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【RIZIN47】クレベルと対戦、フアン・アルチュレタ「クレベルの領域に挑んでこそ、戦ったと言える」

【写真】携帯のスクショで、そんな風には見えないかもしれないが──とにかく心身ともにヘルシーそうだった (C)MMAPLANET

6月9日(日)に国立代々木競技場第一体育館で開催されるRIZIN47でクレベル・コイケと戦うフアン・アルチュレタ。
Text by Manabu Takashima

喧嘩ができる科学的なMMAファイター、アルチュレタはこの試合に向けてモロッコで調整を行っている。マグレブ世界でどのようなトレーニング環境が整っているのか。そして大晦日の減量失敗から、フェザー級で戦う今回──フィジカル&メンタルの仕上がり具合を尋ねた。


ここより良い練習環境は世界にも数えるぐらいしかない

──今回、モロッコで練習しているそうですが、今もまだカサブランカにいるのですか(※取材は24日に行われた)。

「まずインタビューをしてくれてありがとう。いつも感謝しているよ。そうだね、今もまだカサブランカにいるよ」

──モロッコでMMAのトップファイターのファイトキャンプができる……その事実がピンとこないというのが正直なところです。

「UFCライト級ファイターのナスラ・ハクバレスに誘われたんだ。彼が6月にUFCの試合が控えていて、そのためのトレーニングキャンプなんだけど、僕自身の試合の準備になると思ってね」

──十分なファシリティが存在しているのですね。

「ムハンマド殿下(ムハンマド6世)が、全てを整えてトップレベルのマーシャルアーチストがしっかりとトレーニングができる環境を用意してくれている。必要なことは、全てカサブランカでできているよ。

正直、ここより良い練習環境は世界にも数えるぐらいしかないだろう。ONEチャンピオンシップの世界チャンピオンだったイリアス・エナッシ(※モロッコ系オランダ人。元ONEキックボクシング世界フライ級王者で、スーパーレックにも勝利しているが減量が厳しくなったためタイトルを返上)もいるよ。

ナスラのチームは総勢15人ほどのメンバーで、ここにやってきている。それだけのメンバーが十分にトレーニングできる施設が整っているんだ。シンプルに考えても、どれだけの規模が分かるんじゃないかな」

──ナスラのチームごと来ているということは、トレーニングパートナーにも事欠かないということですね。

「ばかりか、トライスターのヘッドコーチであるフィラス・ザハビもモロッコに来ている。ナツラのコーチンスタッフが勢ぞろいしていて、僕の打撃を見てくれているドゥエイン・ラドウィックこそ来ることができなかったけど、ずっと一緒に練習してきたアーノルド・ヒメネスという絶対に信頼できるパートナーもいる。最高の環境だよ。

本当にここで行って来たファイトキャンプには満足しているよ。最高のメンバーと練習できて、素晴らしい食事を摂ることができているしね(笑)」

──食は生命なり。バンタム級からフェザー級に戻したことでヘルシーになったと感じていますか。

「力強く感じているよ。何より、常に計量のことを考えるというストレスから解放された。パフォーマスの自分のなかでのベスト・クオリティにある。

バカ食いはできないけど、バンタム級の時より現時点でもカロリーの高い食事を摂ることができているしね。食事を楽しめていると、メンタル的に良いことだけさ。

ただ前回のカイとの試合での計量失敗は階級云々でなく、不運なことに体調不良が原因となったんだ。それでもファンの皆に迷惑はかけたくないし、試合の1時間前まで戦うことができるよう最善の努力はした。もうチャンピオンになる機会を失ったけど、大会に穴を空けることはしたくなかった。

凄く残念なことだったけど、リングにだけは上がろうと思っていたんだ。それがファンの望みだしね。ただ減量しながら遠征をするというのは、簡単なことではなくて……」

──確実に免役が落ちている中で、飛行機という閉ざされた空間のなかで長い時間過ごす。そして気候も時間帯も変わるわけですし。

「バンタム級で戦うよりもフェザー級の方が体調が少しは良くなることは確かだろう。結果的に体調不良に陥り難くなるはず。減量に関して、何かを変えるとすればそれはペースかな。結果、バンタム級より10ポンド減量が減ることで、調子は良いし、凄く試合が楽しみだよ」

──とはいえ、対戦相手のフィジカルもバンタム級時代より強度が増します。そこに関して、不安はないですか。

「過去にパトリック・フレイレを始め、フェザー級の選手と戦ってきた。ライト級で試合をしたこともある。なによりたくさん食事をして、太ったというわけじゃないから。フェザー級に合わせた体を……筋量も含め、創ってきた。練習相手もナツラのようにライト級の選手と、思い切りぶつかっている。以前と同じように、限界まで自分を追い込み、限界まで自分を高めてきたよ。

この試合が決まったのが4月のことで。リアルなプロとして1年中トレーニングを欠かさず、常に体調を維持しながらもファイトキャンプは6週間から8週間は取りたいと思っていたので、しっかりと調整ができたよ」

マーシャルアーツとは、常に自分を試すこと。挑まないと、何も手にすることはできない

──では改めてクレベルの印象を教えてもらえますか。

「前チャンピオンで、素晴らしいファイターだ。だから、今回の試合もファンに喜んでもらえる最高のファイトになるに違いない。なんせ、クレベルは最高の柔術家でフィニッシャーだからね。とにかく試合開始から、終了までいつだって一本を狙ってくる。

その彼の柔術を怖がってしまうと、アドバンテージを与えることになるんだ。結果、クレベルは自分のファイトを貫くことができて、今のような立派なレコードを残すことができた」

──対してフェイクを多用し、距離のコントロールと角度の創り方という部分でサイエンティフィックなMMAを繰り広げるフアンとしては、どのような戦いをしようと思っていますか。クレベルの柔術を避けるのか、あるいはその領域にはいっていくのか。

「僕は自分の持つ格闘術の全てを駆使して、ファンが喜ぶ試合をしたいと思っている」

──グラップラー相手に柔術を避けるとファンが楽しめる試合にはならないですが、そういう試合は往々にして見られます。

「僕はクレベルの柔術を恐れることはないよ。もうパッチー・ミックスというバンタム級で最高の柔術家と戦い、勝っている。次はクレベルのようにフェザー級で最高の柔術家に自分が通じるのか、試すことができる。

マーシャルアーツとは、常に自分を試すこと。挑まないと、何も手にすることはできない。クレベルの領域に挑んでこそ、戦ったと言えるんだ。そこを越えていくのが、僕のマーシャルアーツ道だからね」

──グッとくる言葉です。

「今回の大会会場はラドウィックがK-1時代に戦ったことがあるって聞かされて、凄く楽しみなんだ(2004年4月、セルカン・イルマッツ戦)。彼が20年前に戦った会場にコーチとして戻って来て、僕の試合を見てくれる。そのことが光栄で。僕にとっては初めて戦う場所だから、ワクワクしている。ナショナル・スタジアムに来てくれるファンに、前RIZINフェザー級チャンピオンを倒すこことで、僕の実力を示したい」

──そんな日本のファンに一言お願いできますか。

「僕のことを常に信じて、応援してくれる日本のファンの皆に、RIZINフェザー級チャンピオンになる力があることを証明したい。新しいフアン・アルチュレタを見て欲しい。いつも応援、ありがとう」

■視聴方法(予定)
6月9日(日)
午後12時30分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

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