【Pancrase356】計量失敗からの再来日、遠藤来生戦へ。オタベク・ラジャポフ「いつでもカリベクと戦う」

2025.09.21

【写真】いうと22歳の若者。明るい未来を信じている強さが感じられた(C)MMAPLANET

23日（火・祝）、東京都港区のニューピアホールで行われるパンクラスの昼夜二部興行。昼の部=Pancrase356のコメインにタジキスタンのオタベク・ラジャポフが出場し、遠藤来生と対戦する。
Text by Manabu Takashima

昨年7月に初来日を果たしたIMMAF世界二連覇のラジャポフは高城光弘をRNCで破り、台頭する中央アジア勢の勢いを見せつけた。しかしながら、12月に予定された田嶋椋戦を計量失敗で欠場。あれから9カ月、再来日を果たしたラジャポフに今の心象を訊いた。

――オタベク、昨年の9月にパンクラス初勝利を挙げましたが12月には計量失敗で田嶋椋戦を欠場しました。計量失敗はMMAというスポーツの一部である一方で、やはりしっかりと体重を落として試合をしてほしかったという気持ちは誰もが持っていたと思います。それ以来の来日となりますが、今の心境を教えてください。

「前回は問題があって体重を落とすことができなかった。確かに計量失敗はこのスポーツにはあることだけど、対戦相手には本当に申し訳なかったと思っている。そして彼のコーチ、パンクラス関係者の皆、ファンの皆にも謝りたい。

あの計量失敗で、もうパンクラスから日本に呼んでもらえなくなってしまうかと心配でならなかった」

ラジャポフのマネージャー　私は彼のことを子供ころから知っている。あれまで計量失敗をしたことはなかった。IMMAFの世界大会は毎日のように計量があるんだ。それでも、オタベクはいつも計量をパスしてきた。そして2度の世界チャンピオンになっているんだ。

あの時のオタベクの動揺振りは、凄まじかった。ただし、パンクラスのミスター・フクイ（福来幸和代表）がオタベクに試合の機会を再び与えてくれた。私たちはとても良い関係を築いてきた。本当にミスター・フクイに感謝している。

「本当に良くない流れだったけど、今回は全てが順調だ。前回の失敗から色々と学んだ。また日本で試合ができて本当にハッピーだ。僕は日本も東京も大好きで、日本食には目がない。パンクラスが対戦相手を与えてくれたことを本当に嬉しく思っている。エンドーさんとの試合で日本のファンの期待に応えたい」

――この間にはACA Young EagleとOPEN FC、ロシアの大会に2度出場していますね。

「正直、ロシアの大会からは色々なオファーがあった。でもチームと話してパンクラスでやっていこうと決めた。僕はパンクラスで戦って、将来につなげたい。そのためにもパンクラスが一番の舞台だと思っている」

マネージャー　本当にロシアとヨーロッパのプロモーションからは良いオファーがあった。ただし、我々はパンクラスと非常に良好な関係にある。だからオタベクの旅をパンクラスで継続することにしたんだ。

――ACAではバンタム級、OPEN FCではフェザー級で戦っていますね。

「もちろん去年の計量の失敗のこともあり、フェザー級で戦うことを考えていた。そしてOPEN FCで試した時に、凄く手応えを感じた。お腹を空かすこともなく、動きも全く落ちなかった。だからフェザー級でやっていこうと思ったんだ」

――フェザー級で戦うと、対戦相手はバンタム級の時よりも大きくなります。

「きっとそうなるだろうね。でも僕の打撃、レスリング、グラップリングはフェザー級で戦うのに何も不足ないと思っている。対戦相手が大きくなることは問題じゃない。それを今回の試合で証明する」

――では対戦相手の遠藤選手の印象を教えてください。

「エンドーさんは良い選手で、40戦近いキャリアがある。僕が12歳の時からエンドーさんは戦ってきた。レスリングも打撃もできる。でも、僕の方が上だ。僕は若くてハングリーだ。レスリングには絶対的な自信を持っている。それに僕の方が絶対に速い。この試合で勝って、パンクラスからタイトル挑戦の話があることを期待している」

――フェザー級タイトル戦線でいえば、同じ中央アジアのカリベク・アルジクル・ウルルが元王者のISAO選手に衝撃的な勝利を収めています。

「カリベクのことは知っている。試合も見ている。でも、全く問題ない。パンクラスが試合を組むなら、カリベクともいつでも戦う。ただ、今はエンドーさんとの試合に集中しないといけない。これからのことはエンドーさんに勝ってから考えるよ。ところでファンは僕の試合に何を期待しているかな?」

――それは人それぞれでしょうが、エキサイティングな試合が見たい人が多いと思います。

「ノープロブレム。お望みの試合を見せるよ（笑）」