【UFC290】急転直下、平良達郎──試合消滅から2週間後にPPV大会でチャイレスと対戦決定~の顛末
【写真】チャイレスのMMA戦績は10勝4敗。Combateで5勝2敗、昨年のコンテンダーシリーズでは判定負けを喫しているが、それからは2連勝し8月22日に行われるCS2023第3週で戦うことが決まっていた(C)Zuffa/UFC
27日(火・現地時間)、平良達郎が7月8日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC290「Volkanovski vs Rodriguez」に出場し、エドガー・チャイレスと130ポンド契約マッチを戦うことが発表されている。
平良は先週末24日のフロリダ州ジャクソンビル大会=UFC ABC05「Emmett vs Topuria」でクレイジソン・ホドリゲスと対戦予定だったが、ホドリゲスの体重オーバーで試合はキャンセルされていた。
実はホドリゲスが減量に苦しんでいるという情報は計量前から平良陣営にも伝わっており、次=ランカー対決に向けてのデモンストレーションマッチという位置づけだった試合で、体重オーバー常連の相手と戦う必要がない。それが平良陣営の判断で、当初は「戦いたい」という意志を見せていた平良自身もこの判断を受けいれることとなった。
しかし、すぐに平良は試合を戦わなかったことを悔やみ、何より戦いという強い気持ちと直面することとなったという。平良がホドリゲス戦を拒否した裏には、次の試合がすぐに組めるという状況にあったからだ。そこで当初の予定から戦うことを念頭に置いていた8月26日のシンガポール大会では問題なく戦うことができる──という以外にも、これまで3連勝で2試合が一本勝ちというパフォーマンスを見せていた平良には他のオプションも存在した。
2週間後のベガスでのPPV大会のプレリミ出場、あるいは7月22日のロンドン大会、9月2日のパリ大会まで平良は選択でき、交渉できる──それが彼がマネージメント契約を結ぶイリディウムのジェイソン・ハウス代表の説明だった。
平良の師である松根良太Theパラエストラ沖縄代表は「2週間後はない」という考えだったが、試合がなくなった平良は1日も過ぎると「2週間後、出ましょうか」という言葉を発したという。フロリダからラスベガス。勝手知ったる場所で、そのままトレーニングをして試合を迎える。平良の決断に松根代表、常に平良のキャリアを支えてきた──まりこEVERGROUND代表も2週間の米国滞在延長し、彼を支えることとなった。
ベガスでの試合に向けて松根代表が出した条件は一つ、「体重オーバーをしない選手」。緊急オファーを受ける格上選手は当然おらず、8月にコンテンダーシリーズに出場が決まっていたチャイレスが、130ポインド契約戦で平良との対戦を受けてオクタゴンデビューすることが決まった。
既に1度、フライ級リミットに減量をしている平良の体調を考慮すると130ポンド契約は非常に的を得ているといえる。それでもリスキーな決断には違いない。MMAPLANETではUFC290出場を決めた平良に緊急インタビューを行っており、後程お伝えしたい。
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