【UFN14】”ミドル級王者”シウバ、ライトヘビー戦はKO勝利
19日(土・現地時間)、米国ネバダ州ラスベガスのザ・パールでは、スパイクTVのライブショー『UFC Fight Night14』が開催された。
【写真】ミドル級王者アンデウソン・シウバのライトヘビー級挑戦は、61秒のKO決着でシウバの完勝! (C) ZUFFA
噂のMMAイベント、アフリクション旗揚げ戦に対抗するかたちで行われた同イベント。そのメインイベントでは、現UFC世界ミドル級王者、アンデウソン・シウバが一階級上でジェームス・アーヴィンと対戦した。試合は、アーヴィンの右ローキックを左手でキャッチしたアンデウソンが、強烈な右ストレート一閃、後方に倒れこんだアーヴィンに追い打ちのパウンドは必要ない61秒の完全勝利を挙げた。
また、王座挑戦時のステロイド使用から1年間のサスペンド明けの試合となるエルミス・フランカが、フランク・エドガーと対戦。試合は、エドガーの圧力の前に、フランカは0-3の判定負け。他にも、TUFシーズン7決勝進出を果たしながら、リムジンのドアを蹴り破り出場資格を失ったジェシー・テイラーのUFC公式デビュー戦は、同じくTUFファイター、CB・ダラウェーの鮮烈なギロチンに敗れた。
■UFC Fight Night14 全試合結果
第11試合 ライトヘビー級/5分3R | ||
○アンデウソン・シウバ (ブラジル) |
1R1分1秒 KO 詳細はコチラ |
ジェームス・アーヴィン× (アメリカ) |
第10試合 ライトヘビー級/5分3R | ||
○ブランドン・ヴェラ (アメリカ) |
3R終了 判定 詳細はコチラ |
リーズ・アンディ× (アメリカ) |
第9試合 ライト級/5分3R | ||
×エルミス・フランカ (ブラジル) |
3R終了 判定 詳細はコチラ |
フランク・エドガー○ (アメリカ) |
第8試合 ヘビー級/5分3R | ||
○ケイン・バラスケス (アメリカ) |
1R2分2秒 TKO 詳細はコチラ |
ジェイク・オブライエン× (アメリカ) |
第7試合 ウェルター級/5分3R | ||
×アンソニー・ジョンソン (アメリカ) |
3R終了 判定 詳細はコチラ |
ケビン・バーンズ○ (アメリカ) |
第6試合 ミドル級/5分3R | ||
○CB・ダラウェー (アメリカ) |
3分58秒 ギロチンチョーク 詳細はコチラ |
ジェシー・テイラー× (アメリカ) |
第5試合 ミドル級/5分3R | ||
○ティム・クレドゥアー (アメリカ) |
1R1分54秒 TKO |
ケール・ヤーブロー× (アメリカ) |
第4試合 ウェルター級/5分3R | ||
×ブローディ・フェーバー (アメリカ) |
1R1分37秒 KO |
ローリー・マルカム○ (アメリカ) |
第3試合 ミドル級/5分3R | ||
○ネイト・ローラン (アメリカ) |
1R4分21秒 三角絞め |
ジョニー・リー× (アメリカ) |
第2試合 ウェルター級/5分3R | ||
○ブラッド・ブラックバーン (アメリカ) |
2R2分29秒 TKO |
ジェイムス・ジボォー× (アメリカ) |
第1試合 ライト級/5分3R | ||
×デール・ハット (アメリカ) |
1R3分33秒 リアネイキドチョーク |
シャノン・グジェルティ○ (アメリカ) |
■メインイベント ライトヘビー級/5分3R
アンデウソン・シウバ vs ジェームス・アーヴィン
○[1R1分1秒/KO]×
「新しいチャレンジが必要なんだ」と、オクタゴンに上がったアンデウソン・シウバに対し、「彼が小さいということが、みんな分かるだろう」と話すアーヴィン。
まずは、左のローを繰り出すアンデウソンが、左ハイをみせたアーヴィンにかまわず、右ストレートを放っていく。“シウバ・コール”を背にしたアンデウソンは、アーヴィンの右ローを左手でキャッチすると、強烈な右ストレート一閃。後方に倒れこんだアーヴィンに、追い打ちのパウンドは必要ない、61秒の完全勝利となった。
■第10試合 ライトヘビー級/5分3R
ブランドン・ヴェラ vs リーズ・アンディ
○[3R終了/判定]×
ライトヘビー級転向1戦目となったヴェラは、左ミドルでアンディを攻める。直後にタックルでテイクダウンを奪ったアンディに対し、ヴェラは立ちあがって首相撲からヒザ蹴りを見舞う。
躍動感のある左ハイキックを見せ、さらに左ミドルでアンディを蹴り飛ばしたヴェラ。必至の形相で組みつくアンディだが、そのままの状態でヒザ蹴りを顔面に受けると、豪快な腰投げでサイドを奪われてしまう。
寝技では攻めきれないと判断したのか、スタンドへ戻ったヴェラは、再びハイキックでプレッシャーをかけていく。
2R、ヴェラはサウスポーの構えから左ロー、オーソドックスに戻したところで組みつかれるが、そのままテイクダウンを奪う。バックコントロールから左パウンドを落とす、ヴェラにアンディは成す術なく攻め続けられた。組みついたアンディに、首相撲からヒザ蹴り、離れて右ストレートをヒットさせるヴェラだが、今一つ爆発力にかける。
ファンも、そんなヴェラに不満を感じたのか、ブーイングが大きくなる。ひざ蹴り、ハイキックで攻め続けたヴェラだが、2Rもアンディを仕留めることはできなかった。
アグレッシブさが欲しいヴェラの3R、アンディはテイクダウン狙いと距離をとることに終始し、生き残りに懸命だ。そんな状態のアンディを最後まで切り崩すことができなかったヴェラは3-0で勝利したが、課題の残るライトヘビー級転向初戦となった。
■第9試合 ライト級/5分3R
エルミス・フランカ vs フランク・エドガー
×[3R終了/判定]○
試合開始早々にテイクダウンを奪ったエドガーに対し、フランカはクローズドガードから反撃の機をうかがう。エドガーは鋭いエルボーを落とすと、足を捌きながらパウンド攻撃。
と、一瞬の隙をつき足をすくいながら腕十字を仕掛けたフランカ。腕を伸ばしそうになりながら、身体を並行にしたエドガーは腕を引き抜く。
試合がスタンドへ戻ると、すぐにエドガーがテイクダウンを奪い、細かいパウンドを落としながら初回が終了した。
2R、左フックをヒットさせ、フランカをたじろかせたエドガーは、ここでもテイクダウンに成功、確実に印象点を稼いでいく。左のパウンドを連打で落とすなど、常に積極的に攻めるエドガーは、時おりパスも狙っていくも、トップを奪うことができず厳しい状況が続く。
ラウンド終了まで30秒となったところで立ち上がることに成功したフランカだったか、有効な攻撃手段を見せることがないまま、またもやテイクダウンを奪われてしまった。
最終ラウンド、逆転を狙うフランカはテイクダウンを奪われつつも、足関節を仕掛けるが、エドガーを切り崩すには至らない。バックを取られ、スタンドでミドルを受けると、またもテイクダウンを許してしまう。とどまることを知らないエドガーのテイクダウンダショー、バックコントロールから片足タックルでフランカを転がしていく。
エドガーの圧力に最後まで屈しなかったフランカだが、試合終了1分前の腕十字、20秒前の膝蹴りからのラッシュも功を奏することなくタイムアップ。ジャッジの3者が30-27でエドガーを支持した。
■第8試合 ヘビー級/5分3R
ケイン・バラスケス vs ジェイク・オブライエン
○[1R2分2秒/TKO]×
テイクダウンを奪い、サイドから攻めるバラスケス。ブリッジで返そうとしたオブライエンの顔面ががら空きになると、鉄槌を山のように落としていく。レフェリーのマリオ・ヤマサキの遅すぎるストップ宣言まで、何十発とパウンド、鉄槌、エルボーを受けたオブライエン。バラスケスがインパクト十分な、122秒TKO勝ちを果たした。
■第7試合 ウェルター級/5分3R
アンソニー・ジョンソン vs ケビン・バーンズ
×[3R終了/判定]○
打撃で攻めたいジョンソン。対して、打ち合いに応じたバーンス。リーチの長いジョンソンの打撃をかいくぐり、右ストレートや左ロー、ミドルを蹴り込んでいく。途中、ジョンソンの左ローが急所に当たり、試合が中断するが、さほど影響がなくバーンスは軽快に攻めていく。
ここでヒーガン・マシャドの下で柔術も習うジョンソンは、抜群のタイミングで両足タックルに成功。強烈な左エルボーを落とし、左右のパウンドを見舞うジョンソン。バーンスの顔面にスピードの乗ったパウンドを落とし続けるが、クローズドガードを解くことはできない。ここでレフェリーがブレイクを命じ、試合はスタンドへ。再び組み付いたジョンソンだが、ここで1Rが終了した。
2R開始早々、ジャンピングニーを放つジョンソン。差し合いからの離れ際に、鋭い左フックをヒットさせる。徐々にペースを掴み始めたジョンソンは、その後もスピードになったパンチで試合を有利に攻めると、疲れが見え始めたバーンスからテイクダウンを奪う。バーンスがアームロックを狙うが、決まらず試合は最終ラウンドへ。
またもテイクダウンに成功したジョンソン。試合がスタンドに戻っても、ジョンソンはすぐにテイクダウンへ。スタンドに戻ると、ここでバーンスの左アッパーカットがヒット。この一発でジョンソンが目を負傷。レフェリーは故意でないと判断し、バーンズがTKO勝ちを収めた。
■第6試合 ミドル級/5分3R
ジェシー・テイラー vs CB・ダラウェー
×[3分58秒/ギロチンチョーク]○
テイクダウン狙いのテイラーが、執拗にテイクダウンを狙うと、ダラウェーはグラウンドポジションから膝を放つ。「もう一度やると、失格だからな」という厳しいレフェリーの忠告を受け、試合が再開。バックコントロールから、バックマウントを奪ったダラウェーがチョークを狙う。首を引き抜いたテイラーは、がぶりから両足タックルでトップを奪う。
得意のパウンド攻撃に移ったテイラー。ダラウェーは、飛び込んでくるところに呼応し、パンチをかわすとそのままバックコントロールからサイドへ。片足タックルを狙うテイラーに、ダラウェーは右足で頭部をロックしながらギロチンという素晴らしい動きで、3分58秒タップを奪って見事UFC初勝利を挙げた。