを語ってもらった。
世界の99パーセントの人が知らない国から、MMAで成功できるわけがないって言われた
――アレックス、PFLヨーロッパのトーナメントで優勝した際に「米国で戦う準備はできている」と話していましたが、その時を迎えました。今の気持ちを教えてください。
「MMAを始めた時から、米国で試合をすることが夢だった。凄くエキサイトしている。僕はヨーロッパの小さな国で生まれ育った。そうでなくても欧州のファイターにとって、米国で戦うことが目標になっているはず。米国のファンの前で、自分の力を証明したい。
時差ボケの調整のために試合の2週間前に初めて米国にやってきて、今はLA郊外のニューポートビーチで調整をしている。ジャクソン・ハウスでカムザット・チマエフやアルマン・ツァルキャン達とスパーをしてきた。皆、大舞台で戦う大物で当然のように最高にレベルが高い。これが夢なら冷めないでほしいと思うような環境でトレーニングができた。米国にやってきて1週間、気候、人々、練習環境と全てが気に入っているよ」
――私自身、もう20年以上前にアレックスの母国ラトヴィアの隣国リトアニアにはBUSHIDO MMAの取材で訪れたことがありました。そしてBUSHIDO MMAは当時ラトヴィアでも大会を開いていたのですが、MMAの状況は全く分かっていないです。
「BUSHIDO MMAのことは知っているけど、僕の国で大会があったとかは知らなかった。ラトヴィアは小さな国でMMAのレベルは低い。プロファイターもMMAの練習をしている人間の数も少ない」
――その母国で、アレックスはなぜMMAファイターを志したのでしょうか。
「15歳の時、今とは正反対のアルコールやタバコをやるような生活を送っていた。当時は周りが僕のことを認めるようになり、女の子にモテるだろう……そんなぐらいの気持ちでボクシングをやっていたけど、全く真剣じゃなかった。2013年だ。コナー・マクレガーの試合を見て、ケージの中で殴って、蹴って、エルボーを入れる戦いが凄く注目されるようになった。
だからMMAの練習をするようになったんだ。ただボクシングの時と同じで、プロになるとか考えていなかった。練習をするようになっても、パーティーをして遊んでばかりだったし。
僕は学校でも勉強は全然できなくて、夢中になれるモノが全くなかった。そんな状況から脱却したくて、真剣に練習をしようと思ったんだ。そうしたら、もうMMAのことが大好きになって。やっぱり、最初はそこだろう。好きじゃないと、コレは続けられないよ。結果、MMAのない人生は考えられなくなった」
――その頃、ラトヴィアではMMAが練習できる環境は整っていたのですか。
「小さなMMAジムはあったよ。でも練習する人間の数も少なかった。ボクシングやグラップリング、柔術のジムを回った練習をしていた。一つのジムで打撃と組み技を高いレベルでトレーニングできる場所はなかったから。そうやって色々なことを学んで、自分でミックスしてきたんだ。
正直、今もラトヴィアの練習環境はさほど変わっていない。それでも色々な分野の指導者や選手が、僕のことを支えてくれている。同時に海外に練習に行く必要もあったけど、今はPFLのおかげで経済的にソレが容易くなった。ラトヴィアの環境がハードだったからこそ、僕は強くなれたと思う。そういう国のMMAを背負って、こうやって米国で戦えることを誇りに思う。
僕が『米国で成功する』と言っても、誰も信じてくれなかった。世界の99パーセントの人が知らない国から、MMAで成功できるわけがないって言われたよ。でも、僕は今ここにいる。僕がPFL、米国でラトヴィア人ファイターでもやれるということを証明して、ラトヴィアでMMAを志す選手の目標になりたい」
――素晴らしい志を持っているのは、それこそアレックスの方です。ところで練習面ですが、米国といわず欧州内でも英国やフランス、ポーランドなどは練習環境が整っているかと思います。どこか他の国に拠点を移すことを考えたことはなかったですか。
「拠点を移すなら米国だね。でもラトヴィアにはヘッドコーチ、レスリング・コーチ、グラップリング・コーチがいて、僕らは一緒に成長してきた。彼らはただトレーニングパートナーじゃない。だから試合がない時に海外で練習をするのは良いことだけど、試合が決まれば皆と一緒に戦っていきたい。
皆、僕のことをホントに理解してくれていて、何が必要かも分かっているから。対戦相手の研究も一緒にして、3、4人のスパーリングパートナーを国のなかで見つけ、2カ月間徹底して試合用の練習をしているんだ。
僕がPFLで成功しつつあるようになって、協力すると言ってくる連中とは違う。彼らは僕の本当の意味でのパートナーなんだ。そういう皆とやってきて、今回ランキング2位のガジと戦うという機会を得ることができた。
これまでMMAに賭けて生きてきたけど、常に強いファイターと戦う選択をしてきた。僕のような環境にいると、自分にベットして番狂わせを起こすことが必要だったから。とにかくトライするしかない。ベストになりたいなら、その時、その場で考え得る最高の相手と戦わないと。そこから逃げていたら、ベストになるなんて絶対に無理だから」
自分にベットして番狂わせを起こすことが必要だった
――欧州ライト級トーナメントで、アンダードッグから優勝を果たしたように。
「その通りだ。僕はいつもアンダードッグだった。そして、皆が間違っていることを証明してきた。その結果、ガジと戦うことができる。まるで魔法にかかったような機会だよ。でも今回も同じで、僕はアンダードッグだ。
それでも、勝つのは僕だ。100パーセント、自信がある。試合だから誰だって負ける可能性がある。だからこそ自信は、100パーセントでいないと。自分がやってきたことを信じられないなら、もう既に負けてしまっているよ。
今回の試合で、僕は自分が世界のトップ10にいることを証明する。その機会を神が与えてくれたんだ。神は僕が何者か知っている。だから、この場を僕に与えてくれた。ガジを相手にし、僕が彼と同じレベルにあることを示す。そして勝つ。ただ勝つだけじゃない。ファンに喜んでもらえる試合をする。MMAはエンターテイメントだから、ファンが見たいと思う戦いをしないといけない。瞬き厳禁、そんなエキサイティングな戦いをするよ」
――押忍。アレックス、今日は色々と興味深い話をありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いできますか。
「米国で戦うという夢が叶った。次は日本で戦うという夢を叶えたい。僕の原点はPRIDEだ。そして今、RIZINがある。RIZINとPFLがコラボレートするなら、僕はPFL代表として絶対に日本で戦う。だから素晴らしい文化を持つ日本のファンに、僕の今回の試合をチェックしてアレックス・チゾフの名前を憶えて欲しい」
■視聴方法(予定)
5月3日(日・日本時間)
午前7時45分~ U-NEXT
■PFL 2026#06対戦カード
<ウェルター級/5分3R>
ローガン・ストーリー(米国)
フロリン・ゼンデリ(アルバニア)
<160ポンド契約/5分3R>
ガジ・ラバダノフ(ロシア)
アレクサンドル・チゾフ(ラトヴィア)
<ライトヘビー級/5分3R>
シメオン・パウウェル(英国)
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
<ヘビー級/5分3R>
ヒーナン・フェヘイラ(ブラジル)
セルゲイ・ビロスチーニ(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
マゴメド・マゴメドフ(ロシア)
レアンドロ・イーゴ(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
ラスル・マゴメドフ(バーレーン)
ハファエル・シャビエル(ドイツ)
<女子フライ級/5分3R>
シャイアン・バワース(米国)
サブリナ・ジ・ソウザ(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
キム・サンウォン(韓国)
ウンベルト・バンデナイ(ペルー)
<女子フライ級/5分3R>
タイラ・サントス(ブラジル)
ヤン・チーフイ(中国)
<ライト級/5分3R>
アンヘル・アルバレス(キューバ)
ブライス・ローガン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ブレット・バイ(米国)
テイラー・ミコルス(米国)
<ヘビー級/5分3R>
マクスウェル・ジャントゥ・ナナ(カメルーン)
カール・ウィリアムス(米国)




















