【Breakthrough Combat03】首か足か。竹内稔戦へ、須藤拓真「守りを重視するのか。攻めを重視するのか」
【写真】技量と度量の精神戦が今夜、待っている (C)MMAPLANET
本日26日(水)に開催されるBreakthrough Combat03のメインで須藤拓真が竹内稔とProgressフェザー級王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima
レッグハンターの異名通り、BTC02ではブルドックニーバーという衝撃的なフィニッシュを披露した須藤。そんな彼の足関節以上に、竹内はアナコンダに特化した印象を持つ。攻めると取られる。取らないと、ポイントで不利。タイトル戦は3Rで仕切り直しの数が増える。防御に徹すると塩試合。そんな四面楚歌で迎える竹内とのタイトル戦に向け、須藤の心境を尋ねた(※取材は7日に行われた)。
攻める瞬間が一番危ないです
――12月に大会に続きBTCからオファーがあり、今回はProgressフェザー級王座決定戦となりました。
「そうやって評価していただいているので、嬉しいです」
──平日開催でサラリーマンの須藤選手に有給を2日使わせるのは申し訳ないという主催者側の考えもあるようですが、その辺りは?
「そこは会社と交渉してきました(笑)。タイトルマッチだから前日計量というのは、しょうがないですし。会社の方も認めてくれました(笑)」
──ところで竹内選手と対戦経験がないというのが、少し意外でした。
「そうですね。1度、練習で組んだことはあります。同じトーナメントに出ていても、当たったことはなかったです。同じ相手に負けて……(苦笑)」
──その竹内選手、いまさら印象を尋ねるまでのないグラップラーだとは思います。
「もうアナコンダ、そこですよね。引き込みマイナスのあるルールだと、凄く強いと思います。そういう意味でも今回は相性が悪い。竹内さんに有利というか、自分としてはやり辛いルールです」
──引き込んで下から創ろうとすると2Pを献上する。しかも、向こうの得意な形にもなる。
「ただテイクダウンを狙うと、その瞬間に取られる可能性もあります(苦笑)。それでも極めに行くのが一番かと。立ちレスをやってもテイクダウンは簡単に取れないし、取ろうとしたところでアナコンダがある。あそこまで特化型の人はいないです。
自分も特化型のスタイルだと思っていますが、それ以上に特化型の選手なので」
──全てがアナコンダで帰結します。
「凄いです。いっぱい、餌がないとあそまで取れないですよね」
──上久保選手が去年の7月にアナコンダを防ぎきりました。あの試合は参考になりますか。
「う~ん、あの手を差し入れて防御するというのはフィジカル差があってデキたことではないかなと思っています。自分があの形まで入られると、極められるかと。なので、あまり参考にはしていないです(笑)」
──では首を取られる瞬間、足を抱えて極める。そんな攻防も起こりえるでしょうか。
「あぁ……そこの線引きが、まだできていないです。自分が仕掛けに行った時が、一番危なくなるでしょうし。防御一辺倒なら、まだ逃げることはできるかなって感じで。攻める瞬間が一番危ないですね。逃げに徹すると、極められないかもしれない。なので首を取られるか。足を取るか。めちゃくちゃ塩試合になるか(笑)」
──付き合わずにポイント勝利を狙うMMAファイターをグラップラーが追い込む。それがProgressの特徴でもあったのですが、グラップラー同士でも勝利を考えると攻め合うという展開にならないこともあると。
「塩試合になる気がします。ハハハハ」
──そんななかアナコンダ以外で注意すべきところは、どこになりますか。
「正座ベースがめちゃくちゃ強いです。下から攻める相手に、ヒザ立ちのベースがめちゃくちゃ強い。そういう場面をよく見ているので、足を取りに行くのも考えていかないと。相当に難しいです」
──正座でポスチャーが強い。これは……視る方がしんどい試合になるかも……。
「そうなんですよね(笑)。そこをどう頑張って崩していくのか。ただ、ヒザ立ちで強いということは分かっているので、切り崩し方は考えています。そこは試合を見ていただいて、お楽しみにという部分です(笑)」
──同時にレッグハンターが、足狙いでない柔術をする。そんな楽しみもあるかと密かに期待してします。
「警戒されるが故に出せるかもしれない。そういう試合になるかもしれないですね。どの試合も別に足を取りたいっていうわけではないので。気が付いたら取っているだけで。だから正座が強いなら、全然違うことをするかもしれないです。逆に自分がアナコンダを取ってしまうかもしれない(笑)」
──おおっ!! 5分3R、最低限2度の仕切り直しがある。2Rでは1度、この違いはありますか。
「めちゃくちゃあります。そこも含めて、色々向いていないな(笑)。相性悪いなって。Progressルールと竹内選手、両方揃って相性がどんどん悪くなる。仮に下から攻めるとしても、1回の仕切り直しなら一度でもバックを取れば挽回、そこから逆転もできます。でも3R全部を引き込むと、6Pが向こうに入っちゃうわけで。その分、取り返さないといけなくりなります」
──相手の背中をつかせて、上から攻めるというのは?
「テイクダウンですよね。そこが怖いんです(笑)。ボディロックでも、どこからでも仕掛けてくるので」
──ではスイープは?
「足を狙って、スイープとかできるのか理想です」
──そのようななか今日は道着の稽古ですが、まぁまぁ取られていることに正直驚かされました。
「普通に取られます。ここにいる黒帯の人たちは、滅茶苦茶強いです。この練習で、僕は創られています。僕のベースはやっぱり柔術だと思っているので。普通に柔術の練習をしていないと。そこは重視しています」
──X-TREME EBINAでは週に何度ほど練習を?
「4、5回ですね。道着が週に4度です」
必殺技を持っているのでハラハラしてもらえると思います
──ではノーギの出稽古は、どこへ。
「それが対戦相手の本拠地のカルペディエム三田で、石黒翔也さんと練習をさせてもらっています(笑)。マンツーマンだったり、ダニーロ・ハマサキ選手や高橋サブミッション雄己選手と練習することも多いです」
──竹内選手がやってくることは?
「ちょくちょく竹内選手もいるようですけど、鉢合わせをすることはないです(笑)」
──対策練習もそのメンバーで行っているのでしょうか。
「いや、どの試合も対策練習はあまりやらないです。相手のことを考えすぎると、自分の良さを殺すことになる。でも、自分を押し通し過ぎると向こうの術中にはまる。それでいて、出さなすぎると塩試合になる。その塩梅が、難しいところです。そこをどうやって調整していくのか。ここが今回の勝負の鍵になる。そう思っています」
──どちらの武器が強いか。同時に武器を使うために、守りが強固でないといけない。
「そこなんです。守りを重視するのか。攻めを重視するのか。ただ向こうの方が、めっちゃ特化しているので。自分の方が調整する側なんじゃないかと思っています」
──Level-Gでライト級王者。今成選手に倒した。そしてProgressのベルトを巻くと、ケージで行われているグラップリングの二冠。サブオンリーとポイント制での王者となります。
「ベルトは強い人と戦うためにある。それがあれば強い人と戦える権利を持てる。それ以上の拘りはないです」
──そして大砲を持つ、竹内選手と戦うと。
「竹内選手は日本人だと、やりたくない相手のトップに位置しています(笑)」
──柔術会場でなく、MMAと一緒に試合が組まれると未だに「打撃がないと地味」という声が挙がります。
「正直、MMAファンの人たちからすると普通のグラップリングだと、MMAよりハラハラ感はないと思います。でも今回の試合はお互い、必殺技を持っているのでハラハラしてもらえると思います」
■視聴方法(予定)
2月26日(水)
午後6時30分~THE 1 TV YouTubeチャンネル
■Breakthrough Combat03計量結果
<Progressフェザー王座決定戦/5分3R>
竹内稔:65.45キロ
須藤拓真:65.4キロ
<フライ級/5分3R>
上田将年:57.1キロ
イ・ジュンヨン:56.6キロ
<バンタム級/5分3R>
竹本啓哉:61.65キロ
トレント・ガーダム:61.5キロ
<フェザー級/5分2R>
寒天マン:66.15キロ
チェ・ハンギ:66.05キロ
<フライ級/5分3R>
山崎蒼空:57.05キロ
ベ・ジョンウ:57.1キロ
<Progress 60キロ契約/5分2R>
神龍誠:60.25キロ
エリック・メネギン:59.8キロ
<Progress 68キロ契約/5分2R>
中島太一:──キロ
大脇征吾:──キロ
※当日計量
<Progress 87.5キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ:87.7キロ
二ノ宮寛斗:87.4キロ