【Shooto2026#02】青野ひかるとベルトを賭けた再戦へ、中村未来「5R戦は狂ったぐらい練習しないと」
【写真】持ち前の気の強さに加え、落ち着きもプラスされた中村(C)SHOJIRO KAMEIKE
29日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2026#02で、中村未来が青野ひかると空位の世界女子アトム級王座を争う。
Text by Shojiro Kameike
中村にとっては、これが2度目のベルト挑戦となる。前回は2023年12月、当時の同級王者であった澤田千優に敗れている。中村はその澤田戦からブランクをつくったあと、1年9カ月振りの試合となった昨年9月の青野ひかる戦で勝利。試合直後、ベルト再挑戦をアピールしていた。
この期間に、修斗世界女子アトム級は大きく動いていた。澤田がONEを主戦場とするためにベルトを返上。空位となった王座は2024年8月、古賀愛蘭とジェニー・ファンの間で争われ、古賀がその腰にベルトを巻く。しかし今回、古賀の返上を受けた王座決定戦が、中村と青野のリマッチとなっている。
中村にとっては復帰1戦目からのダイレクトリマッチとなるが、ブランク期間さらには善戦からの取り組みを訊いた。
ここ数年は組みと寝技を中心に強化してきたので、それが試合に出るようになった
――青野戦の直後にベルト再挑戦をアピールし、復帰2戦目でタイトルマッチが決定しました。今の気持ちを教えてください。
「復帰してからこんなに早くタイトルマッチができるとは思っていなかったです。でも青野選手という強い相手に勝ったからこそ、挑戦させてもらえればベルトを獲ることができるんじゃないかという自信はありました」
――昨年9月の青野戦が、1年9カ月振りのMMAでした。それだけのブランクが生まれた理由は何だったのでしょうか。
「前回のタイトルマッチの後——2024年の4月ぐらいに、練習中にヒザを怪我してしまったんです」
――ヒザの怪我とは?
「前十字靭帯の断裂でした」
――えっ!? するとまず身体を動かせるようになるまでが長く……。
「長かったです。1年近くリハビリしながら、徐々に体を動かしながら練習に復帰していって。お医者さんからは、しっかりとリハビリすれば競技復帰は可能だと言われていました。でも動けるようになった時、元通り動けるようになるかどうか不安はありました」
――体を動かしていない間に、筋力は落ちる。動きの感覚も鈍ってくる。これが同じ状態に戻るのかという不安は、どうしてもついて回ると思います。
「10カ月ぐらいはスパーに参加せず、ひたすらリハビリと筋トレをしていました。でも手術後は当然、足のトレーニングは全くできていなくて。上半身はトレーニングしていましたけど、足の筋肉は極端に落ちていました。そこから少しずつ動かせる範囲で、ヒザ周りの筋肉を強化していく――元通り動けるまで戻していくには、結構時間が掛かりましたね」
――スパーリングに参加できるようになったのは、いつ頃ですか。
「スパーに混ざって動けるようになったのは2025年に入ってからです。ただ、怪我をした時と同じシチュエーションになると、最初は怖かったですね。踏ん張ったり耐えたりする時も、どうしても無意識にセーブをかけちゃうような」
――復帰戦までにその不安を解消することはできたのでしょうか。
「はい。練習に復帰して数カ月経った頃、私と同じくらいの体格の選手が試合をするということで、その選手の追い込みに混ざっていたんですよ。最初は不安もありましたけど、それまでビビッてやっていなかったことを、半ば無理やりやってみました。すると追い込みに参加している間に『あぁ、意外と大丈夫だ。元通り動ける』と感じるようになって」
――なるほど。ただ、それでも練習は練習で実戦は実戦です。1年9カ月ぶりの試合の相手が青野ひかる選手というのは、厳しいマッチメイクです。
「いえ。変に『絶対勝てるような相手』を当てられるよりは、自分のやる気も上がりました。プロモーター側も期待して、そういう相手を当ててくれたんだなと思いますし」
――その青野戦は過去の試合と比べても、力強さと安定感が増した内容だったかと思います。
「ありがとうございますっ!」
――中村選手といえば、以前は打撃主体といいますか……負けん気の強さが試合スタイルにも表れていました。それが組みの展開になっても落ち着いている。ブランクの間に、どのような変化があったのか。
「ここ数年は組みと寝技を中心に強化してきたので、それが試合に出るようになったと自分でも思います」
前戦も1Rは取られていたので、次はその部分を埋めて再戦で圧倒的に勝ちたいです
――組みと寝技を中心に強化してきた、とは?
「まず柔術については、オーバーリミットというジムに入会しました。以前は夜に練習するなかで毎日、後半の1時間はミットとか打撃を練習していたんです。今はその時間を寝技やスタンドの組み、MMAの練習に充てることは多くなりましたね」
――オーバーリミットではギの練習をしているのですか。
「ギですね。一昨年オーバーリミットに入会して、ヒザを怪我したあとは柔術から復帰し始めました」
――ギの練習をして、どのような点が一番変わったでしょうか。
「考えて寝技の練習をするようになった、というか(苦笑)。
それまでは寝技になるとディフェンスのことばかり考えていました。組まれるとテイクダウンディフェンスを頑張る。寝技になるとディフェンスして立ち上がる、ことがほとんどで。柔術の練習を始めてからは自分から仕掛ける、自分から攻めていくことを覚えた気がします。テイクダウンディフェンスについても数年前まで、ただ切る、立つ、離れるという意識でした。でも今は立ったあとの際まで意識して練習しています」
――青野選手はレスリングの実績があり、柔術の経験もある。その相手にテイクダウンやバックを取られても、落ち着いているように見えました。それは寝技からの逃げ方ではなく、返し方が身についてきたからなのかもしれません。
「確かに試合中は、そんなに焦っていなかったかもしれないですね。青野選手との試合前は――今までよりも不安が大きかったです。でも勝って楽しかったですし、戻ってくることができて良かったという気持ちでいっぱいでした」
――そして復帰2戦目がタイトルマッチで、青野選手とのタイトルマッチとなりました。この展開は意外ではなかったですか。
「いえ、強い選手ですからね。前戦も1Rは取られていたので、次はその部分を埋めて再戦で圧倒的に勝ちたいです」
――初戦と再戦の間に、青野選手は1試合戦っています(1月、深井志保に勝利)。昨年9月の試合から何か変化は感じますか。
「スタイルが一貫している選手なので、そんなに大きな差は感じなかったです。ただ、変わらずテイクダウンが速いし、極めも強い。私はこの試合に向けて、5R用にしっかりつくってきたので、そこで差をつけていきたいですね」
――前回のタイトルマッチ、澤田戦は1R決着だったためにフルラウンド戦ったらどうなるかは分かりません。5R戦となると、練習内容も大きく変わってくるでしょうか。
「全く違いますね。今までも自分の中では『練習してきている』とは思っていました。でも5Rとなれば『練習してきた』というレベルではなく、それこそ狂ったぐらい練習しないといけない。前回タイトルマッチをやらせてもらった時よりも、フィジカルなどメニューを濃くしてきました。当時よりも充実した練習ができてきたと思います」
――2度目のタイトルマッチに向け、意気込みをお願いします。
「ずっと修斗のベルトを巻くことが目標でしたし、今はその気持ちがどんどん強くなっています。ずっとずっと追いかけてきたベルトです。相手に渡さず、自分が手に入れます!」
■対戦カード
<修斗世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] キャプテン☆アフリカ(日本)
[挑戦者] エフェヴィガ雄志(日本)
<修斗世界女子アトム級王座決定戦/5分5R>
中村未来(日本)
青野ひかる(日本)
<世界ミドル級王座決定T準決勝/5分3R>
岩﨑大河(日本)
HENRY(米国)
<世界ミドル級王座決定T準決勝/5分3R>
荒井勇ニ(日本)
沙門(日本)
<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
中村優作(日本)
<フライ級/5分3R>
高岡宏気(日本)
杉本静弥(日本)
<バンタム級/5分3R>
杉野光星(日本)
中野剛貴(日本)
<フライ級/5分3R>
中池武寛(日本)
ザヒド・アフメドフ(インドネシア)
<フライ級/5分3R>
岡田嵐士(日本)
柴山海音(日本)
<女子スーパーアトム級インフィニティリーグ/5分2R>
高本千代(日本)
村上彩(日本)


















