【A1 Combat34】川原波輝と対戦、プミー・ヌクータ「なぜMMAを? 強い相手と戦い、勝ちたいからだ」
【写真】セラ・ロンゴMMA時代のチームメイトに対し、「ファイターだけでなく、人として素晴らしい。彼女のメンタルの創り方を見て、トップレベルで戦うことがどういうことが教わった。ミズキのジャケリン・アモリン戦の勝利は、凄くモチベーションを高めてくれた」と話していたプミー(C)MMAPLANET
27日(金・現地時間)、カリフォルニア州ウイートランドのハードロックライブで開催されるUrijah Faber’s A1 Combat34。その大会で川原波輝とフライ級王座を賭けて戦うのが、プミー・ヌクータだ。
Text by Manabu Takashima
キャリア3戦目でCFFCフライ級王座を獲得、戦績は10勝0敗。2025年はLFAで元王者との戦いを含め2勝を挙げた。そんなヌクータがA1のタイトルを狙う。その意味を尋ねると、その戦う意味、戦いの美学というべき言葉が多く聞かれた。
ヌクータのキャリアの積み方、その精神構造は真の強さを追求するという根本から成り立っていた。
ナミキのレコードは綺麗じゃない。それはタフな相手と戦ってきたからだ。彼は間違いなく本当のファイターだ
――A1 Combatで川原選手とフライ級王座を賭けて戦います(※取材は22日に行われた)。今の気持ちを教えてください。
「ナミキはストロー級とフライ級でとても経験豊かなファイターで、ONEで大きな舞台も知っている。でも、しっかりと準備ができた。最後の練習までパワー、スピードと自分の強さを疑うことなく調整してきたよ」
――プミーはセラ&ロンゴMMA所属でしたが、今はベガス在住だそうですね。
「去年の4月にイーストコーストでの生活、そして練習環境にアジャストが必要かと思い、5月からベガスに住むようになった。ロンゴMMAというのは練習をするだけでなく、僕にとって家族のようなチームだった。正直、他とは違う。今でも恋しく思っている。だから、今もロンゴとはしょっちゅう電話で話しているんだ。マット・セラとも連絡を取ったばかりだ。あの環境は僕の人生のなかでも、本当に大切なモノだった。
ただイーストコーストは何でも物価は高く、練習をするのに片道1時間以上のドライブが必要というのは体への負担が大きい。ジムの近く……ロングアイランドに住むのは、それこそ家賃からして高額だから無理だった。
そこを考えると、人生に変化が必要だと考えたんだ。ベガスはニューヨークと比較すると家賃も安いし、生活費も安い。今は家からジムまで15分、時間が掛かっても30分を超えることはない。だから1日の練習量も増えている。充実した時間を過ごすことができ、練習を第一に考えることができているよ」
――だからこそ全米、全世界から選手が集まる環境がベガスにはあるということですね。
「その通りだ。今、僕がトレーニングしているチーム・ナカシェはできたばかりの新しいジムだけど、でもカリフォルニア、テキサス、そして僕のように東海岸からファイターが集まっている。
マテウス・ナカシェの指導も最高で、ケルヴィンとジョナサンのマルチネス兄弟、アレックス・ペレス達の素晴らしいサポートを受けているよ。自分の戦い方を思い切り変える必要は全くないけど、ちょっとしたこと……でも大切な修正が皆との練習でできている。これまでフライ級のトレーニング・パートナーがここまで充実していたことはない。
皆、スタイルが違っていることも良い練習ができる要因だよ。アレックスは素晴らしいレスリングと打撃の持ち主だ。ケルヴィンは近い距離が得意でカーフやヒジ、エルボーに長けている。長い距離で戦うグラップラーキックボクサーがいて、凄く良い練習ができている。そうだジョーイ……苗字は覚えていないけど、ブランドン・モレノのトレーニング・パートナーをしていたレスラーで、彼のことを忘れちゃいけない。MMAはアマチュアでしか戦っていないけど、本当に助けてもらっている。
フライ級はレベルの高い選手というのは、他にないスピードと桁違いの肉体的な強さを持っている。彼らの経験が僕を強くしてくれる」
――本当に充実したトレーニング環境だということが、伺えますね。
「それなのに――NYという街は外に出ると本当に恋しくなるものなんだよ。もちろん、セラ・ロンゴMMAのチームメイトに会いたくてしょうがないんだよ」
――極寒の冬も恋しいですか(笑)。
「ノー、それはないよ(笑)。物凄く厚着をして、外に出るなんてもう真っ平だ。それでも寒くて、震えが止まらないんだから。そこは絶対に恋しくない(笑)」
――ハハハハ。ところでプミーは昨年LFAで2連勝し、タイトルも見えていたと思います。#01フィーダーショーでタイトル挑戦が見える位置にいたにも関わらずA1で戦うことに正直、驚いています。
「LFAで試合が決まらず、A1から今回のファイトの機会が与えられたからだよ。それだけのことさ。どこで戦おうが、自分の力を見せる。そして、また違ったベルトを巻く。独占契約がなくて、フリーエージェントだからベスト・オファーがあったところで戦うだけだよ。
LFAのタイトルは凄く魅力的だ。あそこでの戦いも大好きだ。なんといってもタフな相手が揃っている。エイドリアン・ガルシアという猛者と戦い、元王者のコディ・デイヴィスにも勝てた。LFAで戦えて本当に良かった。ただ、今回はA1から先にオファーがあったということだよ」
――LFA王者はUFCから声が掛かるのを待って、防衛戦というリスクのある戦いは避けたがっている状況はあるかと思います。
「ハハハハ。それはLFAに限った話じゃない。それは今、どこのプロモーションにも言えることだ。リスクを避けて、タフな相手とは戦いたがらない。おかしな話だよ。なぜ、MMAを戦っている? 強い相手と戦い、彼らに勝ちたいからじゃないのか。
僕のLFAでの2試合目、コディ・デイヴィス戦前には『多くのファイターが、コディ・デイヴィスとの戦いは避ける。戦うべきじゃない』と言われた。ばかりか、試合後まで『ああいうタフな相手と戦うのは、キャリアアップを考えると間違っている』とまで言われたよ。
エイドリアン・ガルシアもフィニッシュされたことがない、とてもタフなグラップラーだった。長いリーチを持っていて、インサイドに入ることが難しくシーソーゲームになった。だからこそ、エイドリアンと戦ったんだ。そういう相手との戦いを避けていたら、強くはなれない。
5勝13敗や0勝5敗の相手と戦ってどうなる? それでレコードを伸ばしても、意味がない。ナミキのレコードは綺麗じゃない。でも、それはタフな相手と戦ってきたからだ。彼は間違いなく本当のファイターだ。
アルファメールで、ハードな練習をしているに違いない。僕はそういう相手との戦いをパスすることはできない。ナミキは一発もあるし、グラウンドもできる。僕にとってはチャレンジになる試合だよ。それが僕にとってUFCに辿り着くための道なんだ。タフな相手をぶっ飛ばして、UFC行きのチケットを手にする」
今週末はナミキをしっかりと倒して、僕が並みのローカルシーンのファイターでないことを改めて証明する
――プミーの10勝0敗というレコードは、タフな相手を避けて築かれたモノではないのですね。
「僕はプロ3戦目で、CFFCフライ級王者アルベルト・トルージオに挑戦した。彼は5勝1敗だけど、アライアンスMMAでドミニク・クルーズとエリック・デルフィエロの指導を受けていたファイターだ。えげつないKO勝ちもしていた。
チャンピオンになり初防衛戦の相手(ミゲール・ディアス)は自身の柔術スクールを持っていた。彼をパスし、クルスフィクスに捕らえパウンドアウトした。2度目の防衛戦ではATT所属のジェイソン・イーストマンはパントージャのトレーニング・パートナーを務めていた。彼に勝って僕は5勝0敗になり、次の相手は25戦以上のキャリアの持ち主、17勝10敗のクリーブランド・マクレーンだった。彼はジョシュア・ヴァンに敗れ、再起戦の相手に僕を選んだんだ。
分かるだろう? 僕のレコードはタフな相手しかいない。ハンター・スターナーは3戦しか戦っていなかったけど、凄く大きなレスラーで対戦相手を物色中だった。僕は彼とバンタム級、しかもプレリミで戦った」
――フライ級チャンピオンなのに?
「より厳しい状況に自分を置くためのファイトだ。実際、10日前のショートノーティス・オファーだったし。キャリアの序盤でしっかりと強い相手、ハードな状況を経験しておくべきだと僕は考えている。皆がすぐにでもUFCで戦うために、そういう試合を避けている。だから、僕は他のファイターよりもUFCに行くのに時間が掛かっているかもしれない。でも、このプロセスが必要なんだ。タフな試合をするから、自分を日々追い込むことができる。
そうやっているからこそ、仮にコディ・ダーデンを相手に急なオファーがあっても戦えるし、今でもジョシュア・ヴァンを十分にやり合えると思っている。拳が折れていても、腕一本で戦ったこともある。だから今週末はナミキをしっかりと倒して、僕が並みのローカルシーンのファイターでないことを改めて証明する。
10勝0敗の僕と戦うことを望むナミキだからこそ、僕は彼のことを尊敬している。あのリーチから繰り出されるカラテ・ベースの打撃は絶対的に注意が必要だ。でも、そこも頭に入れて調整してきた。ナカシェはノヴァウニオン出身で、ジョゼ・アルドのようなストライキング、それ以外のストライキング・ゲームを熟知している。
ナカシェでのトレーニングの成果を出すためにも、ナミキが骨のある相手であってほしい。そんな彼をファンが喜ぶエキサイティングな試合をしたうえで倒して、僕が上のステージでやれることを皆に見せつける。
UFCとサインするには、皆が口を揃えてフィニッシュが必要だと言っている。だからいって、ガムシャラに倒しにはいかない。ナミキに対して、僕のアドバンテージは何か……。あまり試合前にそこを話したくないけど、僕としては自分のスタミナを生かして3Rに倒そうと思う。それだけの準備をしてきたから」
――しっかりとタフな相手と戦い。急ぐことなく、キャリアを積んできたプミー。それだけUFCで戦うことへの想いが伝わってきます。
「僕が目指すのはワールドベストだ。他でベルトを巻いた時、誰もが僕が世界一だと認めてくれるだろうか。そうはならない。別の人間が、そういうベルトを巻いているからだ。僕がUFCで戦いたい理由は、その一点だけで。UFCのベルトが、ベストファイターの称号だから僕はあの場を目指しているんだよ」
■視聴方法(予定)
3月28日(土・日本時間)
午前11時~UFC Fight Pass
■ A1 Combat34主な対戦カード
<A1Cミドル級選手権試合/5分3R>
ミック・マキシモフ(米国)
バディ・ウォレス(米国)
<A1Cフライ級王座決定戦/5分3R>
プミー・ヌクータ(米国)
川原波輝(日本)
<A1Cヘビー級王座決定戦/5分3R>
AJ・ペレス(米国)
ジュロール・シモンス(米国)
<A1Cバンタム級王座決定戦/5分3R>
キャメロン・サンドヴァル(米国)
ジェレミー・エスコルタ(米国)
<フェザー級/5分3R>
ブルーノ・ソウザ(米国)
ジェレミー・エスコルタ(米国)



















