【A1 Combat34】無敗ヌクータと王座決定戦、川原波輝「ストロー級がないなら、フライ級でやるしかない」
【写真】体づくりの成果は、リモート画面越しでも感じられる(C)SHOJIRO KAMEIKE
27日(金・現地時間)、米国カリフォルニア州ウィートランドのハードロック・ライブでA1 Combat34が開催される。コメインでは同ストロー級王者の川原波輝が、プミー・ヌクータと空位のフライ級王座を争う。
Text by Shojiro Kameike
米国カリフォルニア州サクラメントのチーム・アルファメールを拠点とし、2024年にはA1のストロー級王座を獲得していた川原。その後、同ベルトの防衛戦を行う話もあったが、昨年10月の復帰戦はフライ級戦に。エリアス・ガルシアを相手に打撃&バックテイクで優位に試合を進めたかに見えたが、結果は判定負け――。その川原にとって5カ月ぶりの再起戦も、フライ級の試合となった。米国でストロー級確立を目指してきた川原が、そのの決断と手応えを語る。
ユライアやチームメイトが『お前の勝ちだ』と認めてくれたことが、僕にとっては一番大事
――昨年11月22日、石原夜叉坊選手の試合のために帰国していました。夜叉坊選手の試合が終わってすぐ米国に戻ったのですか。
「はい、すぐ帰りましたね」
――あの時に会場で聞いた話では、次はA1ストロー級王座の防衛戦があるということでしたが……。
「そうなんですよ。1月に試合をする予定で、すぐ米国に戻ったんです。それが――今、UFCファイトパスがいろいろ変わってきているじゃないですか」
――パラマウントがUFCの独占放映権を獲得する一方、LFAが契約満了でファイトパスから離れるなど、いろいろ変わってきていますね。
「それもファイトパスが、中継する大会のマッチメイクに対して口出しするようになったから、とも聞いているんですよね。A1コンバットとも『ストロー級なんて……』という話になったみたいで。だったら僕もフライ級で試合をしよう、ということになりました」
――えっ……。
「僕としても『どうしていこうかな』と思いました。でもそれやったらUFCフライ級を目指すしかないんかな、と。ストロー級にも強いヤツはおるんですけどね。ONEのジャレッド・ブルックスって今年に入って試合をしていないじゃないですか。他にも強いヤツが3人ぐらいいてるし、前の試合で戦った相手(ガルシア)も本来はストロー級やけど、ストロー級がないからフライ級で戦っているらしくて。
自分としてもアジアでストロー級を盛り上げてからUFCなんかな、とか手を考えていかない。いずれにしても、UFCストロー級を目指すうえで――ではありますけどね。まぁUFCにストロー級がないから少ない、という部分も大きいでしょうし」
――卵が先か、鶏が先かという話ではありますね。UFCがストロー級を設立したら選手が増えるのか、ストロー級の選手が増えたらUFCがつくるのか……。
「そう、そうなんです。今はONEがストロー級で世界一とも言われているけど、実質的に階級としては微妙なところで。何よりまず機能していない。機能していないがゆえに、世界にストロー級の良さが伝わっていない」
――ストロー級の良さ、ですか。前回のガルシア戦はフライ級戦ではありましたが、決して他の階級に負けない面白さを見せた試合内容だったと思います。川原選手も攻めて、優位に立った。しかし結果は判定負けで。
「……結果については、倒し切れなかった自分の責任ですよ。誰の何がどう、っていうわけではなくて。今までも同じように勝ったり負けたりがありました。ただ、次に繋がる負けやったんかなとは思いますね。実際、今回のタイトルマッチを組んでもらえたので」
――はい。
「今回のフライ級タイトルマッチが組まれたのも――まず前回負けた相手とリマッチっていう話もあったんです。でも相手が受けない。次に、同じ日にフライ級王座決定戦で負けたメイソン・ハートショーンと……という話になったけど、僕とは対戦したくない。で新しくベルトを巻いたロイス・バトラーは他の団体(※Fury FC)に行ってしまった。結果、僕と今回の相手で空位の王座決定戦という形で決まったんですよ。
タイトルマッチに辿り着いたということは、何か評価してもらえたんかなと思っています。それが日本ではなく米国で評価されたということが嬉しいですよね」
――ガルシア戦については周囲の関係やチームメイトからも評価する声をもらっていたのでしょうか。
「ユライアやチームメイトが『お前の勝ちだ』と認めてくれたことが、僕にとっては一番大事で。僕の中では、やっぱり試合の勝ち負けを考えるなら倒し切らないといけないと思っています。そういう試合の中でジャッジが採点するわけで、ジャッジも悪気があって僕の負けにしたんじゃないでしょうし。本当にギリギリの勝負の中で、僕がギリ負けた。でもユライアが僕の勝ちだと言ってくれて、『じゃあ次もう一回頑張ろう』と思うことができた。僕にとってユライアやチームメイトの声は、それだけすごく大事なものなんですよ」
――きっとユライアも練習はもちろん、試合を視る目も厳しいと思います。そのユライアが認めてくれたのは嬉しいでしょう。
「彼の評価が一番手っ取り早く分かるものですからね。アカン時はアカンって言うし。前回の試合後は『自分も同じ経験をしたことがある。でも、絶対にそこからチャンスが来るから』と話をしてくれて」
僕は噛ませですよ。噛ませやけど、ワンチャンあるという見方はされている
――なるほど。それほどの内容であっただけに、川原選手としてはフライ級でも戦えるという手応えを得たのでしょうか。
「そうですね。でも世界チャンピオンと戦うとなったら、まだ時間は掛かります。目指しているのは世界一。だけど今UFCへ行って世界のトップたちと勝負できるのかといったら、まだそこまでの準備はできていない……身体をつくり直すのは、あと1年ぐらい掛かると思っています。
僕も37歳になるし、時間はあるのかなって不安にはなります。自分のベスト階級があるのであれば、そこに向けてこの年齢でも取りにいけると思っている。でもそれがフライ級になると、どうなんやろう? ただ、ストロー級がないなら、フライ級でやるしかない。だからフライ級で戦うための身体はつくってきました」
――確かにリモート画面越しでも、首や胸板など以前より大きくなっていることは分かります。
「この半年、いや1年ぐらいストレングス・トレーニングにフォーカスしてきました。成果もしっかり感じています。
今まで『自分はストロー級』という考えでフライ級の選手と練習してきて、『フィジカルで負けても仕方ないな』という気持ちはありました。でもUFCフライ級の選手と練習するということは、彼らを倒さないとUFCには行けない。ストロー級の時は『負けてもええか』ぐらいの感覚やったけど、今はそこで張り合うようになっていて。まだ強いヤツには届いていないけど、確実に近づいているとは思っています」
――ガルシア戦では、技術的な部分でも手応えはありましたか。
「ストライキングと柔術ですね。チームメイトにポポ・ジョセフ・モラレス(TUF33ウィナー)がいて、毎日ひたすらポポと柔術をやっているんですよ。おかげで柔術のレベルが上がっているところが一番大きな自信になっています」
――柔術の技術が上がっていて、あとは体がついてくれば……。
「はい。フライ級だとまず減量がないぐらいで。試合まであとわずかですけど、好きなものを食べまくっていて、一切減量していないです。だからコンディションは良いけど、その分相手も重いですからね」
――米国であれば相手はフライ級リミットまで十何キロも落としてくる。次に対戦するプミー・ヌクータは無敗で、通常体重も遥かに上に見えるゴリゴリのファイターです。
「A1が今、そういうレベルの高い選手、レベルの高いチャンピオンを欲しがっていて。だから僕は噛ませですよ。噛ませやけど、ワンチャンあるという見方はされていると思います。
強い相手ですよ。無敗の戦い方をする。一番安全で、自分の強みを生かす。グラウンドゲームで、あまりリスクを背負わないから、大きなミスは起こりにくい。レスリングと柔術に強みがあるから、その戦い方ができるんですけどね」
――無敗のファイターですが、フィニッシュは少ない。それだけ大きなシーンもつくってはこないかもしれません。
「だからエキサイティングな、暴れるタイプとぶつけたんじゃないですか。面白いマッチメイクを、という考え方で」
――一方、ヌクータも動き続けるし、特に左ボディを効かせることが多い。しかし左ボディを効かせても、そこから先に行くかどうか。川原選手としては、そのヌクータのスタイルと如何に突破しようと考えていますか。
「その左ボディに何か合わせたいと思いますけどね。相手が欲張って効かせようとしてきたら、そこがチャンスなんでしょう。そういうところを見逃さず、自分がカウンターを取れる場面は見逃さず、丁寧に合わせていきたいですね。
僕としては言葉に表せないぐらい、ありがたい相手を用意してもらいました。相手は無敗ですけど、僕みたいなタイプとは戦ったことないでしょうし、凄く楽しみです」
■視聴方法(予定)
3月28日(土・日本時間)
午前11時~ UFC FightPass


















