【LFA217】東京五輪ゴールド、WWE~NFL&NCAA D1×2王者スティーブソンがMMAデビュー
この試合のパフォーマンスで、今後への熱の入れようが決まるのか。東京五輪ゴールドのスティーブ損(C)LFA
12日(金・現地時間)、ミネソタ州プライヤーレイクのミスティックレイク・カジノホテルでLFA217「McKee vs Nobre」が開催される。メインは当初の予定ではバンタム級で行われる予定だったが、ファイトウィークに入り140ポンド契約に変更されたミッチェル・マッキーとペドロ・ノブレの一戦だ。
Text by Manabu Takashima
27歳、キルクリフFCの新鋭マッキーが、39歳の流離のMMAファイター=ノブレに挑む。マッキーはキャリア9戦9勝0敗、5つのKO勝ちを誇り、9勝のうち7勝をLFAで挙げている。純粋にLFAバンタム級戦線で考えると、生え抜きのタイトルコンテンダー候補といえる。
対してノブレは今回が33戦目(22勝8敗2分)の大ベテラン。2009年のプロデビューで、1分けを挟む10連勝でTUFブラジルに出演した。が、マルコ・ヴィニシウスに敗れUFCと契約ならず。それでもBitetti Combat(ビテッチ・コンバッチ)のフライ級ワンナイト4人Tで、マテウス・ニコラウをKOして優勝、UFCと2013年に契約を果たす。
しかしながら、ユーリ・アルカンタラ戦で後頭部を殴られ試合続行に応じなかった行為をダナ・ホワイトに「演技賞モノだ」と詰られ、この一戦だけでリリースされてしまう。
それから12年――2016年にTitan FCでティム・エリオット、2017年には同じくTitan FCでホセ・トーレスに敗れ2度に渡りフライ級タイトル奪取に失敗。2017年にはロシアのFight Night Globalでアリ・バガウティノフに敗れ、ここでもフライ級王者になれなかった。
翌2019年にはオーストリアのVendettaという大会でバンタム級に王者に輝く。その後、コロナが明けてから積極的世界各地で戦い、2022年にポーランドのFENでフェザー級王座。去年の11月にはフランスのHexagone MMAでフライ級王座に挑むも2試合とも敗れている。
母国ブラジル、米国、オーストリア、ロシア、ポーランド、フランスと放浪と言っても過言でないMMAファイター人生を送ってきたノブレにとってTitan FC以来、実に8年振りの米国での試合が今回のLFA初陣となる。
いえばご当地ファイターの嚙ませ犬といえる立場でノブレが意地を見せることができるのか。マッキーが軽々と越えていくのか。マッキーが勝利すれば、上久保周哉とタイトル挑戦権を獲得するうえでの大きなライバルとなることは間違いない。
また今大会のコメインではTOKYO2020、20021年五輪フリースタイルレスリング125キロ級優勝のダイブル・スティーブソンが、キャリア1勝0敗のブレンダン・ピーターソンとMMAデビュー戦を戦う。
21歳と2カ月で金メダリストとなったスティーブソンは自動的にこの年の世界選手権に代表になるが出場を辞退し、直後にWWEと契約。その後もカレッジでレスリングを続け、2021年と2022年に285ポンド級でNCAA D1を制す。その一方で、さまざまなお膳立てがありながら実際にTVカメラの前でプロレスを行ったのは1度のみ、しかも低調なパフォーマンスで2024年1月リリースされた。
するとスティーブソンは、全く経験がないにも関わらずNFLのバッファロー・ビルズと契約し、世間を再びアッと言わせる。プレシーズンマッチではそこそこの動きを見せ尋常でない運動神経の良さをアピールできたが、結局は経験不足で開幕ロースターには入れず。ビルズを8月に退団し、MMA転向をほのめかすように。
今年の2月にはLFAと契約という話もあったが、8月にCJIでクレイグ・ジョーンズとスーパーファイトが決まる。ところが、ここも欠場しMMAデビューを迎えることとなった。運動神経と肉体的資質は絶対。しかしながら、精神的に継続してMMAを続けることができるのか。そういう意味でもスティーブソに注目するしかない。
■視聴方法(予定)
9月13日(土・日本時間)
午前10時00分~UFC FIGHT PASS
■ LFA217メイン対戦カード
<140ポンド契約/5分3R>
ミッチェル・マッキー(米国)
ペドロ・ノブレ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
ダイブル・スティーブソン(米国)
ブレンダン・ピーターソン(米国)
<女子フライ級/5分3R>
シャイアン・バワース(米国)
マリツァ・サンチェス(米国)
<ライト級/5分3R>
ボビー・リー(米国)
ニキータ・クルシン(ロシア)
<ウェルター級/5分3R>
ジョーイ・ハート(米国)
クリスチャン・タナー(米国)
<148.6ポンド契約/5分3R>
サントス・ヴァーディネス(米国)
アレックス・クーヴァ―(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
クリスティーナ・ブラドアー(米国)
マッケンジー・スティラー(米国)