【DWCS S09Ep03】直近5大会のフィニッシュ率86%のLFAから6選手。Combate上がりのペレスも注目
【写真】先週の合格のデレーノと並びUFC級といえるバルボーザ (C)LFA
26日(火・現地時間)、ネヴァダ州エンタープライズのUFC APEXでDWCS S09 Ep03が開催される。第1週のダナ・ホワイトの怒りの訓示から、第2週は5人の勝者全員が契約。5人の勝者のうちジョゼ・デラーノとジョン・ホキット、敗者ではホキットに敗れたギレルミ・ウリエルという3者がLFA出身ファイターだった。
Text by Manabu Takashima
対して今週はトレント・ミラー、ヒアン・ガンドラ、マルシオ・バルボーザ、アリック・ロレンツ、マノエル・ソウザ、ダリオン・アビーと6名のLFA出場経験のある選手が戦う。
LFA出場経験者が10人中6人、つまりはLFAベテラン対決が組まれていることになり、それがメインのミドル級=トレント・ミラー×ヒアン・ガンドラとなる。
とはいってもミラーのLFA戦績は1勝で2023年12月での試合、直近の試合はTuff-N-Uffだった。対するガンドラは過去2戦がLFAでの試合で、2試合連続フィニッシュ勝利を収めている。特に昨年11月のウラディミール・カルボ戦では鮮やかなヒールフックで勝利している点に注目したい。KO勝利が3試合、一本勝ちが2試合。その一本勝ちは肩固めと前述したように足関節、組み技面という一面でも総合力のあるファイターだ。
コメインのフェザー級でデイモン・ウィルソンと戦うマルシオ・バルボーザのLFA戦績は3勝1敗。第2週で契約を果たしデレーノの6勝1敗には及ばないが、唯一の敗北が現UFCファイターのガブリエル・サントスという共通点がある。
サントス戦以降は3連勝、3試合連続KO勝ち中のバルボーサ。その3試合の相手の戦績を合算すると31勝7敗というクオリティ・オポネントを初回で葬っている。それ以前に10度の初回勝利を誇るバルボーザの初回勝利率(KO勝ち数÷勝利数)は驚異の81パーセントとなっている。
対するウィルソンはカリフォルニア州在住ながら、Cage Warriorsでキャリアを積んだ来た珍しいタイプのファイターだ。11試合(9勝2敗)中、10試合がCage Warriorsで戦っているウィルソン。うち8試合がCage Warriors米国大会――つまり地元サンディエゴ大会で試合をしてきたわけだが、2試合の英国遠征もある。欧州最大フィーダーショーは、米国大会で好成績を残したファイターを本丸に招聘する。きわめて真っ当なファイトビジネスを展開している一例がウィルソンのキャリアップ方法といえるだろう。
第3試合でアブドゥルラクマン・ヤキャエフとマッチアップされたアリック・ロレンツは、LFAで4勝0敗。彼もまた4試合連続KO勝ちを収め、3試合が初回KO勝ちだ。
これらの数字を見て、明らかなのはLFAでは既にコンテンダーシリーズに向けてのファイトが普段から行われているということ。
上久保周哉が出場した先週のLFA215は9試合中7試合がフィニッシュ決着だった。LFA214は11試合中7試合、LFA213も215と同様に9試合中7試合、ブラジルで行われたLFA212は13試合中9試合、LFA211は11試合中7試合がフィニッシュ決着――つまり過去5大会のフィニッシュレートは86パーセントとなる。
プレリミ出場、デビュー戦の選手やキャリア5戦に満たないファイターがフィニッシュ絶対という戦いをすることは、将来を考えて絶対的に正しいとはいえない。と同時にコンテンダーシリーズからUFCにステップアップするというマインドで、その一点にMMA人生を集約させるのは間違ってはいない。
そのうえでLFAのメインファイトで戦う選手は、負け越ししているようなファイターは存在しない。ばかりか9月5日のLFA216のメイン出場6試合で戦うファイターの合計戦績は104勝17敗2分、平均8.6勝1.4敗となる。
ハイレコードの持ち主同士が、フィニッシュ至上主義のように戦う。重ねていうとMMAとして、それが絶対ではない。それでもLFAではコンテンダーシリーズで戦う――いや、勝つ準備がなされているわけだ。
そんななか第2試合出場のクリスティアン・ペレスにも注目したい。ペレスは13勝1敗のキャリアの持ち主で4つのKO勝ちと6回の一本勝ちが、全てCombateを舞台にレコードされている。Combateは上に挙げたLFA以前からとにかくアグレッシブなファイトが展開されてきたラテン・アメリカ系のプロモーションだ。
男女ともに激しい打ち合いが展開されるCombateにあってRNCやヒールで勝利の山を築いてきたペレスが、レスリングやグラップリングができたうえで打撃戦奨励、いやダメージ重視ファイトが求められるコンテンダーシリーズでどのようなパフォーマンスを見せるのか。
対するマノエル・ソウザはLFAで1勝ばかりかBellatorで1勝1敗(アーチー・コーガンに敗れた)、PFLでも1勝を挙げている。既にメジャーを経験しながらLFA経由でコンテンダーに挑むソウザと、Made in Combateのペレスの対戦、非常に興味深い。
■視聴方法(予定)
8月27日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS
■DWCS S09 Ep03対戦カード
<ミドル級/5分3R>
トレント・ミラー(米国)
ヒアン・ガンドラ(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
マルシオ・バルボーザ(ブラジル)
デイモン・ウィルソン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
アリック・ロレンツ(米国)
アブドゥルラクマン・ヤキャエフ(トルコ)
<ライト級/5分3R>
クリスティアン・ペレス(メキシコ)
マノエル・ソウザ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
ダリオン・アビー(米国)
ドンテ・ジョンソン(米国)