【LFA202】UFC一択、LFA初陣前の上久保周哉─02─「皆が創ってくれた道だから、僕は感謝している」
【写真】もちろん見返したいという気持ちや、恨みだってパワーになるとは思う。ただ、感謝の気持ちで得られるエネルギーは良いかと感じます(C)TAKUMI NAKAMURA
21日(金・現地時間)にニューヨーク州サラマンカのセネカ・ナイアガラ・リゾート&カジノで開催されるLFA202「Nkuta vs Garcia」でバクトヴァル・ユニソフと対戦する上久保周哉インタビュー後編。
Text by Takumi Nakamura
LFA参戦を控え、AKAでロシアン&中央アジアン・ファイターとのトレーニングをした上久保。備えあれば憂いなし、果たして彼の読みは当たり、LFA初陣の相手は無敗のタジキスタン人ファイターになった。AKAでのトレーニングを消化し、国内での練習に生かすなかでユニソフへの研究も進む。当然、楽な戦いにはならない。ばかりかいきなり躓くことも十分にある猛者との対戦だが、上久保はタフな試合を当然と受け止めている。
MMAファイターなら誰もが、一度は最強を目指すだろう。その唯一の舞台がUFCであるが、最高峰に到達するファイターは限られている。多くの場合は、他の選択をする瞬間が訪れる。しかし、上久保に他の選択はない。MMAを続ける理由が、UFCで勝つこと。茨の道、獣道を進む上久保は、その境遇にある自分を支えてくれる周囲への感謝の気持ちを胸にナイアガラフォールスに向かう。
<上久保周哉インタビューPart.01はコチラから>
僕を受け止めた上で全部はじき返そうとしてくるんじゃないか
――上久保選手自身、Road to UFC2023が準決勝敗退に終わり、Gladiator参戦を挟んで新たな戦いの場としてLFAを選ぶ形となりました。やはりLFAがUFCにつながる場所というのがLFAを選んだ理由ですか。
「自分は厳しい相手とやりたいし、それがあるからUFCに出たいと言っていて、現実ではROAD TO UFCで負けてしまったけど、そこでUFCを諦めるという気持ちにはならなかったです。LFAは出ている選手がみんなUFCを目指している舞台だから、そこを勝ち上がっていく価値はあるし、今の僕が10連勝できるかと言われたら、それだけの時間はないけど、10連勝している相手と戦うことはできる。
ROAD TO UFCで負けて選択肢がない中で、やる価値のある相手がたくさんいる場所を選ぶのは当然だと思います。それを抜きにしても、強い相手とやりたいと思うんだったら、そういうとこに行くのが1番楽しいんじゃないですかね」
――今回対戦するバクトヴァル・ユニソフは10勝0敗の米国在住タジキスタン人ファイターです。まさに上久保選手が望む厳しい相手であり、強い相手です。対戦相手としてどんな印象を持っていますか。
「今までやってこなかったタイプですし、ああいうタイプと組み合ってみたい、MMAで戦ってみたいと思っていた選手です。映像を見て当然強いと思いましたけど、ああいう人たちを超えていかないと先はないし、UFCのトップどころはもっと強いですから」
――ユニソフの映像を見る限り、フリースタイルレスリングがベースでサブミッションも仕掛ける選手で、上久保選手と噛み合う部分と噛み合わない部分がどちらもある選手だと思いました。
「自分の感覚としては、向こうは僕の組みを警戒してくるだろうけど、僕に組み負けるなんて一切思ってないはず。僕を受け止めた上で全部はじき返そうとしてくるんじゃないかなと思っています。あとはサブミッションを上からでも下からでもガンガン狙ってくるし、ああいうアグレッシブなタイプをちゃんと封じた上で、自分が一本を取りに行けるかどうか。
アタックをかけ続けられるかどうか。そこだと思いますね。あとはもちろん攻撃の距離も長くて手数も多いから、そこで自分のタイミング逃さないように、勝負どころと山場を創れるかどうかかなとは思います」
――確かにユニソフは基本的にテイクダウン&コントロールを軸にしつつも、ガードポジションになってもサブミッションを狙う、レスラーらしくない一面もありますよね。
「リスクをとってフィニッシュを狙うし、思いきりがいいですよね。ああいうところは自分にも必要なのかなとは思いつつ、ああいうアグレッシブな選手をどう封じられるかだと思っています」
UFCの手前にいるLFAの選手たちに勝たないと、その目標は達成できない
――どのような展開になるにせよタフな試合になると思いますが、そこは覚悟していますか。
「まぁ自分の試合でキツくなかったことは1度もないし、試合はキツいもんなんで。本当にユニソフはいい相手だと思うし、相手の強いだろうという部分も分かっているので、大変な試合になると思います」
――LFAでの初陣を控えているなかですが、その後というのはどのように考えていますか。
「目指すところはUFCで、もうUFC以外は目指せないというか。他の団体でチャンピオンになりますというよりは、UFCを目指し続けて行く、ですね。ただ自分はUFCを目指すという言い方があんまり好きじゃないんですよ。僕はUFCで勝ちたいから。そのための自分を創るために日々生活をしているし、あそこにいる選手たちに勝ちたいっていう、それだけなんで。だから自分の残りのキャリアを全部そのために使いたい。
UFCの手前にいるLFAの選手たちに勝たないと、その目標は達成できないと思っています。結局、ファイターは目標や目指しているものの取り合いだから、そこでしっかり競り勝って、自分がやりたいことをやりたいと思っています」
――UFCで言えば昨年末に朝倉海選手が参戦したことで、今まで以上に日本でもUFCの注目度が上がっています。これからUFCを目指す日本人も増えると思いますが、上久保選手はそういった状況をどう感じますか。
「う~ん…僕は別に人気が取れる選手じゃないし、人気どうこうは考えないでやってきちゃったし、今更そっちにも振れないので。そもそも強い人とやりたいということがベースにあって、一番強い選手がいるのはUFCだから、UFCを目指すのは必然で、そこで勝ちたいから頑張っているだけです。だから周りがどう思っていても、何を言っていたとしても、僕は自分がやりたいことをやっているだけ。
それを応援してくれる人がいるんだったら応援してほしいし、自分から応援してくださいと言うのはおこがましいと思っています。僕は自分が好きなことを全力でやっていて、それにやりがいを感じて楽しんでいる。そんな人生が今一番楽しいっていう、そういうことです」
やりたいことを応援してくれる人たちがいるから、今の自分がいる
――上久保選手のLFAでの戦いを楽しみにしているファンの人たちもたくさんいると思います。その人たちに向けてどのような試合を届けたいですか。
「僕は今話したように、自分が好きなことを好きなようにやらしてもらっていて、それに関して周りの人が道筋を創ってくれています。UFCで戦いたいけど、どうやったらいいのか分からなかった時に、ROAD TO UFCへの道を創ってくれた人がいるし、ROAD TO UFCに負けてどうしようとなった時に『LFAだったらUFCを目指せるんじゃないか』と言って、LFAへの道を創ってくれた人がいる。
そうやって皆が創ってくれた道だから、僕は感謝しているし、僕のやりたいことを応援してくれる人たちがいるから、今の自分がいると思っています。そういう人たちに良い姿を見せられるように、目の前の相手を倒すために全力を尽くして準備しているので、いい試合を15分間出せるようにしたいと思っています」
■視聴方法(予定)
2月22日(土・日本時間)
午前11時00分~UFC FIGHT PASS