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【Shooto2026#02】元王者の関口祐冬と激突、中村優作「今年40歳になる自分が、今もその次元にいる」

【写真】日本拳法洪游会本部道場にて(C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2026#02で、中村優作関口祐冬と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

29日にサステイン、30日にTBJプロモーション(Lemino修斗)が2日連続で後楽園ホールにてプロ修斗興行を開催する。その29日=サステイン興行に出場するのが、昨年11月に6年9カ月振りの修斗公式戦で、打威致を判定で破った中村優作だ。それは中村にとって、2024年3月のRIZIN以来となるMMAでもあった。

地元の大阪で行われた打威致戦をクリアした中村は試合後、元修斗世界ストロー級王者であり、現フライ級1位の新井丈との対戦をアピール。その後、新井はRIZIN出場(RIZIN52)が決定するなか、中村の次なる対戦相手は元フライ級王者の関口に決まった。今年で40歳を迎える中村だが、この関口戦で勝利すれば修斗のベルト挑戦も見えてくる。そんな中村に打威致戦の手応えと、関口戦について語ってもらった。


前回は「負けたら終わりや」と思っていました。しかも試合の10日前に――

――昨年のことではありますが、まずは復帰戦で勝利を収めました。その感想から教えてください。

「そうですね……、……自分にとっては、あの試合で負けたら終わりやと思っていました。修斗に出る。こんなん言うたらアレですけど、修斗でバーッと伸びてきている若手を当ててきたわけじゃないですか。ということは、相手が僕に勝つ可能性があるとも考えている。実際、日本拳法出身の渡辺健太郎さんを一撃で倒している選手ですしね」

――はい。

「この若手に負けたら、僕の名前も一気に落ちる。もう僕が出られる団体はなくなるかもしれない。そう考えると不安しかなくて。しかも試合の10日前に、右の拳を怪我してしまったんですよ」

――えぇっ!?

「もう右のパンチは打たれへん状態やったんです。ミットを打つだけでも痛くて。そんな状態やけど今さら試合を止めるわけにはいかない。試合は左の拳と蹴り、あとは組み技で戦うしかないという状況でした」

――……。

「それでも自分の中では決めていたんですよ。『ここで負けたら終わりや』と。だけど、まだまだ右が使えなくても――たまに使ってはいましたけど(苦笑)——まだまだ勝てるんだな、と自分の中でもホッとしましたね」

――右拳の負傷については知りませんでしたが、試合を視る限りは終始余裕を持って戦うことができている、と感じていました。

「いやいや、そんなことはないですよ。ただスピードの部分は……正直、スピードって映像を視ただけでは分からないじゃないですか。あくまでスピード感が見えるぐらいで。でも実際に相手と対峙した時、向こうもスピードは速いけど自分とはレベルが違うとは思いました。そんななかでも相手はトリッキーな動きもしてくるし、油断はできなかったです。正直、2R目に倒せる場面があったんですよね」

――2R途中、中村選手の連打を受けた打威致選手がフラつきました。

「痛めていた右が当たって(苦笑)。その時に『効いた。目が泳いでいる。今がチャンスや』と思いましたけど、それは右を打つことができる場合の話で。自分は一度引いて、立て直しました。そこで僕が行かなかったことについては試合後、のりピー(田中路教)に怒られました」

――田中選手は、中村選手が右拳を痛めていたことを知っていたのですか。

「一応知ってはいましたけど、『あそこで終わらせるべきところだったよね』と言われたんです。自分もあの場面で、いろいろ考えました。のりピーが言うことも分かる。1R、2Rと戦って、よほどのことがないかぎり3Rに致命打をもらうことはないだろうとも思っていました。でも右が使えない状態でKOするのは、ちょっと難しくて」

――その場合でも、右で倒すか。あるいは的確にヒットし続けていた左で倒すことはできなかったのでしょうか。

「もし自分が攻めていって、右拳を壊したあとに右を壊したあとに相手が復活してしまった場合——自分は右手が使えないから、打撃だけじゃなくグラップリングさえもできなくなってしまう。そういう考えが頭の中を巡っていましたね。

それと思った以上に相手が打たれ強くて、よく頑張ったなという感覚なんですよね。左で倒せそうな感じはあったけど、メチャクチャ食らいついてきました。相手はすごく根性がありましたよ。僕は左ジャブをストレートみたいな感覚で打つんです。ここで一緒に練習しているメンバーが『あの左を受けて立っているのは、すごい根性やな』と言うような終わり方になってしまいました(苦笑)」

――試合後には田中選手にエールを贈っていました。

「あれは試合前から決めていました。それが一番、っていうぐらいで。かといって自分も負けたら何も言われへんじゃないですか。彼にエールを贈るためにも、絶対に勝たなアカン。のりピーが早く復帰できるように願っています。試合後、彼の中で『まだやりたい』という気持ちになっていてくれたら嬉しいですね」

試合が始まって、一瞬で終わる可能性もあります。相手も殺傷能力があるし、切り合いでもあるし削り合いでもある

――打威致戦は1年半ぶりの試合でありながら、冷静でいられたのですね。

「そうですね。僕は覚悟を決めていたので。負けたら終わり。ここで格闘技人生を終えたくない、と」

――MMAを続けるために修斗を選び、そしてMMAを続けるためにあの試合プランを貫いたわけで。

「はい。11月の試合の話をしている時、今後も――というお話は頂いていました。もちろん11月に負けたら、そんな話でもなくなる。ただ正式に決定していたわけじゃないけど、僕にとってはありがたい話です。自分が出場することで、少しでも修斗が注目してもらえればと思い、試合後にマイクで『新井丈、どう?』と言ったんですよね」

――次に繋がるために。

「そのあと新井選手はRIZIN出場が決まったんでしょうね(3月、RIZIN52に出場)。今年に入って1月末ぐらいに、関口選手の名前が挙がったんです。自分としては『メチャクチャ良い相手を用意してくれた』と思いました。元チャンピオンで、何より強い相手。僕からすれば『ありがとうございます』という感じです」

――現在、修斗フライ級は王者が亮我選手で、1位が新井選手。2位の高岡宏気選手は同じ大会で6位の杉本静弥選手とのランキング戦が決まっています。続く3位の関口選手が中村選手と対戦する。高岡×杉本、関口×中村の勝者が次の試合で挑戦権を賭けて激突することも考えられるでしょう。

「僕としては、この試合に勝ったらベルトに絡ませてほしいと伝えています。もちろん他のランカーもいるので、どうなるか分からないですけど……。でも今回良い勝ち方をしたら、と。そういう話にならなければ、僕もいろいろと考えざるをえなくて。年齢的にも、もうそんなに時間はないですし」

――そういえば篠塚辰樹選手が平本蓮選手との対談企画で、中村選手の名前を挙げていました。

「あぁ、僕も後輩から聞きました。もちろん正式なオファーはないですけど」

――現在の格闘技界であれば、中村選手がSNSで噛みつけば試合が決まるかもしれません。

「それはしないです。僕がSNSで返しちゃうと――正直そういうのは好きじゃないし、何よりも関口選手に失礼じゃないですか。あの2人も、撮影した時点で僕が関口選手と対戦すると知っていたかどうかも分からないですしね。とにかく僕は、ホンマに関口選手と戦うことが楽しみで」

――とにかく関口戦を楽しみにしていることは、語気から伝わってきます。

「メチャクチャ楽しみにしていますよ。試合が始まって、一瞬で終わる可能性もありますから。相手も殺傷能力があるし、切り合いでもあるし削り合いでもある。今年40歳になる自分が、今もその次元にいることができるというのがムチャクチャ面白くて、楽しみなんです」

――どこから何をやってくるか分からないのに、一瞬で終わらせる一撃を秘めている関口選手です。中村選手としては、どのような対策を行ってきましたか。

「僕は今までどおり、やってきたことしかできない。それを出し切るだけだと思っています。もちろん対策はやっていますよ。あとはどちらのパンチが当たるのか、どちらの蹴りが当たるのか。自分としては試合当日、最高のパフォーマンスを出すだけですね」

■対戦カード
<修斗世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] キャプテン☆アフリカ(日本)
[挑戦者] エフェヴィガ雄志(日本)

<修斗世界女子アトム級王座決定戦/5分5R>
中村未来(日本)
青野ひかる(日本)

<世界ミドル級王座決定T準決勝/5分3R>
岩﨑大河(日本)
HENRY(米国)

<世界ミドル級王座決定T準決勝/5分3R>
荒井勇ニ(日本)
沙門(日本)

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
中村優作(日本)

<フライ級/5分3R>
高岡宏気(日本)
杉本静弥(日本)

<バンタム級/5分3R>
杉野光星(日本)
中野剛貴(日本)

<フライ級/5分3R>
中池武寛(日本)
ザヒド・アフメドフ(インドネシア)

<フライ級/5分3R>
岡田嵐士(日本)
柴山海音(日本)

<女子スーパーアトム級インフィニティリーグ/5分2R>
高本千代(日本)
村上彩(日本)

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