【DEEP127】計量失敗からの仕切り直し、木下カラテ戦へ。相本宗輝「サポートしてくれる仲間が増えました」

2025.09.08

【写真】相本がこのインタビュー用に送ってくれた写真。仲間との関係の良さが、伝わってくる(C)KAZUKI AIMOTO

15日（月・祝）に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP127にて、相本宗輝が木下カラテと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

プロ戦績7戦7勝と無敗のままDEEPフェザー級GPにエントリーした相本だが、3月の1回戦＝高橋遼伍戦で計量をクリアできず。GPの舞台に立つことが出来なかった。あれから約半年、相本は自身の格闘技への向き合い方を見つめ直し、改めて周囲のサポートを感じて再びケージに戻ってくる。

相本は「たまっているものを全部ぶつけて燃えるような試合をしたい」と木下戦への意気込みを語った。

『病院に行かないと危なかった』と言われました

――相本選手にとっては約9カ月ぶりの試合が近づいてきました。仕上がりはいかがですか。

「びっくりするくらい調子がいいので逆に怖いです。試合まで気を抜かずに最高の準備をしたいと思います」

――本来相本選手は3月に高橋遼伍選手とDEEPフェザー級GP一回戦を戦う予定でしたが、計量失格のため欠場となってしまいました。あの時の状況を聞かせていただけますか。

「実は試合前に怪我をしていて、数日間動けない時期があったんです。それで減量が遅れてしまい、通常よりも水抜きの幅が約2キロほど多かったんですよね。それで最後の水抜きをしている最中に倒れて病院に運ばれて……ですね。自分の感覚では水抜き中に意識がなくなって、起きたら病院のベッドの上で点滴を打たれていました」

――怪我の影響で最後のドライアウトが過酷になってしまったのですね。

「はい。自分はいつも仲間たちと一緒に水抜きするんですけど、そのなかに消防士のヤツがいるんですね。そいつが脱水症状の緊急処置の知識を持っていて、倒れた時の自分の状態を見て、これは病院に連れていかないと危ないと判断してくれたみたいです。そいつは自分のことをずっと応援してくれていて、俺が無理してでも体重を落とすような性格なのも知ってるし、ギリギリのところまで判断してくれたと思うんですけど『病院に行かないと危なかった』と言われました」

――そうした知識を持った人が間近にいたことで大きな事故につながらずよかったです。今回もフェザー級での復帰戦となりましたが、フェザー級まで落とすこと自体は問題ないのですか。

「はい。トーナメントは欠場になってしまいましたが体重を落とせなかった理由は分かっていますし、今日（※取材日は8月31日に行われた）の時点で体重が70.3キロだったんですね。今までは試合一週間前にそのくらいの体重まで落として、そこから最終調整していたのですが、今回は二週間前の時点でそこまで落とせているので、あとは疲労を抜いて体重を落としつつ、最後の水抜きに入れば問題ないと思います」

――安心しました。どうしても相本選手はSNSなどで見る普段の身体が大きいイメージがあったので。

「そう思っちゃいますよね…。計量オーバーした後はめちゃくちゃ気持ちが落ちちゃって、何に対しても無気力な状態だったんです。それまでの自分は計量失敗したら引退くらいに思っていて、根性がないから計量失敗するんだよ、みたいな。正直体重を落とすことへの認識が甘かったと思います（苦笑）、先ほども話したようにそこはしっかり改善しています」

――精神的にも落ち込んでいる時間が長かったのですか。

「結局（計量オーバーから）一カ月くらいは練習も何もしていなかったし、SNSを見るのも怖くて一切見ていなかったです。でも周りの声が意外と温かくて、自分の応援団やファンの人たちから『また相本選手の試合を見たいです』という言葉やメッセージをいただいて、僕自身も自分から格闘技をとったら何も残らないなと思って、少しずつやれる範囲で練習を再開した感じですね」

――復帰戦は9月頃を目途に考えていたのですか。

「そうですね。自分はこの1年半くらい2～3カ月に1試合ペースで試合を続けていたんで、もともとトーナメントが終わったら少し試合間隔を空けようと思っていたんですね。それも踏まえて佐伯（繁）さんと復帰の時期を話していて、最終的に9月にまとまりました」

――この期間、練習面で変えたことはありますか。

「自分は仕事もしていてガラリと練習環境を変えられる選手じゃないので、基本的にはこれまでと同じ練習を続けています。ただあれ（計量オーバー）以降、自分をサポートしてくれる仲間が増えましたね。格闘技の練習はやってない仲間でも走り込みや階段ダッシュに一緒についてきてくれたり、そうやって自分を盛り上げてくれるので本当にありがたいですね」