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【RIZIN LANDMARK10】改めて前フェザー級王者ケラモフと対戦。摩嶋一整「真っ向から組みに行きますよ」

【写真】取材は10月24日、毛利昭彦選手インタビューの後に。毛利道場マネージャーさんが柱のポスターをちゃんと貼り替えてくれています(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、名古屋市港区のポートメッセなごやで開催されるRIZIN LANDMARK10で、摩嶋一整がヴガール・ケラモフと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

両者は当初、今年2月の佐賀大会で対戦予定であった。しかしケラモフがトラブルによりアゼルバイジャンから出国を認められず、試合は中止に。一方、摩嶋は代役の今成正和に敗れてしまう。そこから7月に新居すぐるを下して復活した摩嶋に、改めて今成戦、新居戦、そしてケラモフ戦に至るまでの成長について語ってもらった。


しっかりパスすることから順を追っていくほうが合っている

――ケラモフ戦を控えている摩嶋選手の人気が高まっているのは感じていますか。

「えっ、そうなんですか。いつも同じ人としか会わないので、よく分からないですけど……」

――RIZIN公式YouTubeチャンネルで自身の動画がアップされたり、Xで試合に関する投稿があると、応援コメントがすごく多いです。

「まずXをやっていないのと、動画も1~2回見て……あとは息子が出ているシーンだけ何回も見ているぐらいです」

――それは完全に父親の姿ですね。少しXのリプをお見せします。

「おっ、おぉ~。まぁ、少しは期待を感じていましたけどね(笑)」

――アハハハ。特にケラモフ戦への期待が高いのかと思います。当初は2月の佐賀大会に組まれていましたが、ケラモフ側の要因で中止となっていました。あの頃と今では、摩嶋選手の中で変化した部分はありますか。

「あの時から試合も2試合して、負けたり勝ったりして……得るものもあったし、新しい技術も身につけたりしていて。今のほうが戦いたい気持ちは強くなっていますね」

――2月の時点では、どのような気持ちだったのでしょうか。

「前チャンピオンと対戦できると聞いて、『俺で良いのか!?』という気持ちはありました。そんな選手と戦えるということで、気持ちは上がっていましたけど」

――2月はケラモフが出場できず、代わりに今成正和選手と対戦して敗れました。選手にとってタイトルマッチも近いポジションにいながら、代役に負けるというのは……。

「あぁ~、僕はそんなに自分の立ち位置を気にしていないというか。自分が格闘技で成長したいという気持ちだけで。あの試合で負けることで得たものもあるし――パスガードとかも新たに成長した部分があります。それはそれで良かったのかなって思いますね」

――パスガードの成長とは? それまでもパスは狙っていましたよね。

「はい。でもあの頃は何というか、パウンドやヒジに凝っていて、そんなにパスガードを狙っていなかったんです。でも自分のスタイルとしては、しっかりパスすることから順を追っていくほうが合っていると思いました。それも色々と試してきた結果で、今も試している途中です。RIZINに出るレベルの選手とは、RIZINでしか肌を合わせることができないので」

――パウンドやヒジに凝っていたというのは、打撃を出したほうが有利になるという採点基準の変化は影響していますか。

「判定の基準については、そんなには考えていないです。やっぱり一本で勝ちたいので。そのためにも――やっぱりパウンドやヒジを出すと、ポジションが疎かになりますからね。完全に打っても大丈夫な時は打つ。まだ相手に力が残っている時は、そこまで狙わない。ダメージとか見た目の部分にはこだわらず、自分の戦い方にこだわっていきたいです」

――あの頃、パウンドやヒジに凝っていた理由は何だったのでしょうか。

「……ちょっとカッコいいから(笑)」

――えぇっ!?

「ガードの中に入れられるのは分かっていたので、パウンドやヒジでKOしたいと思ったんですよ。そうしたら腕を取られてしまったんですけど。やっぱり負けたのは悔しかったです。佐賀県の大会で山口県からも近いから、応援に来てくれている人も多かったので」

――続く7月の新居すぐる戦は、とても丁寧に戦っている印象はありました。

「それが本当の自分だと思うんですよ。一つひとつ丁寧に――テイクダウンして、パスして、マウントを取っていく。そうやって順を追っていくのが自分は好きです。パッと極めたり、一撃のパンチで倒すよりは、自分の中でも『勝った』という気持ちが強くなりますね」

――以前のインタビューで「新しいファイトスタイルをつくり上げる」、特に最後まで攻められる自分をつくりたいと言っていました。その自分は出来上がっていますか。

「そうですね。今のところ試合中に疲れることはないです。技術面とかペース配分、コントロール、あとは場慣れもありますよ。金原戦の時はバチバチに緊張していたので、最後のほうはバテてしまいました」

――それが今や、超RIZINの第1試合でも緊張せず。

「もう開き直りですよ。アハハハ」

僕は自分のスタイルで、しっかりと必ず一本勝ちします

――新居戦後のインタビューでは、記者から名前の挙がった中央アジア勢について「名前と顔が一致しない」とのことでした。ただ、その中央アジア勢の参戦でRIZINフェザー級も大きく様変わりしています。

「海外勢が強いですよね。RIZINにランキングがあれば、フェザー級は上位を海外勢が占めているような感じで。今だとケラモフを倒しても、まだまだ上がいるなって思います」

――そんななか、超RIZINで斎藤裕選手が久保優太選手に負けたことは驚きではなかったですか。

「驚きはありました。(斎藤が)ああいう負け方をするとは想像していなかったです」

――フェザー級では久保選手の成長が著しいです。その久保選手の存在を意識することはないでしょうか。

「……あんまり意識したことはないですね」

――では今、ケラモフ以外に何かを意識していますか。

「今年は3試合したので、少し休みたいです(苦笑)」

――ここでケラモフを下せば、中央アジア勢との連戦になるかもしれません。「摩嶋なら勝てる!」と期待が高まって。

「アハハハ。そういう選手については『どれだけ強いんだろう?』とは気になっていますよ。だから試合はしてみたいです」

――今答える時の表情を視ると、とても楽しみにしているように感じられます。対戦したい気持ちの強さが伝わってくるといいますか。

「趣味だから――なんて言ったら怒られるかもしれないけど、自分はMMAを楽しんでやっているので。RIZINに強い選手が集まっていて、そういう相手と対戦できるのは、ありがたいです。強い相手と対戦してこそ、自分の通じているところと通じていないところが分かりますからね。成長するためには欠かせないことです」

――なるほど。摩嶋選手自身は成長を感じている一方で、ケラモフは1年振りの試合となります。このブランクの間に、ケラモフは……。

「上がっているのか、落ちているのかでいえば、自分が勝てると思っているから試合を受けたんじゃないですかね。向こうは練習環境も凄そうですし、相手もプロだから整えてくるとは思いますよ」

――そのケラモフに対して、どのような印象を抱いていますか。

「一番はフィジカルですよね。そこからテイクダウンしてパウンド、という部分が一番強いのかなって思います」

――フィニッシュの形は違えど、組んでから試合を展開させる部分では、摩嶋選手と強みが同じです。

「そうですね。ケラモフも組んでくると思います。だからって自分が違うことをやるわけじゃなく、真っ向から組みに行きますよ」

――今回の試合がケージで行われることは、試合展開に影響すると思いますか。

「壁があったほうがやりやすいのは、お互い同じでしょうね。自分も普段から壁で練習していますし。自分が有利になるかどうかは分からないけど、僕はケージで戦うほうが良いです」

――ケラモフの打撃については?

「一発一発、振り回してくるので危ないとは思います。でも最終的には組んでくるでしょうからね。僕は自分のスタイルで、しっかりと必ず一本勝ちします!」

■視聴方法(予定)
11月17日(日)
午後1時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■ RIZIN LANDMARK10対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
摩嶋一整(日本)

<バンタム級/5分3R>
昇侍(日本)
芦澤竜誠(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
浜崎朱加(日本)
シン・ユリ(韓国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
イ・ジョンヒョン(韓国)

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
ヒロヤ(日本)

<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
トニー・ララミー(カナダ)

<フライ級/5分3R>
北方大地(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)

<バンタム/5分3R>
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)
山本聖悟(日本)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
加藤久輝(日本)

<バンタム級/5分3R>
白川ダーク陸斗(日本)
マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)

<ライト級/3分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
倉本大悟(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
秋元強真(日本)

<バンタム級/5分2R>
窪田泰斗(日本)
日比野“エビ中”純也(日本)

<ヘビー級/5分2R>
稲田将(日本)
佐々木克義(日本)

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
平松翔(日本)

<キックボクシング55キロ契約/3分3R>
としぞう(日本)
JIN(日本)

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