【RIZIN50】平均試合タイム63秒の木村柊也、横山武司戦は「上と下の勝負に。その間の駆け引きはない」
30日(日)に香川県高松市のあなぶきアリーナ香川で開催されるRIZIN50で、木村柊也が横山武司と対戦する。
Text by Manabu Takashima
3歳から日本拳法を始めた木村は2度の全日本優勝を果たしたあと、MMAに転向。2023年のプロデビュー以降は圧倒的なスピードと打撃の威力を武器に4連続KO勝ち--しかも平均試合タイムは63秒と驚異的なレコードを誇る。そんな木村が地元・徳島県のお隣で開催されるRIZINで、柔術ベースのMMAファイター横山と対戦することとなった。この対決を「日本拳法×柔術」と見る向きもあるが、木村は自身の持ち味を生かしたMMAで戦う。
――昨年10月のキム・ウィジョン戦から半年ほど空けて、RIZIN50で横山武司戦を戦うことになりました。10カ月で4試合をこなしたデビューイヤーと対照的です。
「ここに出たかった。そこがあります。この試合がない期間をどう捉えるのか。それを準備期間として考えたので、全然気持ち的には何ともなかったです。四国でRIZINがあるというのは、前回の試合の時点で聞いていたので。そこから逆算して、調整しようと思っていました。
もう1試合を挟むことで、ケガをするかもしれない。そこを一番考えていましたね。例えケガがなくても、もう1試合をすることで減量や練習を考えて、休む時間が創れないというのもあったので。その状態で3月のRIZINに出たとして、体が休まっていないから体調が悪くて、パフォーマンスが落ちることが最悪なので。100パーセントで出たい。それが一番でした」
──4戦目にしてAngel’s FC王者を初回でKOしたことは、RIZIN出場へ自信となりましたか。
「あのKO勝ちは、ただただ嬉しかったです。正直、ちょっとは手こずると思っていたので。もちろんKOは狙っていましたけど、その前の3試合のように1R中に倒せない可能性は十分にある。韓国人選手で体も頑丈ですし。ケージの中をいっぱいに使って、相手を倒すために研究する必要があると感じていました。そんな試合で1Rに、いつも通りに倒せたので自分のなかでも上出来でした。
ただ、あの試合も相手の変更が多くて、対策練習ができた時間は1カ月あったかぐらいでした。そうなると、自分のできることを伸ばすしかできない。ただ対戦相手が決まってから短い時間で割とシミュレーションができたので、そこは良かったです」
──ではRIZIN四国大会に向け、対戦相手が決まるまでにMMAファイターとして、強化してきたのはどのような部分でしたか。
「全体的に強化できました。よりMMAにスタイルを近づける練習をしてきました。1戦目は誰が見ても日本拳法、そのままでしたよね。そこから日本拳法を残すスタイルで、MMAをやってきて。ローを蹴りながら、テイクダウンに来られそうだけどギリギリで入れない距離とかをずっと研究してきました。
その絶妙な距離で、自分の打撃だけを当てる。相手の攻撃は捌ける距離感ですね。そこは日本拳法でやってきたことが、MMAでも生きました。そこから今では、自分の反応が遅れて組まれかけても、捌けるようになってきたという実感がありあす」
──そのようななかで横山選手との対戦が決まったのは?
「2週間ぐらい前ですかね(※取材は1月31日に行われた)」
──その決定までに、引き込んでくる選手がいると考えて練習をしたことはありましたか。
「想定していなかったです。寝かされたら完全に相手の土俵で、そうでなければ僕の土俵です。上と下の勝負になる。その間の駆け引きはない。現時点で下の対策はやっていますが、これからやっても柔術は追いつけないです。だから重点を置いているのは、触らせないこと。それは絶対にできます。変に今から柔術をやっても、寝かされると一瞬にして極められてしまいます。なので、触らせないことに集中して練習をしています。掴まれると、一気にやられる。組まれた場合の練習を全くしないわけではないです。でも、持たせない方が大切で。だから、その練習に重点を置いています。試合でも、持たせないです」
──触らせない木村選手と、殴らせない横山選手。絶妙か微妙な試合になるのか。少し怖いです。
「お客さんが楽しめない試合はやりたくないです。勝ち負けは絶対に大事ですけど、プロとしてそれ以上にRIZINという大きな舞台でやるのだから、まずはお客さんを盛りあげること。それができないなら、次に出る資格はないです。だから取られるかもしれないけど、殴ることができる距離。そういうギリギリのところで戦う。そのためにストレスのたまる練習をしています」
──どのような打撃が見られるのか、楽しみです。現時点で理想的な試合展開は、どのように考えていますか。
「さっき言った絶妙な距離を掴んできているので、掴んできてもすぐにバックステップできる。でも、自分の打撃はギリギリで当たる。そういう距離で戦うことですね。難しさはあります。でも、それを打開してくのが僕の拳です」
──この試合を経て、外国人選手が闊歩しているRIZINフェザー級戦線に乗り込みをかけるわけですが。
「その場で戦う機会を与えられると正直、多少の恐怖を感じると思います。その恐怖を自分の強さに変えるのが、僕の仕事です。それができれば、勝てる。だから、楽しみです。段階を踏んで、でも少しでも早くそのレベルでやりたいというのはあります」
──生まれ故郷から1時間、錦を飾る試合にはどれだけの大応援が集まるのか。大阪開催のグラジにあれだけの応援団が、徳島から来てくれる木村選手ですので。
「たくさんの人に応援してもらって、勝って気持ちよく帰りたいというのはあります(笑)」
■視聴方法(予定)
3月30日(日)
午前11時30分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE
■対戦カード
<RIZINバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 井上直樹(日本)
[挑戦者] 元谷友貴(日本)
<フェザー級/5分3R>
鈴木千裕(日本)
カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)
<ライト級/5分3R>
ルイス・グスタボ(ブラジル)
野村駿太(日本)
<ライト級/5分3R>
スパイク・カーライル(米国)
泉武志(日本)
<59キロ契約/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
トニー・ララミー(カナダ)
<59キロ契約/5分3R>
前田吉朗(日本)
横内三旺(日本)
<フェザー級/5分3R>
横山武司(日本)
木村柊也(日本)
<ストロー級/5分3R>
越智晴雄(日本)
中務修良(日本)
<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
エドポロキング(日本)
<バンタム級/5分3R>
魚井フルスイング(日本)
赤田プレイボイ功輝(日本)
<フェザー級/5分3R>
萩原京平(日本)
トビー・ミセッチ(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
万智(日本)
パク・ソヨン(韓国)
<キックボクシング67.5キロ契約/3分3R>
稲井良弥(日本)
加古稟虎(日本)
<キックボクシング55キロ契約/3分3R>
龍生(日本)
香川刻(日本)
<フライ級/5分2R>
高岡宏気(日本)
飴山聖也(日本)
<キックボクシング63.5キロ契約/3分3R>
吉岡龍輝(日本)
切詰大貴(日本)
<キックボクシング63.0キロ契約/3分3R>
大谷翔司(日本)
足利也真登(日本)