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【ONE166】ボカン戦の敗北から1カ月、カタールで再起戦=山北渓人「勝ち続けてきたスタイルで」

【写真】Me,Weの山﨑剛代表より大量の現地の模様を送っていただきました。多謝(C)TAKESHI YAMAZAKI

3月1日(金・日本時間)にカタールの計画都市ルサイルのルサイル・スポーツ・アリーナで開催されるONE166「Qatar」にて、山北渓人がジェレミー・ミアドと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

1月のONE日本大会でボカン・マスンヤネに敗れ、プロ初黒星を喫した山北。外国人選手特有の身体のサイズやフィジカルの強さを痛感しての敗戦から約1カ月、この短期間で劇的に自分を変えることはできないが、マスンヤネ戦の経験からVS外国人選手を想定した戦術や技術の取捨選択はできる。カタール入り山北にストロー級戦線への再浮上をかけた一戦を控える心境を訊いた。


――ONE日本大会でボカン・マスンヤネに敗れたあと、約1カ月という短いスパンで試合が決まりました。

「試合に負けてちょっとだけ落ち込んでいたのですが、こちらからは早めに試合をしたいとお願いはしていて、思ったよりも早く決まってよかったです。次に切り替えられるタイミングだと思って、すぐにオファーを受けました」

――ONEで定期的に試合を組まれる日本人は少ないので、意外だった部分もあったのではないですか。

「もともと去年も結構オファーをもらっていたのですが、怪我で出来なかったり、直前で準備ができていなかったりで、最終的に1試合しかできなかったんですよ。今回は試合に負けたあとだったので、次いつオファーをもらえるんだろうと心配だったのですが、3月のオファーをいただけてうれしかったです」

――練習そのものはすぐに再開したのですか。

「一週間だけ休んで、すぐに試合用の練習を再開しました。準備期間を設けたというよりも、マスンヤネ戦から継続してすぐ練習を再開した感覚です」

――改めてマスンヤネ戦を振り返っていただけますか。

「パワーだったり、レスリングだったり、マスンヤネが強かったというのもあるんですけど、それ以上にそこにビビってしまって、いい戦略で戦えなかったのかなと思います。今となってはいつも通りやればよかったのにな…という思いがありますね。逆にそこ(いつも通りにやる)を再確認できた部分もあるので、今回の方がいいパフォーマンスを見せる自信があります」

――マスンヤネのフィジカル的な強さを必要以上に警戒してしまったのでしょうか。

「そこが強いことは分かっていたのですが、パワーの質が違うというか。僕は練習でも階級が上の選手がやることが多くて、そういう相手にも動ける自信はあったのですが、マスンヤネからはそれとは違う外国人特有のものを感じて、これは全然違うなと思ってしまって。それでメンタル的に悪くなって、いこうと思ってもいけないという状況に陥っていました」

――逆にマスンヤネのような外国人特有のフィジカルを経験すれば、次からそこもイメージしやすいと思います。あの試合でどんなことに気づきましたか。

「あの時は外国人選手と戦うのが2戦目で、その経験自体が少なかったし、ちょっとずつ色んな技術を覚えて柔術も上手くなってきて、下からの寝技にも自信があったんで、そこで戦ってもいいと思っちゃったんです。だから今回はもう一回ちゃんとレスリングをやろうと思って、そこを練習で作り直せたし、試合でもそこを徹底しようと思って、いい教訓になりました」

――では今回は新しいことを取り入れるというよりも、自分の戦い方を微調整しているイメージですか。

「はい。マスンヤネ戦の反省点を踏まえて、これまでのスタイル=勝ち続けてきたスタイルで作り直してきました」

――対戦相手のジェレミー・ミアドにはどのような印象を持っていますか。

「長身で打撃が強い選手だと思うんですけど、見ていてなんでもできる選手だなと。ベテランで組みの対応もできる選手ですが、そこでしっかりテイクダウンして。スタミナには自信があるんで、攻め続ければチャンスは出てくると思うし、いつも通り今までやってきた戦い方で勝ちたいです」

――ミアドは身長170センチ、山北選手とは15センチの身長差があります。マスンヤネとは違う形で外国人選手特有の身体的な特徴を持った選手で、いざ対峙した時にどう対応するかが試されると思います。

「ここ2戦の相手はどちらのグラップラーだったのですが、今回の相手は気持ちでガンガン出てくるタイプで、そこでびびって逃げのテイクダウンにいくとテイクダウンできないと思います。決して打ち合う訳ではないですが、ビビらずに打撃でも勝負してテイクダウンしていきたいです」

――レスリング勝負で競り勝つ。ずばり今回の試合は原点回帰ですか。

「もう一回“我慢比べ”するというか、どちらがやりたいことをやるか。そういう試合になると思うので、僕は自分を貫き通して攻め続けます」

――ミアドは連敗中で、直近の試合で敗れたもの同士の対戦=生き残りをかけた試合です。

「今回は追い込まれているつもりでやらないといけないな、と。ここで勝てば次はいい相手と試合を組んでもらえると思うし、ここで勝ってランカーや上位陣と試合を組んでもらえるような勝ち方を見せたい」

――マスンヤネ戦の初敗北から、どのような巻き返しを見せたいですか。

「前回はいつもの自分の試合じゃなかったので。もう一回、自分らしい試合をして、やっぱり山北はタイトルを狙える選手だなと思ってもらえる結果と内容にしたいです」

■放送予定
3月1日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

■ONE166対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] アナトリー・マリキン(ロシア)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] タン・カイ(中国))
[挑戦者] タン・リー(米国

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
[挑戦者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アージャン・ブラー(カナダ)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ボクシング147ポンド契約/3分3R>
ズハイール・カハタニ(サウジアラビア)
メディ・ザトゥー(アルジェリア)

<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/12分1R>
オサマ・アルマルワイ(イエメン)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<ムエタイ147.75ポンド契約/3分3R>
ザファー・シャイック(トルコ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)
アリ・サルドエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
鈴木真治(日本)
ハン・ズーハオ(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

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