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【DEEP Nagoya Impact2023#04】組み技戦で須田萌里に勝利。Who is マユミGSB?─01─「試合は怖い」

【写真】マユミ・グラップリングシュートボクサーズジム。どんな選手なんだ?ということで取材させていただきました(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(日)、愛知県春日井市の勝川プラザホテルでDEEP Nagoya Impact2023公武道ファイト03&04が行われた。2部構成、第2部の04大会ではグラップリングマッチで、マユミ・グラップリングシュートボクサーズジムが須田萌里に判定勝ちしている。
Text by Shojiro Kameike

TAKESHI SATO/GSB

試合結果から見れば、大波乱といっても過言ではない。

もともと柔術家であり、MMAでも活躍している須田に――失礼ながら、無名の選手が勝利したのだ。マユミ・グラップリングシュートボクサーズとは一体どのような選手なのか。ド緊張のなか、取材はスタートした。


――本日はよろしくお願いいたします。Zoomの画面越しに、すごく緊張されているのが分かります。

「はい(苦笑)。すみません、よろしくお願いします」

――正直なところ、マユミ選手に関する情報がありません。まずプロフィールからお聞きしたいのですが、年齢を訊いても大丈夫でしょうか。

「今、31歳です」

――格闘技を始めたのは、いつ頃ですか。

「23歳の時です。公武堂MACSにグラップリングと柔術がメインで通い始めました。当時の公武堂MACSのクラスはネックスが運営していて、途中からグラップリングシュートボクサーズ(以下、GSB)に替わったので、私の所属もGSBになっています」

――23歳の時に格闘技を始めたキッカケを教えてください。

「……UFCが好きで、UFCの真似をしてみたいと思って入会しました。もともと弟が視ていて。弟と一緒に視ていて、私もUFCが好きになりました」

――では弟さんも一緒にジムへ入会して……。

「いえ、格闘技を始めたのは私だけです。弟は視るだけですね(笑)」

――お姉さんだけ入会とは意外です。UFCがキッカケだったということは、MMAをやろうとは思わなかったのですか。

「ジムでMMAの練習はしているのですが、試合は――怖くて(苦笑)。今のところMMAの試合に出たことはありません」

――最初はMMAを想定して柔術やグラップリングのクラスに入ったのですね。

「そうですね。MMAに憧れて、まずは寝技から入りました」

――格闘技を始めて8年ほどが経っています。これまで柔術やグラップリングだけでなく、MMAの試合に出るチャンスもあったのではないでしょうか。

「MMAだけでなく、そもそも試合自体やっていないんです。緊張するのが嫌で」

――試合自体、というのは柔術やグラップリングの試合も含めてのことですか。

「柔術は青帯なのですが、白帯の頃に3回だけ出ました。でも、もう4年ぐらい前で……それ以降はずっと試合に出ていませんでした」

――えっ!? 今年4月のDEEP刈谷大会では高田暖妃選手を下していますが、それが4年ぶりの試合だったのですか。

「はい……」

――お話の途中でスミマセン。インタビュー中もずっと緊張されていますよね。もっと肩の力を抜いてください(笑)。

「あっ、はい(苦笑)」

――話を戻すと、試合に出ていない間もずっとジムに通っていたわけですよね。なぜ4年ほどの間、試合に出なかったのでしょうか。

「一番は楽しく練習することで、試合に出たいという気持ちはありませんでした。人前で試合をするのは緊張しますし、それが苦手で……。でも練習は、すごく楽しいです」

――それだけジムに通っていると、GSBの坪井淳浩代表はもちろん練習仲間の方々からも「試合に出れば良いのに」と言われませんか。

「しょっちゅう言われていました。だから全て断っていました(笑)」

――マユミ選手が格闘技を始めた頃と比べて、現在は女子の試合も盛り上がっています。そんなプロの世界に憧れは……なかったのでしょうね(笑)。

「はい、自分が出たいという気持ちはなかったです。観るのは大好きです」

坪井淳浩GSB代表 アハハハ。

――坪井さんとしては、ずっとマユミ選手に試合をしてほしかったのですか。

坪井 練習を見ていて、実力的に女子の中でもトップレベルにあると思っていました。結局、最初に話をしてから試合に出るようになるまで2年ぐらい掛かりましたけど(笑)。

「……(微笑)」

――説得に2年も掛かったのですか!

坪井 そうなんですよ。周りの皆さんにもバックアップしてもらいながら、「グラップリングなら……」と了承を得て、ようやく出ることになりました。プロデビュー戦で対戦した高田選手は、すごく強いファイターです。でも、こちらとしては勝算がありました。

――それだけ坪井さんから見ても、マユミ選手の評価が高かったのですね。

坪井 はい。だからといって――これは誤解してほしくないのですが、「須田選手なら勝てる」と思ってオファーしたわけではありません。ただ、須田選手ほどのレベルの相手でも、戦えるのではないかと思っていたのは事実です。自分の実力を、彼女自身が一番分かっていないんですよ(笑)。

――マユミ選手としては、今年4月の時点でプロの舞台に上がることなど一切考えていなかったのではないですか。

「そうなんです。代表の押しに負けて、出ることになりました(笑)。ずっと『MMAの試合をやってみないか』と言われていましたが、怖いから断っていたんです。それで『グラップリングなら良いか……』という話になりました」

<この項、続く>

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