【BRAVE CF73】心身ともに限界まで削りあったホゼ・トーレスとンデベレ。新バンタム級王者はトーレスに
【写真】日本では人知れず──と表現して良いだろう──地球の反対側で行われていた激闘をショーティー・トーレスが制した(C)BRAVE CF
<BRAVE CFバンタム級王座決定戦/5分5R>
ホゼ・トーレス(米国)
Def.2-1:49-45.49-47.47-48
ンコシ・ンデベレ(南アフリカ)
サウスポー&長身のンデベレに対し、トーレスは左ローを蹴っていく。ジャブを伸ばし、前蹴りで突き放すンデベレが左ハイを繰り出す。さらにテンカオを放ったンデベレは左ローから再び左ヒザを放ち、右を打って前に出る。ガードの上から素早いワンツー、スリーを見せるンデベレが、トーレスのステップインを外してジャブを打っていく。さらにオーソに構えて右アッパー、首相撲&ヒザを顔面に突き上げる。
圧倒されるトーレスは飛び込んでクリンチへ。逆にンデベレは押し込んで離れると、前蹴りを腹と顔を入れて跳びヒザ、続いて首相撲からヒザ蹴りを決める。テンカオのンデベレに対し、トーレスは足払いを狙い、さらに首投げでテイクダウンを決める。ンデベレは苦も無く立ち上がり、トーレスをケージに押し込んでいく。シングルは切られたンデベレだが、トーレスの左目尻をカットさせ初回を完全に取った。
2R、ンデベレが左ハイ、さらに右アッパーもトーレスは右を返す。右ミドル、左を入れたトーレスだが腹を蹴られ、クリンチでケージに押し込まれる。トーレスはウィザーでヒザを繰り出し、右を差してボディロックを狙う。腰に乗せて投げようとしトーレスだが、耐えたンデベレが押し込む展開が続く。
その先に進めないンデベレに豪快な首投げを決めたトーレスは、スクランブルでギロチンに取って引き込む。タイトに見えたギロチンだが、ほどなくしてンデベレが頭を抜く。ハイガードや頭を引き寄せて攻撃を遮断するトーレスはケージキックからオモプラッタ、さらに腕は抜けるが前転してシングルを狙う。スクランブルとなり首相撲でヒザを見せたンデベレだが、またも首投げで投げられトーレスがラウンドを取り返した。
3R、左フックから前に出るトーレス、疲れが見えるンデベレはヒザを出すが距離を詰められ右を被弾する。ンデベレはアッパーを返すも、右ローを蹴られて一回転。直後に組んでクリンチのンデベレは動きに切れがなく、トーレスが離れる。それでも左を伸ばすンデベレは、右を空振りして姿勢を乱す。首相撲に捕えられたトーレスは逆に、ヒザから崩してギロチンを仕掛ける。ヒザをついたンデベレのバックに回ったトーレス。座った状態のンデベレに足のフックなしでRNCを狙うと、スナップバックの要領で背中をつかせていく。
上体を起こしたンデベレは再びバックに回られ、ついに背中をつけると腕十字に捕えられる。足を絡ませて腕を抜いたンデベレをかぶってヒザを入れたトーレスが、ダブルレッグからワキを潜ってバックに回る。そのままタイムアップを迎え、トーレスがポイントをリードした。
4R、トーレスが右ミドルから左ロー、ンデベレがヒザ蹴りを返す。腹への前蹴りに続き、右をヒットさせたンデベレはジャブを連続で差し込む。さらに左ミドルを入れたンデベレだが、スピードがない。ここで組みを選択したンデベレに対し、トーレスは首相撲から崩しを再び見せる。バランスをキープしたンデベレがケージに押し込み、トーレスのベリートゥベリーからスクランブルへ。スタンドに戻ってもからもンデベレが左腕を差して、ケージにトーレスを押し込む。体力と精神の削り合いのなかで、トーレスがヒザ蹴り。ンデベレが肩パンチを打っていく。
右を差し替えたトーレスはヒザ蹴りを、さらに右を差しあげて払い腰を決める。抑えることはできず、両者立ち上がると力を使ったか、トーレスの動きが落ちる。ンデベレがスピニングバックキックを腹に決め、ダブルレッグへ。ここで時間となった。
最終回、立ってインターバルを過ごしたンデベレが、両手を挙げてボコタのファンを煽る。ロー&ジャブのンデベレはステップを踏むようになり、トーレスの左フックにダブルを合わせる。そのままケージに押し込んだンデベレは、ボディに細かいヒザやパンチを受けて離れる。直後に組みに来たンデベレにヒザを入れて離れたトーレスが、右アッパーにもショートのフックをコンビで返す。
ンデベレのシングルをスプロールし、一気にバックを狙ったトーレスが前方に落とされガードを強いられる。トーレスは一気の三角絞めも、ンデベレは体を押し込み窮屈な姿勢を強いる。トーレスは頭をひきよせ、ヒザをついたンデベレの左腕を伸ばしにかかる。この角度では止まらないが、ンデベレも三角クラッチから頭を抜くことができず、時間は残り30秒に。正対したンデベレに足をフックし直したトーレス、ンデベレがボディにパンチを連打してタイムアップに。
心身共に消耗しながら攻め、そして守った両者は笑顔を浮かべてハグ。初回と4Rがンデベレ、2、3&5Rがトーレスと思われるが──。ケージ中央で1分以上待たされた両者、結果はスプリット判定でトーレスの腰にBRAVE CFバンタム級のベルトが巻かれた。「判定を聞くまで、時間が掛って『どうなっているんだ』と思ったよ。でもテイクダウンをしっかりと取れたし、接戦とは思っていなかった。とにかくベストを尽くした。腕十字もタイトだったし、今日は僕の日だった。バンタム級で挑戦権を得るまで上がってきた選手なら、誰の挑戦でも受ける」とトーレスは話した。