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【PFL2026#03】菊入正行戦へ、エルネスト・ロドリゲス「レスリングでキューバのナショナルチームに」

【写真】PFLデビュー戦で菊入と対戦するロドリゲス。キューバから米国に移住し、MMAを始めた。その気持ちは強い(C)MMAPLANET

28日(土・現地時間)ペンシルベニア州ピッツバーグのUMPCイベンツセンターで開催されるPFL2026#03「Pittsburgh」で、同プロモーション初陣を迎えるエルネスト・ロドリゲスが、菊入正行と対戦する。
Text by Manabu Takashima

プロMMAキャリア10勝1敗のロドリゲス。28歳の彼は18歳の時に生まれ故郷キューバを離れ、米国に移住した。そして、キューバ代表チーム・レスラーという肩書きも国に残し米国で新しい人生を歩んできた。

しかし、エリートレスラーの業は彼が労働者として生きることに、目を瞑り続けることを許さなかった。カレッジに進むことができず、レスラーとしてのキャリアを進むことはできないが、その養ったスキルを十分に生かすことができるMMAファイターとして生きることを決めた。

それから8年、PFLというビッグステージで戦うチャンスを得たロドリゲスからはポジティブなパワーがインタビュー中、途切れることなく伝わってきた。


ベガスで生活するようになってから、いくつかの仕事をしていた。ある時、フリーウェイで車を走らせていて――

――今週末、PFLデビュー戦で日本の菊入正行選手と戦います。

「PFLデビュー戦で凄く良い相手と戦うことができる。彼はストライカーだし、ファンが喜ぶ試合ができるだろう」

――エルネストはキューバの国旗を持って入場していますが、米国生まれのキューバ人? それともキューバ生まれなのでしょうか。

「僕はキューバで生まれ育ち、18歳の時に米国に家族と移住したんだ」

――ではMMAとの出会いというのは?

「米国にやってきてからだよ。キューバに住んでいた時も、MMAの存在は知っていた。でも今と違い、キューバにはMMAが練習できるところがなかった。同時にあの頃の僕はレスリングに夢中になっていたからね。6歳から18歳までレスリングを続け、16歳からはナショナルチームの一員となってトレーニングをしていた」

――米国ではレスリングを続けなかったのでしょうか。

「ノー、続けたくても続け方が分からなかった。米国でレスリングをするには大学に入らないといけない。でも、今と違い当時の僕は言葉も話せず、大学に進学する道を模索することすらできずに仕事を見つける必要があった。そのために家族と、キューバを離れたのだから」

――ベガスに移住したのですか。キューバ社会があるフロリダでなく?

「そうだよ。叔父がラスベガスに住んでいたから。ただ、今は僕以外の家族はキューバ・コミュニティがあるマイアミで生活をしている。僕はもうMMAを始めていたから、ベガスに残ることにしたんだ。やはり寂しい想いをしたけど、特に厳しい環境に自分があったとは思っていない。タフだったのは最初の頃だけで、やっぱり何かとお金が掛かったから。でも、仕事に就いてからは特に問題なかったよ。

特にMMAは僕がそれまで人生を賭けて続けていたレスリングを使うことができたしね」

――移住後、すぐにMMAを始めたのですか。

「3年後かな。ベガスで生活するようになってから清掃、セキュリティとかいくつかの仕事をしていた。ある時、フリーウェイで車を走らせていて、『俺は何をしているんだ。この2年、誰かの下でその人間のために働いてきただけじゃないか。なぜ、レスリングの練習を辞めてしまったんだ』って、急に自分に問いかけた。そしてMMAを始め、アマで4連勝をしてからプロになった。当時はエクストリーム・クートゥアーで練習をしていたけど、今はワンキックス・キックボクシングに所属している」

技、テクニック、気持ち、ケージを使う知識、自分の持ちうる全てをぶつける

――プロになってからは主にタフイナフで戦い10勝1敗、タフイナフではチャンピオンになりました。当然、目指すところはUFCだったかと思うのですが、PFLと契約したのは?

「僕は2年間、UFC PIで練習してUFC傘下にあった。最高の練習環境だったよ。でもPFLは、より僕のファミリーが豊かに暮らせるオファーをくれた。それに新しくなったPFLが、これからやろうとしていることを聞いて、その一員になりたいと思ったんだ。PFLは米国だけでなく、世界中でブランド化しようとしている。僕にとって、それが世界で戦うということ。僕のイメージと一致したんだ」

――ではそのPFL初陣でランク7位の選手と戦うことになりました。

「待ち望んでいたことだよ。当然、簡単な試合にはならない。でもハードな試合をして、力をつけたい。それに7位の相手に勝てば、確実に僕のランクを上げることができるからね。それが将来のタイトル挑戦に近づく。いきなり7位の選手と戦えるなんて、凄く恵まれている。マッチメイカーは良い仕事をしてくれたね(笑)」

――レスリングベースのエルネストですが、タフイナフでウェルター級のベルトを巻いた試合では接近戦のボディ打ちなど、パンチの連打でTKO勝ちを収めました。一方で菊入選手はローガン・ストーリー戦の敗北を機に、新ためてテイクダウンディフェンスの重要性に気づいて重点的に練習をしてきた模様です。

「彼がストーリー戦で、そのように学んだことは想像に難くないよ。ストーリーはグッドレスラーだからね。でも、僕は少しだけストーリーより良いレスラーだ。そして、グラップリングゲームもできる。打撃も今のジムに来てから、5年に渡りしっかりとニック(ブロムグレン)の下で学んできた。

だから十分にスタンドでも戦えるレベルにある。キクイリとも当然のように、どの局面でも戦える。キクイリはまた僕のようなレスラーと戦い、彼が如何に成長したのかを確かめることができる。同時に僕はキクイリのような優れたストライカーと戦い、自分の打撃の成長を確認できる。そういう意味でも、この試合は僕ら二人にとって凄く良いマッチアップだと思うよ。

技、テクニック、気持ち、ケージを使う知識、自分の持ちうる全てをぶつける。ファンの期待に応えるエンターテイメント・ファイトになるだろう」

――PFLのウェルター級はロシア人、ダゲスタン人ファイターが支配しています。今後タイトル絡んでいくことを踏まえて、この状況をどのように思っていますか。

「PFLはどこの階級もタフだけど、特にウェルター級はタフでトップ中のトップが集まっている。将来的にもロシア人ファイターと戦うことは、凄く楽しみだ。というのもロシアのレスリングとキューバのレスリングは、スタイルが似通っているんだよ。いうとキューバという国は、ロシア……ソビエト連邦の影響を強く受けてきたわけだから。

実際、国籍や何人っていうのは気にしていなくて、僕の前に立ちふさがる相手は誰だろうが倒すだけで。でも、ロシア人とのファイトは絶対的に他より厳しいモノになる。そういう意味で、ベスト中のベストを目指す僕にとっては楽しみでならない試合になるだろうね」

――エルネスト、ファイトウィークに入ってからのインタビューありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いできますか。

「もちろんだ。日本のMMAファンの皆、誇りをもってキクイリに声援を送って欲しい。彼は素晴らしいファイターだから。でも、PFLデビュー戦という大切な試合で、僕は自分の存在感を示すつもりだ。とにかく皆に喜んでもらえる試合をして、勝ちたいと思う。レッツゴー」

■視聴方法(予定)
3月29日(日・日本時間)
午前7時45分~U-NEXT

■PFL2026#03対戦カード

<ミドル級/5分3R>
ジョニー・エブレン(米国)
ブライアン・バトル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ダルトン・ロスタ(米国)
インパ・カサンガネイ(米国)

<女子フライ級/5分3R>
アリアネ・リプスキ・ダ・シウバ(ブラジル)
スミコ・イナバ(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレクセイ・パーガンデ(米国)
ジュリオ・アルセ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ラザロ・ダイロン(米国)
ジェイコブ・スロール(米国)

<バンタム級/5分3R>
アラン・ベゴッソ(ブラジル)
ジャック・カートライト(英国)

<ライト級/5分3R>
ナタン・シュルチ(ブラジル)
ヤクブ・ギャズバ(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
ロバート・ワトリー(米国)
ダコタ・ブッシュ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
エルネスト・ロドリゲス(キューバ)
菊入正行(日本)

<女子フライ級/5分3R>
タチアナ・ポスタルナコワ(ロシア)
エローラ・ダナ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ジョシュ・フレムド(米国)
ジャラ・フセイン・アルシラウィ(ヨルダン)

<フェザー級/5分3R>
イーサン・ゴス(米国)
フレドリック・ジュプハ(カナダ)

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