【DEEP SF2024】雨で滑りまくる5年5カ月ぶりの復帰戦は、長谷川がSAINTを押さえ込み続けて判定勝ち
【写真】MMAの勝利は2018年2月以来(C)MATSUNAO KOKUBO
<メガトン級/5分3R>
長谷川賢(日本)
Def.3-0:30-25.30-27.29-28.
SAINT(米国)
入場時に選手が階段で足を滑らせるほど雨に濡れているなか、試合はスタートする。サウスポースタンスでガードを固める長谷川がプレスをかけ、SAINTにケージを背負わせる。SAINTの右ローをキャッチし、リフトアップから背中を着かせた。SAINTのブリッジを潰し、ハーフガードの相手の顔面にパンチとヒジを落として削っていく。SAINTがガードに戻して足を上げた。肩固めを狙いながらパスした長谷川がサイドへ。
SAINTの右腕をキムラで抱える長谷川だが、クラッチを外そうとしたところでSAINTがマットの滑りを利用して回転する。再びサイドで抑え込んだ長谷川はキムラを狙う。反転して亀になったSAINTのバックを狙うも、トップに戻る。水が溜まっているマットでは押さえ込みもままならない。ハーフガードのSAINTに対し、長谷川は左腕を枕にして肩固めを仕掛けるが、これも滑って外れてしまう。SAINTが蹴り上げると長谷川は一度立ち上がり、再びグラウンドに戻って初回を終えた。
2R、ゆっくりとプレスをかけていく長谷川が、右フックからボディロックで組みついた。ケージを背にしたSAINTは、左オーバーフックからヒザを突き上げる。長谷川はボディロックからケージ中央に向けて倒した。ハーフガードのSAINTを押さえ込み、ここも左腕を枕にして肩固めを狙うが、やはり滑って極まりづらいか。
今度はしっかりを胸を合わせて押さえ込む長谷川。左腕を枕にしたまま右の拳で削ると、SAINTが嫌がる表情を見せる。SAINTが足を利かせると長谷川は逆側に動き、右腕を枕に抑え込む。ボトムで動くSAINTだがケージ際から動くことができない。長谷川はSAINTの左腕を取ってアメリカーナを狙うも極まらず。立ち上がった長谷川は一発サッカーボールキックを打ち込み、そのまま背中を見せてコーナーに戻った。
やはり水浸しのマットでは試合にならないか、長谷川は自コーナーで首を振る。最終回が始まると、SAINTが右ストレートを伸ばす。長谷川がワンツーを放つと、SAINTは右に回った。見合う両者。ここでSAINTが右ローから右手を前に出すと、これがアイポークとなり長谷川に休憩が与えられる。
ここで止んでいた雨が再び降り始める。再開直後、長谷川のグローブが外れていたようで中断された。再開されると長谷川がプレスをかけてSAINTにケージを背負わせた。右ジャブから左ストレートをダブルで放った長谷川が、苦笑いを浮かべて下がる。それほど濡れたマットでは試合にならない。SAINTがローラースケートを履いているように足を滑らせて前に出るほどだ。ボディロックからグラウンドに持ち込んだ長谷川に対し、SAINTはケージキックから長谷川の上半身を足で挟んでいく。すぐに頭を抜いた長谷川は、ケージ際から離れて押さえ込み、バックを奪って試合を終えた。
裁定は1人のジャッジは2つのビッグラウンドと採点した一方で、SAINTに1つラウンドを与えているのは疑問だ。いずれにせよ試合ができる状態ではないケージで、長谷川が5年5カ月ぶりの試合を行い、ユナニマス判定勝ちを収めた。試合後「打撃で行こうと思いましたが、足が滑りました。純粋な気持ちで格闘技を応援したい。これからまた試合をしようと思います」と語った。