【ONE FN24】猿田洋祐と日本人対決、山北渓人「ストロー級日本最強を決める戦いだと思っています」
【写真】山北がブルドックチョークを極めた場合は「パグチョーク」表記でお願いします(C)NAKAMURA TAKUMI
3日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night24「Brooks vs Balart」が開催され、山北渓人が猿田洋祐と対戦する。
Text by Takumi Nakamura
1月のONE日本大会でボカン・マスンヤネにプロ初黒星を喫した山北だったが、3月のONEカタール大会ではジェレミー・ミアドに隠れた必殺技=山北式ブルドックチョーク=パグチョークで一本勝ち。今大会で早くも今年3戦目を迎え、猿田との日本人対決に臨む。
山北にとって猿田はMMAを始める前から見てきた選手で「猿田選手がストロー級の日本人で一番強いと思っている」という存在。「自分の中でタイトルマッチと同じぐらい意味のある試合だと思う」と位置づけている。
――計量を控えているなかでのインタビューありがとうございます。体調やコンディションはいかがですか。
「もともと減量は楽なんですけど、今回は体重が勝手に落ちていって、すごく楽ですね。特に食事を減らさなくても大丈夫くらいの感じだったんで」
――今年すでに3試合目ということで、グッドシェイプが続いているようですね。
「そうですね。試合が終わっても、すぐに練習を続けてやっていたので、あまり体重がガッと増えることはなかったです」
――2022年と2023年は年1試合ペースでしたが、今年は一気に試合数が増えてポジティブな変化があるようですね。
「僕の試合が続いてるのもあるし、同じチームの(藤田)大和さんや倉本(一真)さん…階級が近い選手たちの試合もどんどん決まっていて、先輩たちのスパーリング相手に使ってもらっていたので、それでずっと仕上がっていたというのもありますね」
――誰かしら試合前の追い込みの相手を常に務めている感じだったんですね。それプラス試合も続いているので、動きそのものもよくなっていますか。
「はい。自分でも動きがいいなと思いますし、山﨑(剛)さんからも『今回すごくいいね』と言ってもらえているので、コンディションは最高だと思います」
――前回の(ジェレミー・)ミアド戦ではブルドックチョークによる一本勝ちでしたが、あれは得意技だそうですね。
「はい。あれは僕の必殺技です。僕はバックを取ることが得意なんですけど、そこから色々と技を研究していくうちにブルドックチョークが極まるようになって、そこからパターンが増えた感じですね」
――ではミアド戦で極めた以外にも入り方・極め方はあるのですか。
「あれは一番シンプルな形ですね。あの時はケージを蹴って極めましたけど、ケージを蹴らなくても極められます」
――どうしてもブルドックチョークは飛び道具というイメージがありますが、山北選手の中ではちゃんと技術体系として入り方や極め方があるんですね。
「練習していくうちに、極めるシチュエーションもたくさん出てきたし、ジムのみんなも『あれで極めたんだね』という反応でした」
――まさに山北式ブルドックチョークですね。
「僕の中ではパグチョークという名前をつけているので、これからはパグチョークでお願いします(笑)」
――かしこまりました(笑)。先ほど練習仲間の話もありましたが(リバーサルジム新宿)Me,Weは軽量級の練習相手が豊富なので、スパーリングを重ねる中で技が磨かれて行きそうですね。
「はい。ブルドックチョークも練習仲間はどんどん対応してくるので、そこからバリエーションも増えるし、今回は新しい技も用意しています」
――さて今大会では猿田洋祐選手と日本人対決が決まりました。最初にオファーを聞いた時は驚いたのか、それともいよいよ来たかと思ったのか。どちらでしたか。
「どちらかというと、いつかやるかなと思っていました。ポジション的にも、猿田選手は連敗中で、僕は前々回負けて前回勝って、そろそろ当たるかもなと思っていました。ただそうは思っていながらも、オファーが来たら『ここできたか!』って感じですね」
――猿田選手のことはどのような目で見ていたのですか。
「僕が格闘技を始める前から見ていて、ずっと強い選手だなと思っていました。自分より上の階級の選手だったら憧れの目で見るんですけど、同じ階級だったのでライバル視というか。いつかやらなきゃいけないのかと思っていたし、僕は今でも猿田選手がストロー級の日本人では一番強いと思っています」
――山北選手の中ではストロー級日本最強決定戦という位置づけですか。
「自分の中でタイトルマッチと同じぐらい意味のある試合だと思っていて。何か一つの到達点というか、日本編のラストみたいな感じで位置づけています」
――タイトルやベルトに挑戦するために超えなければいけない相手ですか。
「そうですね。ここが壁というか。タイトルにいくには当然倒さなきゃいけない相手だし、格闘技を始める前から見てきた相手なので、そこは超えなきゃいけないなって思います」
――そういう思いもありつつ、今の自分だったらしっかり勝てるところまで来たという自信もありますか。
「ここまで来ることが出来てうれしいという気持ちもあるし、自信はもちろんあります」
――山北選手にとって特別な思いがある試合だと思いますが、どんな試合を見せたいですか。
「猿田選手も気持ちがこもった、動く試合をする選手で、僕も動き続けることが持ち味だと思っています。絶対に噛み合うと思うし、それと同時に我慢比べにもなるかなって思いますね。ストロー級らしい速い展開で。ストロー級にしかできない試合をしたいです」
――ONEのストロー級は日本人も多いですし、もっと注目される舞台にしていきたいですか。
「ストロー級は他の階級に比べて注目度が少ない階級ですが、僕も猿田選手もストロー級ならではの面白い試合をできる力を持っていると思うので、ストロー級をアピールするいいチャンスだと思っています」
――和田竜光選手も次戦からストロー級に落とすという話をしているので、日本人絡みでも興味深いカードが増えていきそうです。
「和田選手のことはすごいなという目で見ていたんですけど、ストロー級に落としてくるとなると、戦って勝たなきゃいけない相手になるんで。キャリア的にいったら、和田選手と試合できるとなったらすごくうれしいことだし、和田選手に勝ったら……と思うと、どんどん自分の地位を上げるチャンスだと思うのでワクワクしています」
――今年は試合数も増えていますし、猿田選手との試合も決まって、山北選手のキャリアの中でもターニングポイントになる1年ですね。
「はい。1月のボカン・マスンヤネ戦で初めて負けたことも大きくて、あの負けでもう一段階、もう一皮むけたというのが絶対にあったと思います。日本大会でいい経験をできたと思うし、今は本当に大事な時期で、次の試合も大事な戦いだと思います」
――それでは最後に日本のファンに向けてメッセージをいただけますか。
「この試合は僕のキャリアの中ですごく大事な試合ですし、日本人最強を決める戦いだと思っています。またストロー級キングオブパンクラシストの第2代(北方大地)が猿田選手に負けているので、第3代の僕がやらないといけないという気持ちもあります。パンクラスを代表して猿田選手と戦いたいと思うので、そこも注目してもらいたいです」
■放送予定
8月3日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT
■ ONE FN24対戦カード
<ONE暫定世界ストロー級(※56.7キロ)王座決定戦/5分5R>
ジャレッド・ブルックス(米国)
グスタボ・バラルト(キューバ)
<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者]ダニエル・ケリー(米国)
[挑戦者]マイッサ・バストス(ブラジル)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
フィリッピ・ロボ(ブラジル)
ナビル・アナン(アルジェリア)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ)
ナックロップ・フェアテックス(タイ)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
アーロン・カナルテ(エクアドル)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ドミトリー・コフトゥン(ロシア)
フェラーリ・フェアテックス(タイ)
<キック・フライ級/3分3R>
内藤大樹(日本)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
猿田洋祐(日本)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョーアッジャラブーン(タイ)
クレイグ・コークレイ(アイルランド)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
カルロ・ブーミナアン(フィリピン)
<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(ロシア)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)
<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ユー・ヨーペイ(香港)
エイミー・ピルニー(英国)