【OFC17】序盤リードの渡辺、エウスタキーオの見切りに逆転許す
<フライ級/5分3R>
ゲヘ・エウスタキーオ(フィリピン)
Def.3-0
渡辺健太郎(日本)
勝者がフライ級世界戦へ歩を進めることができる一戦。右へ回りながら左ローを放つ渡辺。続く左ローにエウスタキーオが右を合わせようとする。渡辺は左ジャブを伸ばし距離を計る。前に出た渡辺の右フックがヒットし、エウスタキーオの動きが止まる。そのままラッシュはかけず、左フックを一発入れて距離を取り直した渡辺は、サウスポーの構えからプレッシャーを掛ける。エウスタキーオの右アッパーに渡辺は左フック、さらに右ストレートを伸ばす。オーソに戻した渡辺が左ジャブ、エウスタキーオがスピードに乗った右ローを入れる。
パンチを振るいながら渡辺が前に出て右をヒット、一旦離れてもう一度右をヒットする。エウスタキーオの前進からのワンツーをバックステップでかわした渡辺。エウスタキーオは右をヒットさせたが、最後のテイクダウンに失敗し渡辺が初回を取った。
2R開始時にアグレッシブに攻めるよう注意を受けた両者。手に汗握る距離の取り合いが許されないのは辛い。ともに接近戦でパンチを放ち、優勢なのは渡辺か。エウスタキーオは左ミドル、ロー、さらに跳びヒザと足技を増やす。渡辺も左フックをヒットし、ペースは譲らない。と、エウスタキーオの左ローが渡辺の急所を直撃し試合が中断する。かなり苦しげな表情で大の字になっている渡辺、立ち上がっても苦しそうな表情は変わらない。
再開後、渡辺は思い切ってフックを振るいながら前に出る。エウスタキーオの前蹴りをかわし左を打ちながら前に出る渡辺、エウスタキーオは右ローを続ける。エウスタキーオの右から左を被弾した渡辺、打撃の勢いは五分に近づきつつある。エウスタキーオはボディから左フックを伸ばす。左を打ち込んだ渡辺、エウスタキーオがスリップでバランスを崩し立ち上がったところでラッシュを掛けるもクリーンヒットはない。ここで2Rが終了、このラウンドはエウスタキーオが微差で取ったが、試合を通しての裁定となるOFCだけに、渡辺はリードを守っている。
迎えた最終回、左が交錯し、エウスタキーオが組みつき離れ際に右を見せるも当たらない。渡辺の左がヒット、エウスタキーオも左を返す。エウスタキーオの左ジャブが2発、渡辺の顔面に。さらにローと入れる。渡辺も左に回ってアウトから左を打ち込むが、続く接近戦でエウスタキーオのパンチを受けて、体が流れる。パンチが見切られるようになった渡辺。残り2分強でレフェリーがもっと攻めるよう、両者に指示を与える。
前に出るのは渡辺だが、エウスタキーオもヒザを見せ、右を打ち込む。左を2発当てたエウスタキーオ、ダメージはない渡辺だがパンチを当てたい。最後の1分、渡辺が前に出るもエウスタキーオがかわす。渡辺のスピニングバックフィストは空振りに、続くテイクダウン狙いをスプロールしたエウスタキーオ。最後も足を使ってパンチをかわし、左を入れたエウスタキーオが試合終了とともに右手を挙げる。中盤以降のパンチの精度は明らかにエウスタキーオだが、前に出ていた渡辺の勢いが買われることも十分に考えられる。
果たして裁定結果は、3-0でエウスタキーオに。足を使ってもパンチをかわし、パンチを当てたエウスタキーオに凱歌が挙がった。